第27章 決戦の幕開け
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翌日。
空は赤黒く染まり、太陽の光すら届かなくなっていた。
嫉妬区全域に、重苦しい瘴気が広がっていく。
建物は音を立てて崩れ、舗道は黒く溶けて沼のように変わった。
人の営みの痕跡が、負の念に飲み込まれていく。
《……妬め……妬め……すべて妬みで満たせ……》
空全体に、化身の声が木霊する。
耳を塞いでも意味がない。心そのものを侵食する声だった。
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神社の境内。
双雷と水京は結界の内側から、その光景を見つめていた。
「……街が……」
水京の声が震える。
「これ以上……放っとけねぇな」
双雷は雷牙を握りしめた。
刀身から稲妻が走り、まるで応えるように空に雷鳴が轟いた。
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次の瞬間、瘴気が結界を揺らす。
石の鳥居がひび割れ、境内の灯籠が次々と砕けた。
「来る……!」
水京が弓を構える。
黒い影が結界を突き破り、神社へ雪崩れ込んだ。
それは無数の眷属――かつて人だった影たち。
顔には苦悶の表情が張り付いたまま、歪んだ叫びを上げる。
《どうして私じゃない……! どうしてお前ばかり……!》
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「……テメェらの妬みなんざ、聞き飽きた‼」
双雷は叫び、雷牙を抜き放った。
轟音。
刀身から放たれた閃光が、境内を一閃し、突入してきた眷属をまとめて焼き払う。
「私も行くわ! ――【火焔矢・連射】‼」
水京の放つ炎の雨が、瘴気の獣を次々と貫き、黒い霧へと変える。
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しかし、これは始まりに過ぎなかった。
境内の上空が割れ、巨大な影が姿を現す。
無数の口と眼を持つ、嫉妬の化身の本体。
その瘴気は空気を押し潰し、呼吸すら困難にした。
《……お前たちを妬みで喰らい尽くす……》
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双雷は雷牙を構え、水京は弓を引き絞る。
「――いよいよ本番だ」
「ええ、ここで決める!」
稲妻と炎が交差し、境内を照らす。
――嫉妬の化身との最終決戦が、今、幕を開けた。
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