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二十一話
腕の中で眠っている小さな存在。規則正しい寝息が胸にほのかにかかる。微かな体温が、安心を与えてくれる。愛しい存在が、こんなに近くにいてくれる。しかも腕の中で。
寝 顔だけで、全て忘れられる。昼間のことも、これまでのこと。それだけじゃない。エドガーのことも、それにまつわる嫌な記憶も。
このまま寝てしまうのが惜しい。きっと、明日にはまた元のルウに戻っている。惜しい。ずっとこの時間だけを過ごしていたい。試しに、すっと瞼用字まぶたをおろす。開けてしまった瞼を、もう一度閉じる。
「ふぅ」
何度も寝ようとして、試して、そして確信した。
無理だ。寝られるわけがない。
そりゃそうだろ。こんなにかわいい女の子が、好きな子が、すぐ目の前にいて、抱きしめたままで、背中に腕を回して足も絡めてがっしりと離さないでいろいろくっついていて柔らかくていい匂いで。
興奮してしまうに決まってるだろ!
ああああああああああああああああああああああ・・・・・・食べてしまいたい。
我慢できない。あえて穏やかな風を装ってごまかそうとしたけど、無理だ。生殺し状態。世界一厳しい拷問だ!
そんな俺の状態も知らないで、ルウは穏やかに寝続けている。それだけで、まぁいっかってなってしまう。




