手紙4
8月1日。
私は愛用のバイクにまたがった。
時刻は午前10時前。
『…では、8月1日、AM10時にスタジオで。
部屋は、B-5にいますね。』
これが、あの後玲が送ってきたメールだった。
今日、どんなことをするのかは私は全然知らない。
…というよりそもそもCellphone のこと自体あまり知らないから。
バイクを走らせて10分。
夏休み中なので途中にプールに行くらしい小学生や
同級生を見つけた。
メットの中は蒸し暑くて額に汗がたまった。
スタジオに着いたのは、10時ジャスト。
「うあーー。ジャストじゃん…。」
夏休み真っ只中の混雑していた道路を走るのは
意外と時間を要した。
自動ドアの向こうはクーラーがきいていて涼しかった。
インフォメーションのマークを見つけて近寄ってみた。
ガラスで仕切られていて、お金や鍵の受け渡しができるように
手元だけ四角く穴が開いていた。
受付嬢はハニーブロンドの20歳前後と思われる顔立ちをしていた。
受付さんは私に気がついたようで、にこっと微笑みかけた。
「何か御用でしょうか?」
高いソプラノの声に反応する。
「えっとー、B-5にくるように言われた者ですが。」
こちらも軽く微笑みながら返すと、
受付さんは、意外そうな顔を一瞬したがすぐに戻って言った。
「ああ、お伺いしております。B-5スタジオは2階の一番奥にあります。」
さっきのような笑顔はなかった。
お伺いしていますってことは、私がCellphoneに呼ばれたことが意外なのかなぁー。




