3章 錬金国家アルケミー10 -6日目・話し合いの末-
「任務で来たのは分かってる。だけど、闘う前に話がしたい」
「…分かった」
ギルドにある待合場所のような所に行き、俺は椅子に腰掛けた。ルーシェもクジャク姉も椅子に座った。
「ジャポネーグが滅ぼされた。もう俺達を始末する理由は無いだろう?仕える国がないのだから」
「そうか…。俺が国を離れてからそんな事が…。…仕える国が無くなった俺は、これからどうすればいい?」
「そんな事私たちに聞かれても知らないわよ!」
「ルーシェ少し黙っててくれないか?」
ルーシェは怒りながら「分かったわよ」と言った。
「とりあえず狐面を外してくれないか」
「この面は任務が終わるまで外せない。無理やり外そうとすれば呪いによって死ぬ、と聞いた」
「ルーシェ、この手の呪いを解く魔法を知らないか?」
「…………」
「ルーシェ!」
「黙ってろって言ったのはあんたでしょ⁉︎それに私たちを殺しにきたやつの事なんか知ったこっちゃないわよ!」
ルーシェは何故かイラついていた。俺は彼女のその態度と言葉に腹が立った。
「そうかい…。今日限りでお別れだ。今までありがとな」
「えっ?ちょ、ちょっと待ちなさいよ」
所持金の半分が入った袋を袋から取り出し、テーブルの上に置いた。
「行くぞクジャク姉」
俺はクジャク姉の手を取り、冒険者ギルドをあとにした。
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俺達はギルドから離れた店で、昼食を食べながら話し合いを続ける事にした。
「…この面を破壊する方法はある」
「本当か⁉︎」
「厳密にはあったと言った方が正確だな」
どういう事だ?という顔をしたので俺は思いついた方法を説明した。
「まず俺が素手で面を割る」
「正気か?この面は日緋色金でできている。金より軽くダイヤモンドより硬い。そんなもの人間の手で割れるわけなかろう」
「俺はそれができる」
「化け物になったのかおまえは…」
表情は分からないが、彼女は驚いているようだ。
「俺が化け物でもこの際構わない。それで面を割ると同時にクジャク姉には、瀕死のダメージが入る」
「俺にもダメージがあるのか…。しかも瀕死って…」
「そのダメージをルー…あの馬鹿の魔法で瞬時に回復してもらう予定だった。もう無理だけどな…」
俺の回復魔法だと、魔力コントロールが効かないため、問題がある。回復しきらないかったり、回復が過度な状態になってしまう。
過度な回復は寿命を削ってしまうってルーシェが前に言ってたしな…。
だからルーシェの回復魔法が必要だった。
「仕方ない、冒険者ギルドに行って依頼を出すか」
「そこまでしなくても」と聞こえたが、聞こえないふりをして、冒険者ギルドへと向かった。
解呪魔法を作り出し、使用してもよかったのだが、俺は魔法にあまり詳しくない。知識が無いのにやるのは非常に危険だからな。やはり専門家に任せるのが1番だ。
「ギルドマスター、依頼を出したいんだけど」
「ギルドマスターって呼ぶな。おっさんと呼べ」
真剣に依頼を出したいから、ギルドマスターと呼んだのに、このおっさんは…。
「…あっ、今のは無しだ。それでどんな依頼を出すんだ?」
「上級の回復魔法が使える人物、又は上級の解呪魔法が使える人を募集したい」
「一応受け付けるが、そんな人間が現れるとは思えんな…」
「気長に待つさ。そんで報酬だけど依頼の手数料込みで、金貨1枚渡しとく」
「随分と気前がいいな。この手の依頼だったら半分の額でも多いぐらいだぞ」
「それだけ払ってでも、呪いを解きたいんだ」




