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異世界都市伝説大戦【改稿版】  作者: 知恵利一
第1部 死と生
30/33

第30章 妬みの核

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 雷牙を構えた双雷の周囲に、稲妻が弾ける。

 精神の闇を振り払い、再び立ち上がった彼の姿に、水京の瞳が輝いた。


「双雷……!」


「もう大丈夫だ。……妬みなんざ、俺を縛れねぇ」


 その言葉に応えるように、雷牙の刃は白銀の光を放った。



「行くぞ、水京!」

「ええっ!」


 二人は息を合わせて突撃する。


 雷と炎が交差し、化身の身体を切り裂いた。

 黒い肉片が飛び散り、瘴気が悲鳴のように渦を巻く。


《ぐおおおおおおッ‼》


 一瞬、確かに手応えはあった。

 だが次の瞬間、傷口はどろりと再生を始める。

 むしろ瘴気は濃くなり、化身の巨体はさらに肥大化していった。


「くっ……やっぱり……!」

 水京が顔を歪める。



《無駄だ……! 妬みは尽きぬ……人がいる限り、我は蘇る……》


 化身の声は大地そのものを震わせた。


 無数の腕が地面から生え、二人を掴もうと迫る。

 双雷は雷牙で切り払い、水京は炎矢で焼き払う。

 だがキリがなかった。


「っ……こいつ、いくら斬っても倒れねぇ!」

「瘴気を取り込んで……無限に再生してる……!」



 その時、水京の弓に淡い光が宿った。

 宮司が遠くから祈祷を送っていたのだ。


「……双雷、感じる? あそこ……!」


 水京の視線の先、化身の胸部にだけ、瘴気が濃く渦巻いている場所があった。

 そこから不気味な鼓動が響き、禍々しい波動が全身に流れていた。


《……見つけたか……! だが触れることは叶わぬ……!》


 化身が周囲の瘴気を一気に吸い込み、胸の鼓動がさらに高まる。



「……あれが……核……!」

 双雷が低く呟く。


「妬みの魂が……そこに集まってるんだわ」

 水京の顔に恐怖と決意が交じる。


「つまり……あそこを叩かなきゃ、何度でも蘇るってことか」


 雷牙が唸り、稲妻が刃を這った。

 双雷は化身を睨みつけ、歯を食いしばる。


「上等だ……! だったら核ごと斬り捨てる‼」



 だがその言葉を嘲笑うかのように、化身はさらに巨大化していく。

 街の灯りがすべて飲み込まれ、夜そのものが黒い瘴気に塗り潰された。


 決戦は、いよいよ核心へ――。

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