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「…ち、ちんちくりんですって?」
あんまりな言葉にさすがに声を出して、シャインの腕を解いて後ろを勢いよく振り返る。
前世では器用に愛想だけはよかった為言われたことはなかった。
そして転生してからの半年間も、今現在に至るまで言われたこともなかった言葉にさすがのわたしもムッとする。
振り返った相手を見ると、一瞬驚いたような顔をするも真剣な顔になり、腕を組みながらこちらを見ている。
「何が悪いんだ?ちんちくりんはちんちくりんだろ
…俺ら妖精の力を所詮は便利な道具くらいとしか思っていない、挙句の果てに俺らを奪い合おうなどという弱い生き物の癖に…っ嫌気がさすぜ…」
そう言い捨てると、ジョシュアは嫌悪感からか顔を歪め舌打ちをする。
言い方から、わたしへのというよりかは人間へ向けたものだと分かった。
妖精の無限の力を恐れ独占し利用したい…
そんな人間の弱さが、妖精達をこんなにも傷付けこんなにも溝を深めてしまったことに、胸が少しズキリと痛む。
「ごめんなさい…」
考えるより先に口が動いた。
謝っても仕方ないことなのに…妖精達から見る人間という者達の不信感はきっと消えないことを分かっているのに、ブレーキの掛からない思いに胸が締め付けられる。
「本当に…申し訳ござません…」
「…何故お前が謝る」
そんなわたしをジョシュアは、困ったような…はたまた泣き出しそうな子供のような…何とも言えないような顔をする。
(シャインもきっと…こういう思いをしてきた…)
利用し利用されないお互いの為に、身を隠すように存在自体を抹消したと言っていた。
けれども、本当は寂しかったに違いない…
存在しているのに存在しない者というのは、まるで元より生まれていなかったような感覚になる。
だからわたしと初めて会った時も、声を掛けて…返ってくるかも分からない言葉を期待してしまった。
(それはきっと、見えないことの方がよっぽど悲しいから…言葉が返ってきて、嬉しかったのよね…)
心の中でシャインに向けて呟くと、後ろからギュッと抱き締められる。
手当り次第ではない、それでも声を掛け続けた。
誰か一人でも、自分達の存在を見つけてくれたらと思いながら。
「…ジョシュアはわたしが…人間が嫌いかもしれないけども、あなたにどう思われようがわたしはあなた達妖精をとても愛おしく思うわ…
白黒はっきりしていて人間以上に真っ直ぐで純粋…
でもね、人間と同じように嬉しいや悲しいという感情はあなたにもあるから…
だから…お願いだから、そんなに苦しそうな顔をしないで…」
「………っ」
嘘は言っていない
だがそう伝えることで、慰めにも傷付けにもなることを知っている。
目の前で大人しくわたしの言うことを聞いているジョシュアは何を感じているのだろうか、驚いたような瞳からは何も窺えなかった。




