第30章 妬みの核
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雷牙を構えた双雷の周囲に、稲妻が弾ける。
精神の闇を振り払い、再び立ち上がった彼の姿に、水京の瞳が輝いた。
「双雷……!」
「もう大丈夫だ。……妬みなんざ、俺を縛れねぇ」
その言葉に応えるように、雷牙の刃は白銀の光を放った。
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「行くぞ、水京!」
「ええっ!」
二人は息を合わせて突撃する。
雷と炎が交差し、化身の身体を切り裂いた。
黒い肉片が飛び散り、瘴気が悲鳴のように渦を巻く。
《ぐおおおおおおッ‼》
一瞬、確かに手応えはあった。
だが次の瞬間、傷口はどろりと再生を始める。
むしろ瘴気は濃くなり、化身の巨体はさらに肥大化していった。
「くっ……やっぱり……!」
水京が顔を歪める。
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《無駄だ……! 妬みは尽きぬ……人がいる限り、我は蘇る……》
化身の声は大地そのものを震わせた。
無数の腕が地面から生え、二人を掴もうと迫る。
双雷は雷牙で切り払い、水京は炎矢で焼き払う。
だがキリがなかった。
「っ……こいつ、いくら斬っても倒れねぇ!」
「瘴気を取り込んで……無限に再生してる……!」
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その時、水京の弓に淡い光が宿った。
宮司が遠くから祈祷を送っていたのだ。
「……双雷、感じる? あそこ……!」
水京の視線の先、化身の胸部にだけ、瘴気が濃く渦巻いている場所があった。
そこから不気味な鼓動が響き、禍々しい波動が全身に流れていた。
《……見つけたか……! だが触れることは叶わぬ……!》
化身が周囲の瘴気を一気に吸い込み、胸の鼓動がさらに高まる。
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「……あれが……核……!」
双雷が低く呟く。
「妬みの魂が……そこに集まってるんだわ」
水京の顔に恐怖と決意が交じる。
「つまり……あそこを叩かなきゃ、何度でも蘇るってことか」
雷牙が唸り、稲妻が刃を這った。
双雷は化身を睨みつけ、歯を食いしばる。
「上等だ……! だったら核ごと斬り捨てる‼」
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だがその言葉を嘲笑うかのように、化身はさらに巨大化していく。
街の灯りがすべて飲み込まれ、夜そのものが黒い瘴気に塗り潰された。
決戦は、いよいよ核心へ――。




