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アリヤとニックの一瞬の会話(480字)

※これは、すべての戦いが終わったあとくらいの時系列だったと思います。








「ねぇ。あなたがずっとあの矢で支えててくれたの?」

そう尋ねると、彼はくだけた口調で、「あ、分かっちゃった?」と笑って歩き出した。


「ねぇ! 逃げないでよ」

追いすがると、「おやおや、困ったな」とうそぶいた調子で言う。


「……私の前くらい、演じなくていいのに」

そういうと、ニックは――いや、ジグルステンはふっと微笑んだ。

その瞳が思いのほか、深い愛情で満ちていてドキッとした。


「昔のアリヤに戻ったみたいで何よりだよ。デイトンと会えたのが大きかったみたいだね」

くるりと背を向けて歩き出したジグルステンの手を捕まえようとして、失敗した。


あぁ。どうしてこの人はいつも私の前から逃げるように姿を消してしまうのだろう。


「ちがうよ! あなたと会えたのが大きかったんだよ!」

そう叫ぶと「それは違うと思うけどな―」といつもの軽薄な声が返ってきた。


もうっ!

本気で捕まえようと走ったら、向こうも本気で逃げて結局捕まえられなかった。


……戦いで傷を負ってるはずなのに。手当てくらいしたかった。


それに――これから彼はどうするつもりなのだろう。


急にその存在が遠く思えて、私は下唇を噛んだ。











************

※作者コメント


アリヤはニックと話すときは、昔の口調に戻りがちですね^^

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