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#対人依存症。和哉くんは生きづらい!  作者: 佐野和哉


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焦燥という呪縛、茫漠たる地獄。

生き甲斐を失い、魂だけが浮き上がり、漫然と生きる。

睡眠と食事と労働がこなせていれば誰からも責められる筋合いもない。

が、気づきもされない。

出来る限りの最低限の底辺のことぐらいは、どんな状況でも自活出来てしまうゆえに地獄の穴蔵から抜け出すのに人並み以上の時間がかかる。

苦しみ、悩み、不安、後悔。脳がそれらでフル回転させられている。日ごろの生活はボンヤリやり過ごす。自分自身を傷つけることも、誰かの心身を代替品にすることも、用法用量を忘れ去ることも、無気力ゆえに不実行なだけ。不元気ゆえに生き延びている。

自殺するような元気もないからだ。

元気があれば何でもできる、とは、よく言ったものだ。


みんな、同じ土俵に立ってたはずの連中が今日もキラキラ頑張っている。

泥臭い努力も、地道な活動も続けている。

地元じゃイベントごとが目白押し、キッチンカーさえ来れば大抵の催しごとは形がつく。

高くて甘いもの、高い肉と野菜、高い意識と志。

小馬鹿にされる意識の高さと、崇高な志は似て非なるもので、そこには随分と開きがある。とりあえずSNSでひけらかさない美意識と学識(あわせて美学というのだろう)ってデカいと思う。

こんな本を読みました!(なんか難しそうなことを簡単に書きました的なやつ)

こんな活動をしました!(やってくれる人が居るのは有難いけど見せつけられるとしんどいやつ)

こんな理想があります!(議論の余地も余裕もなく、何か言われたら即被害者ヅラ出来る皮の厚さ)

みたいな。

まあそんなことを日々、思っているがケツの座りが一段と悪くなるだけだ。

自分は何も努力出来てなく、ぼんやりと端末をいじり、申し訳程度に何かして、一日がそれで過ぎ、楽しそうな連休が底をつく。


去年まではこうだったのに、去年の今頃は、一昨年は、夢の御旗を掲げて前向きだった自分を張り倒したいぐらい今は恥ずかしい。

どうにかしないとな、どうにかならないかな、と思う反面、どうにもならなくなってしまいたい。このままどうなってしまうんだろう、と思う自分も居る。


だからなのか難しいニュースは頭に入ってこない。そりゃそうだ自分のことで手一杯なんだから。政治と野球と会社の文句だけ言えてりゃ幸せだし、地元で楽しくやれるのが一番だよ。そりゃあ。


そこに居場所が無いのに、次の居場所も食い物にされて追われていく。

誰かの小銭稼ぎが、もっと他の大金持ちのためになる。

揉め事の種が建物を覆いつくして腐らせる蔦になり、その蔦に吸い上げられる養分としてすら自分たちの情報発信は価値が無い。

不毛で過剰な応酬だけが赤々と燃えながら参加を促す。お前も怒りを表明しろ、と。


そんな元気があったら、とっくに他のことして楽しく過ごせてるよ。

声をかけたいけど、かけたところで励ませる自分でもない。

遊びに行きたいけど、そんな余裕は何処にもない。

ただ自傷行為の代替品として中毒起こしてるような端末の向こうにかじりついて、そのことだけ考えてないと持たない。

でも今はそれでいいのかもしれない。心の大穴、精神の栄養失調は一朝一夕で治らない。

萎れてしまった心は戻らない。

折れた魂には義足も付けられない(セント・オブ・ウーマン)。


僕は義足にも、ポプラの枝にもなれない。


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