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名もなき異世界奇譚  作者: Section chief
3章 錬金国家アルケミー
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3章 錬金国家アルケミー11 -6日目・話し合いの末 ルーシェ視点-

「任務で来たのは分かってる。だけど、闘う前に話がしたい」

「…分かった」



ギルドにある待合場所のような所に行き、彼は椅子に腰掛けた。私も追っ手の女も椅子に座った。



「ジャポネーグが滅ぼされた。もう俺達を始末する理由は無いだろう?仕える国がないのだから」

「そうか…。俺が国を離れてからそんな事が…。…仕える国が無くなった俺は、これからどうすればいい?」

「そんな事私たちに聞かれても知らないわよ」

「ルーシェ少し黙っててくれないか?」



私は怒りながら「分かったわよ」と言った。

何で怒ったのか自分でもよく分からなかった。



「とりあえず狐面を外してくれないか」

「任務が終わるまで外せない。無理やり外そうとすれば呪いによって死ぬ、と聞いた」

「ルーシェ、この手のものの呪いを解く魔法を知らないか?」

「…………」

「ルーシェ!」

「黙ってろって言ったのはあんたでしょ⁉︎それに私たちを殺しにきたやつの事なんか知ったこっちゃないわよ!」



私は彼の言った通り、黙っていただけ。それなのに何で怒鳴られなきゃいけないの?



「そうかい…。今日限りでお別れだ。今までありがとな」

「えっ?ちょ、ちょっと待ちなさいよ」



今日限り?えっ?どういう事よ…。


そう思っていたら、彼は所持金の半分が入った袋を道具袋から出し、テーブルの上に置いた。



「行くぞクジャク姉」



彼らは冒険者ギルドをあとにした。




「そこまでする事無いじゃない…」



私はそう言いながら涙を流した。

何で涙を流したのか自分でもよく分からなかった。

椅子に座って泣いていたら、ギルドマスターが話掛けてきた。



「これでも飲んで落ち着きな」



そう言うと、ギルドマスターはコーヒーを置いた。



「ほっといて欲しいわ…」

「そう言われてもな。今お前達が仲違いするのは正直困るからな…」



冒険者ギルドの大会の事があるから、ギルドマスター(この人)としてはほっとくわけにはいかないのだろう。



「私は一度受けたからには、ちゃんと依頼はこなすわ。私わね」

「まぁ、あいつもその辺は問題ないだろう」

「…受付はいいの?」

「この時間は人がこないから、受付にいなくても問題はない。人が来たらすぐに対応すればいいしな」



そう言い、ギルドマスターは笑った。



「それで何があったんだ?」



さっきの事をギルドマスターに話した。



「そんで嬢ちゃんはどうしたい?」

「…あいつと一緒にいたい」

「どうしてだ?そうまでして一緒にいる事もないだろ?」

「…それは…」

「それは?」



どうして一緒にいたいのか。

私は彼の故郷(ジャポネーグ国)で彼と会わなければ、間違いなく死んでいただろう。それにここまで一緒に旅をしてきて、なんだかんだ私の事を守ってくれてた。

…ああ、私は彼の事を好きになっていたのか。



「…言えないわ」

「…そうか。言いたくないんだったら、言わなくていい」



ギルドマスターは納得した顔をしそう言うと、立ち上がった。



「1週間後の早朝に依頼を受けに来い」



ギルドマスターは受付に戻って行った。


私はあいつがとる行動と、ギルドマスターが考えた事が何となく分かった。

あいつは今日中に依頼を出しに来るだろう。

すぐに私が依頼を受けた場合、あいつは依頼を取り下げて2度と同じ依頼を出さなくなる。

とりあえず1週間ぐらいあれば、あいつも落ち着くだろうと、ギルドマスターは踏んだのだろう。



「ありがとう、ギルドマスター」



私はそう呟き、ギルドを後にした。

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