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異世界都市伝説大戦【改稿版】  作者: 知恵利一
第1部 死と生
32/33

第33章 雷炎絶破(らいえんぜっぱ)

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 嫉妬の化身の咆哮が夜空を揺らす。

 黒い巨体は膨張し、街全体を覆い尽くそうとしていた。

 胸部に脈打つ“核”が、禍々しい光を放つ。


《妬め……すべて妬みで満たせ……!》


 瘴気の奔流に押され、結界がきしむ。

 だが双雷も水京も、もう一歩も退かなかった。



「……双雷」

 水京が弓を握り、静かに言った。

「これで最後よ」


「ああ。全部ぶち込む」

 双雷は雷牙を掲げ、稲妻を走らせる。


「お前の炎と俺の雷――もう一度合わせるぞ」


 水京は頷き、矢に炎を纏わせた。

 二人の呼吸が、完全に重なる。



「――雷炎共鳴」


 再び発動したその技は、前回よりもはるかに眩い閃光を放った。

 雷と炎が絡み合い、一本の巨大な矢と化して夜空を裂く。


 だが双雷はさらに雷牙を振りかぶり、刀身をその矢へと叩き込んだ。


「――これで終わりだ‼」



 炎と雷が融合し、さらに膨れ上がる。

 それはもはや矢ではなく、巨大な雷炎の龍。


 咆哮と共に夜空を翔け、化身の胸部へ突撃する。


《なに……!?》


 瘴気の壁が次々と砕け散り、龍は一直線に核へ突き刺さった。



「――雷炎絶破‼」


 二人の声が重なった瞬間、龍が爆ぜる。

 雷と炎が核を包み込み、轟音と共に破壊の光を放った。


《ぐああああああああああッ‼》


 化身の絶叫が夜空を揺らす。

 胸部の鼓動が止まり、赤黒い核が粉々に砕け散った。



 巨体が崩れ、無数の魂が空へと解き放たれていく。

 その表情は苦悶から解放され、安らかな笑みに変わっていた。


「……やった……の……?」

 水京が弓を下ろし、震える声で呟く。


「ああ……核はもうねぇ。これで……終わりだ」

 双雷は雷牙を収め、空を見上げた。


 夜空に浮かぶ魂の群れが、星のように光りながら消えていった。

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