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#対人依存症。和哉くんは生きづらい!  作者: 佐野和哉


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ワキガの手術をしたいと言って母親と泣きながら怒鳴り合いの大ゲンカになった日

小学校高学年ぐらいからうっすら自分でも気が付いていたが、面と向かって臭いクサイと言われたのは実の父親からだった。逆らえば殴られるのでヘラヘラ笑っているしかないのだが、それはそれで「臭いが移る」「車がクサイ」だの言いたい放題の末に罵詈雑言で殴られるので同じことだった。

追放同然で離婚しても親権がどうとか、うちの母に未練タラタラで誕生日に寿司とって待ってたのに当然来なくて私に八つ当たりして大暴れしたり、そんな奴のところでも行かないと今度は私より力が弱い祖父母が被害に遭う。だから耐えていた。

でも、体質のことまで言われるのは本当に、半分テメエじゃねえかと思って腹に据えかねていた。本当によく殺さなかったし、今でも殺しておけばよかったと後悔してる。

このコーナーを書けば書くほど殺意が募る。今からでも殺せば宣伝になるかな?

まあそんなことしなくて済むように、早く大金持ちのバカ息子にでも轢かれて高額の賠償金with無縁仏の骨になってくれ。


でまあ体質。遺伝であるためにどうにもならんのだが、当時愛読していたプロレス週刊誌には必ず美容整形の広告がデカデカ載っていて。


そんなのずーっと見てたら気になるじゃん。

何しろ毎号穴が開くまで、もう隅から隅まで目を通してるわけで。椎名誠さんが昔、電話帳か何かを全部一文字も逃さず読むというのを書いてたけどそれに近い。


あの当時で十何万だったかな?

腋の下の皮膚を切って汗腺を取り除くっていう。

たいてい名古屋にも支店があってそこでも出来るっていうんだな。

YES!高須クリニック!!もあったかもしれない。

なにしろ毎日デオドラントスプレーが欠かせず、それをやっても流石は思春期のホルモンマシマシ第二次性徴、そんなもんは軽く掻い潜って臭ってくる。

資生堂のAGプラスが出るまでは随分色々と試した。あれがいちばん高くてマシだった。

そうじゃなければ濡らした石を塗るやつとか、通販でイスラエルの女性兵士が使ってるって謳い文句のクリームとか買ってみてた。


限られた小遣いと、あとはおばあちゃんからのお小遣いなどで買い続けているものの、ガキに千円近いスプレーはそうそう買えなくて。

実父あのクズだけでなく、学校でも不意に言われたりすると身動き取れないぐらい辛かった。やっとこ中学に入って不登校ではなくなったけど、柔道なんかやってるから

=汗臭いのイメージにもう一枚、役が乗ってる感じがしてて。

デオドラントや大会前だとブレスミント噛んだりして、そういうの凄く気にしてた。

だからまあ、勝てないよね。臭くても汚くても強くなきゃ居ないのと同じだからね。

競技だもん。


でまあ、大して強くもない癖に、そんなことばかり気にしてる奴、の一丁上がりってわけだ。

悔しかった。だって嫌じゃん、クサイうえに弱いなんて。

強いのなんか上には上が居るんだもん。ちょっとやりゃあわかるよ。ああコイツには敵いっこない、って。同じ部内でも同級生で5歳から柔道やってる山田君なんか、20キロ以上体重差があるのに勝てなかったもん。柔よく剛を制すとは言ったもんだよ。

だからせめて身だしなみを、と思ってたけど、当時は顧問の先生にも理解されなかった気がして辛かったな。後で聞いたら逆に先生は、

「和哉があまりにコンプレックスに囚われてるから、そんなに気にし過ぎることはないって言いたかった」

と教えてくれたけど。当時それが届かなかったぐらい自分の殻に閉じこもっていて、その殻の外側に「和哉くん」の絵をかいて歩いていた。


多分これは今でもそうで、同じような人も居ると思う。

インターネッツなんぞしていると、自分で自分に名付けた自分を卵の殻に描いて、カリメロみたいにカリソメの姿で過ごしてて。

もう四半世紀ぐらいそうしているから、自分が自分として生まれた月日より長くなってる。みたいな人。


でその殻の中で自分の体臭に堪えかねて、遂に母親に切り出したことがあった。

どういう流れでそうなったのかわからないけど、手術を受けさせてほしいと思い切って頼んだ。

今までのこと、あの実父カスから散々なじられたことも含めて、これまでの鬱憤を全部ありったけ吐き出した。


結果は双方号泣しながらの大ゲンカだった。あんな壮絶な怒鳴り合いは後にも先にもあの時だけだ。バイトして自動車学校に行くためのお金がある程度貯まってたから高校2年ぐらいだったと思う。ガソリンスタンドでバイトしてたから夏なんか汗だくで、余計に気にしていたんだと思う。

でも、その願いは通じなかった。

まあ罵倒された。ただこっちもコレばっかりは譲れなくて延々怒鳴り合ったし、罵倒し返した。

友達だと思っている奴からも何気なく悪意なく言われたり、友達でも何でもない女子生徒から廊下の曲がり角でぶつかりそうになった瞬間に言われたり(走って来てぶつかりそうになったのは向こうだった)、そういう細かいことも、怒鳴り始めると全部鮮明に思い出すから我ながら執念深い。


どういうきっかけで始まったのかわからない怒鳴り合いは、どういう風に着地したのかも覚えていない決着を見た。

結局そのときに僕は手術を受けられなかった。

免許証は嫌々とった。自動車学校の担当教官と反りが合わなくてボイコットしてたら営業の担当者が来て(親類の顔見知りだった)文句言ったら教官を替えてくれた。

そのノッポでぬぼーっとした男性教官はいい加減でダウナー系の面白お兄さんだったから、それでどうにか免許を取ったようなもんだった。


今でも夏は小まめに着替えるし、真夏に遠征とかなるべくしないようにしている。

荷物が増えて仕方がない。スプレーと塗るタイプのソフトストーンは欠かせない。

そして性癖もキッチリ曲がり、逆に女性のは気にならないどころか

「事前入浴とかお前は杏仁豆腐を洗って食うのか!!」

などとのたまうようになった。死んだほうがいいのはコイツも一緒だな。


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