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異世界都市伝説大戦【改稿版】  作者: 知恵利一
第1部 死と生
27/33

第27章 決戦の幕開け

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 翌日。

 空は赤黒く染まり、太陽の光すら届かなくなっていた。


 嫉妬区全域に、重苦しい瘴気が広がっていく。

 建物は音を立てて崩れ、舗道は黒く溶けて沼のように変わった。

 人の営みの痕跡が、負の念に飲み込まれていく。


《……妬め……妬め……すべて妬みで満たせ……》


 空全体に、化身の声が木霊する。

 耳を塞いでも意味がない。心そのものを侵食する声だった。



 神社の境内。

 双雷と水京は結界の内側から、その光景を見つめていた。


「……街が……」

 水京の声が震える。


「これ以上……放っとけねぇな」

 双雷は雷牙を握りしめた。

 刀身から稲妻が走り、まるで応えるように空に雷鳴が轟いた。



 次の瞬間、瘴気が結界を揺らす。

 石の鳥居がひび割れ、境内の灯籠が次々と砕けた。


「来る……!」

 水京が弓を構える。


 黒い影が結界を突き破り、神社へ雪崩れ込んだ。

 それは無数の眷属――かつて人だった影たち。

 顔には苦悶の表情が張り付いたまま、歪んだ叫びを上げる。


《どうして私じゃない……! どうしてお前ばかり……!》



「……テメェらの妬みなんざ、聞き飽きた‼」

 双雷は叫び、雷牙を抜き放った。


 轟音。

 刀身から放たれた閃光が、境内を一閃し、突入してきた眷属をまとめて焼き払う。


「私も行くわ! ――【火焔矢・連射】‼」

 水京の放つ炎の雨が、瘴気の獣を次々と貫き、黒い霧へと変える。



 しかし、これは始まりに過ぎなかった。


 境内の上空が割れ、巨大な影が姿を現す。

 無数の口と眼を持つ、嫉妬の化身の本体。

 その瘴気は空気を押し潰し、呼吸すら困難にした。


《……お前たちを妬みで喰らい尽くす……》



 双雷は雷牙を構え、水京は弓を引き絞る。


「――いよいよ本番だ」

「ええ、ここで決める!」


 稲妻と炎が交差し、境内を照らす。


 ――嫉妬の化身との最終決戦が、今、幕を開けた。

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