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異世界都市伝説大戦【改稿版】  作者: 知恵利一
第1部 死と生
24/33

第24章 雷牙の修練



 眷属を退けた翌朝。

 境内にまだ焦げた匂いが残る中、双雷は雷牙を握っていた。


「……強いのは分かった。でも、加減が全然できねぇ」

 昨日の戦闘で、石畳を砕き、神社の柱を焦がした光景が頭をよぎる。


「その刀は“雷そのもの”。振るうたびに周囲を巻き込む」

 鋼次が腕を組み、睨みつけるように言った。

「ただの力任せじゃ、いずれ自分ごと焼き尽くすぞ」



「じゃあ……どうすりゃいいんだ?」

 双雷が眉をひそめると、横から水神宮司が口を開いた。


「雷は心に応じて荒ぶる。制御する鍵は、お前の“感情”だ」


「感情……?」

「怒りのままに振るえば暴走し、迷いのままに握れば力は濁る。

 だが――覚悟をもって握れば、雷は澄み切った刃となる」


 双雷は息を呑んだ。

 師匠・雷兆の言葉と重なった気がした。



 その日から双雷の修練が始まった。


 ⚡ 雷牙を抜き、空に斬り上げる。

 稲妻は制御を失い、森の木をなぎ倒す。


「くそっ……まだ暴れる!」


 ⚡ 深呼吸し、心を落ち着ける。

 今度は掌の中で雷光を抑え込むように刀を構える。

 すると一瞬だけ、刀身の光が穏やかに収束した。


「今の……!」

 水京が声を上げる。


「分かったか、双雷」

 宮司の声が鋭く響く。

「雷は心を映す鏡だ。お前が揺らげば、刀も揺らぐ」



 三日目の夜。


 境内に立つ双雷の姿は以前とは違っていた。

 雷牙を構え、深く息を吸う。


「俺は……もう迷わねぇ。

 妬みも絶望も、全部切り裂くために……この刀を振るう‼」


 振り抜かれた刃は稲妻となり、境内を照らした。

 だが今度は石畳も柱も無事だった。


「……やったな」

 鋼次が口の端を上げた。


 水京も微笑む。

「これなら……化身に届く」



 双雷は刀を収め、夜空を見上げた。

 稲妻が遠くで光る。


「待ってろよ……。今度こそ、斬り伏せてやる」


 雷牙は静かに唸り、次なる決戦を予感させていた。

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