第33章 雷炎絶破(らいえんぜっぱ)
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嫉妬の化身の咆哮が夜空を揺らす。
黒い巨体は膨張し、街全体を覆い尽くそうとしていた。
胸部に脈打つ“核”が、禍々しい光を放つ。
《妬め……すべて妬みで満たせ……!》
瘴気の奔流に押され、結界がきしむ。
だが双雷も水京も、もう一歩も退かなかった。
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「……双雷」
水京が弓を握り、静かに言った。
「これで最後よ」
「ああ。全部ぶち込む」
双雷は雷牙を掲げ、稲妻を走らせる。
「お前の炎と俺の雷――もう一度合わせるぞ」
水京は頷き、矢に炎を纏わせた。
二人の呼吸が、完全に重なる。
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「――雷炎共鳴」
再び発動したその技は、前回よりもはるかに眩い閃光を放った。
雷と炎が絡み合い、一本の巨大な矢と化して夜空を裂く。
だが双雷はさらに雷牙を振りかぶり、刀身をその矢へと叩き込んだ。
「――これで終わりだ‼」
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炎と雷が融合し、さらに膨れ上がる。
それはもはや矢ではなく、巨大な雷炎の龍。
咆哮と共に夜空を翔け、化身の胸部へ突撃する。
《なに……!?》
瘴気の壁が次々と砕け散り、龍は一直線に核へ突き刺さった。
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「――雷炎絶破‼」
二人の声が重なった瞬間、龍が爆ぜる。
雷と炎が核を包み込み、轟音と共に破壊の光を放った。
《ぐああああああああああッ‼》
化身の絶叫が夜空を揺らす。
胸部の鼓動が止まり、赤黒い核が粉々に砕け散った。
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巨体が崩れ、無数の魂が空へと解き放たれていく。
その表情は苦悶から解放され、安らかな笑みに変わっていた。
「……やった……の……?」
水京が弓を下ろし、震える声で呟く。
「ああ……核はもうねぇ。これで……終わりだ」
双雷は雷牙を収め、空を見上げた。
夜空に浮かぶ魂の群れが、星のように光りながら消えていった。




