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#対人依存症。和哉くんは生きづらい!  作者: 佐野和哉


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虐待サバイバーなんて言われても、生きたくて生き延びちゃったわけがない

何度、実の父親から「死ね!」と言われたか。

何度、実の父親から死ぬ寸前まで殴る蹴るの暴行を受けたか。路上で投げ飛ばされたり、アスファルトに顔面をぐりぐりこすりつけられたりもしたし、テニスのラケットで頭ガッツンガッツン殴られて額と鼻から血が出てるのに眠たくて仕方がなくなったりもした。

あの時あのまま寝てたらよかった。


これはほんの一例(安売り店のチラシみてえだ)だけど、私は別に暴力や虐待を搔い潜って生きてきたんじゃなく、向こうにとっては運よく…こちらにとっては不幸にも生き延びてしまっただけのこと。虐待サバイバーなんて言葉を誰が言い出したか知らないけど、別に生きたくてサバイブしたんじゃない。嵐が去っても生きちゃってるだけだ。


歴戦の猛者たる前田慶次じゃなく、何があっても生きてきちゃったキリコ・キュービィに近い…の、かなあ。あそこまでやったら流石に死ぬか。惑星サンサとか。

ボトムズ大好きなもんで…。


まあそれはともかく、一度何かで死にかけても生きてる人って凄いタフなイメージあるけど自分もそうだったなって振り返ると全然そんなことねえな。

今にも死んじゃいそう、死んじゃいたいと思ってる。なのに特に理由もなく生きてるってだけで死ぬのを我慢してるだけだもん。

その生きるために堪えてる希死念慮に蓋するためのタガだって絶対そのうち緩んでくるし、実際数年に一遍ぐらいの周期で緩むんだ。で、その周期は確実に縮まっているしタガのゆるみも大きくなってる。

どうやって増し締めしてるか、なんて毎回わからない。気が付いたら死にたくなくなっている。普段よりは。多少。


子供の頃、頭の中に友達が沢山居たように(みんな居たわけじゃねえよ)、今は独りぼっちでも頭の中で頭の中に居る自分を殺すんだ。イマジナリースーサイド。

前はそれで大丈夫だった。頭の中に漠然と死ぬイメージが湧いてきた。映画を見てるようにワーっと思い浮かんだ。それで収まった。

今回は日時も場所も大まかに決めて、というか思いついて、ついでに用事も入れて土砂降りの中クルマを走らせた。誰にも、何処にも行くとも何も言わなかった。

たぶん夜になっても、数日たっても戻らなくて初めて探されただろうから見つかるころには首尾よく消えてられたはずなんだ。


それが、なんとなくそんな気が失せて帰ってきてしまったし、今でもこれを書いている。

これが〝よかった〟〝無事だった〟などとは少しも思わない。

意気地が無かったのか、ついでの用事がなくなって興ざめしたからなのか、でもそこで生きてる他の人間にガッカリするってことは結局どこまで自分もそのつもりだったのかって話で。


今だって悩んだり黙ってたりする必要なんかホントは無いわけで。

でも言えば言ったですっきりしてしまうかもしれなくて。

自家中毒のうえにマイナス感情の多重債務って感じで。

マイナスがマイナスを呼び、マイナスとマイナスを掛け合わせてるのに一つもプラスに転じなくて。そんなどん詰まりの心持のままでいる。

とりあえず今は。



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