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#対人依存症。和哉くんは生きづらい!  作者: 佐野和哉


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家庭内暴力後遺症者によるリアルなダメージ描写の話

皆さんは顔面やアタマを思いっきりブン殴られたことがあるだろうか。ある人は、わかると思う。激しい痛みと、視界の揺れ、波打ち際のように遠ざかりながら近づいて来る意識。なんというか気絶と覚醒の間みたいな状態だ。


ただ、あまりにボコボコやられてると、だんだん痛くなくなってくる。最初は痛いのが怖いから体を強張らせ、首を引っ込めたり背中を丸めたり目を閉じたりする。

でも、痛くなくなってくると別に避ける理由もなくなってしまう。だから、その時の光景とか自分の状況を、後になって不思議なぐらい覚えていることになる。

それは殴ってる奴よりも余程はっきりとした記憶で、溶けるように流れてく風景が視界の中で揺れ続けている。水面のようでもあるし、攪拌されているようでもあり、テレビの砂嵐みたいでもあった。

自作小説の中でも家庭内暴力の描写が非常にリアルといわれ、中には以前に辛い思いをしていた人から思い出してキツイとまで言っていただけたけれど、これはもう家庭内暴力の後遺症という他ない。今でも思い出したくもないのに脳が勝手に再生してしまうんだな。何かの拍子に。車に例えれば、ボンネットに物凄いデカい凹み傷がついたのを板金で直したつもりが何かの拍子にボコン!と突然また凹んでしまうようなもの。

なので書くについては別に困らない。創作に使うために限っては自発的にフタを開けて中身を取り出せばいいハナシだったから。ただ折角お買い上げ下さった方に辛い思いをさせてしまったのは申し訳ない反面、私も私で一度わざわざ思い出すと猶更なかなか消えなくて往生した。


で私がガキの頃からずっと、リアルだなーと思ってるダメージ描写がひとつあって。

映画でも漫画でも小説でも色々あるけど。

がんばれゴエモン2のインパクト戦。

敵の巨大からくりメカと戦うボス戦あるじゃん。わかるかな?

いま40前後の人なら多分わかる。読者層をどこに設定しているのかはサテオキ、あのボス戦で敵の強烈な攻撃を食らったときに画面がガクガク揺れて、効果音が響くでしょ。

あれ。

まさにあんな感じだった。私はね。

目の前がぐらぐら揺れて、いつまでも視線が真っすぐにならない。頭や顔を殴られている感覚と音はするのに痛みは無い。ボコっとかゴキっとかグシャっとか音は聞こえるし、骨や筋肉を打たれている感覚…皮膚が割けたり髪が抜けたり鼻血が出たのもちゃんとわかる。でも痛くない。

なんならテニスラケットで後頭部をガッツンガッツンいかれたときは眠たくなってきた。骨を直接ゴリッ、ゴリッと叩かれているような感覚になって、同時にめちゃくちゃ眠かった。死にかけてたんだと思うけど、あそこでよりによって

(ここで寝たら余計にキレられる)

と思って、こらえてしまった。寝ておけば良かったんだ。もう目も覚まさないで済んだし、あのバカは今頃まだ刑務所に居ただろうに。つくづく惜しいことをした。


大きく辛いニュースがある陰で、家庭の中から出てこない暴力に苦しむ人は思った以上に多いのだと思う。自分も当事者であり今でも引き摺っている。

生きてて楽しかったこと、嬉しかったことは沢山ある。

ヒトにも機会にも恵まれている。

でも、死んでおけばよかったという基本的な部分は一生たぶん変わらない。

変えたところで戻るだけだ。今日より明日が少しはマシだと願うばかりだ。


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