3章 錬金国家アルケミー9 -6日目・クジャクの別れと再会−
錬金国家アルケミーという国の港に、船は辿り着いた。
セッテ追跡部隊は、海の上で烏賊の魔物と戦った時に、俺を除いて全滅した。
皆、案内役である商人達を庇い殉職していった。
誰かが殉職した場合、そいつの面を外し生き残った者が持っていくと全員で話し合っていた。
俺は6つのお面を見て、何がなんでもセッテを見つけなくては、部隊の皆に顔向けできない…。そう思った。
「国を追われたものなどが、行きそうな場所に心当たりはあるか?」
「それなら冒険者ギルドへ行くと良い。ここからだとまっすぐ進んで、突き当たりを右に曲ったらすぐのところにある」
「世話になった…」
「礼には及ばない。こっちはお前さんとこの国主(お偉いさん)に、色々見逃して貰ってるからな。お前さんの仲間の事は…」
「皆覚悟はしていた」
商人と別れ、俺は冒険者ギルドへと向かった。
冒険者ギルドの入り口付近に、かなりの人数の人が倒れていたが、冒険者は喧嘩が日常茶飯事と聞いたので、気にしない事にした。
俺はギルドに入るなり、受付の所にいるおっさんに尋ねた。
「ここにセッテ・ネコヤナギという名の奴はいるか?」
追跡部隊の人間は、ジャポネーグ以外の言葉を話す事ができる。情報を得るのに会話できないと話にならないしな。
俺の問いに、入口にいたおっさんが答えた。
「セッテ・ネコヤナギ?そんな名前の奴は知らんな。名前からしてそいつはジャポネーグの人間か?」
「そうだ」
「ジャポネーグの人間なら知ってるぞ。そこのそいつだ。あと、ギルド内で騒ぎは起こすなよ。起こしたら俺が相手になるからな」
と言い、ローブを被って杖を持った如何にも魔法使いといった感じの女と一緒にいる男を指差した。
その男をしっかりと見た。
セッテだった。
魔法使いの女は背を見せていたため、顔は見えなかったが、セッテと逃げたあの女で間違いないだろう。
「やっと見つけた」と言ったら、彼らは臨戦態勢に入った。
警戒されているようだ。追跡部隊の人間だとわかっているみたいだしな。仕方がない。
そう思っていたら、彼は臨戦態勢を急に解いて言った。
「俺の名前はリョウ・ハナトリ。あんたは?」
と言い、様々な情報が書かれている部分を隠すようにギルドカードを持ち、名前だけを見せてきた。
それに対し俺は「名前を偽っているだけだろ?」と言った。
それに対し彼は、受付にいるおっさんに確認をとった。
「それは不可能だ。そうだろ?おっさん。」
「ああそうだ。登録時に本名が記載される。あとギルドマスターと呼べ」
「だそうだ」
受付のおっさん、ギルドマスターだったのか。そう思いつつ目の前の彼に言った。
「俺がお前を見間違えるはずないだろ」
数秒後目の前の彼は呟いた。
「…生きていたのかクジャク姉」と。




