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異世界都市伝説大戦【改稿版】  作者: 知恵利一
第1部 死と生

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第7章 限界と救い


⸻


 雷兆を失ってから数日。

 双雷は夜ごと異形者と戦い続けていた。


 電磁バリアを纏い、飛雷針を放つ。

 怪物は炭と化す。


「はぁ……はぁ……よし……一体……」


 だが、その顔は疲労で青ざめていた。

 傷は増える一方で、神力の消耗も激しい。


 俺ひとりじゃ……いつか死ぬ。分かってんだよ、そんなことは。


 だが足を止めるわけにはいかない。

 雷兆の言葉、母の笑顔、背負った罪。

 そのすべてが彼を動かしていた。


⸻


 その夜。


 双雷の前に現れたのは、またしても“特級”だった。

 以前戦った怪物よりもさらに巨大で、四本腕を持ち、瘴気は街を覆うほど濃い。


「……マジかよ……!」


 恐怖で膝が震える。

 それでも逃げる選択肢はなかった。


「来いよ……俺は、もう退かねぇ‼」


 飛雷針を放つ。

 だが怪物は腕で弾き返し、返す爪で双雷を吹き飛ばした。


「ぐはっ‼」

 地面に叩きつけられ、血を吐く。

 視界が揺らぎ、立ち上がることすら困難だった。


「くそ……動け……動けよ……!」


 怪物の影が迫る。

 瘴気が肺を蝕み、意識が遠のいていく。


「……師匠……ごめん……俺……ここまで、か……」


 その時――。


 閃光が走った。

 怪物の動きが一瞬止まり、炎の矢がその体を貫いた。


「えっ……?」


 視界の端に、長い髪を揺らす少女の姿。

 手には神弓を構え、瞳は鋭く光を放っていた。


「立てるか、アンタ!」

 凛とした声が夜を裂いた。


 双雷は呆然としたまま、その背中を見つめる。

 ――その瞬間、心に強く刻まれた。


 ああ……俺は、ひとりじゃなかったんだ。

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