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再びのブリストン

よろしくお願いします

「アニキ!今日はよろしくお願いします!」


「あぁバンガス、今日は頼んだぞ」


「へい!」


ブリストンに向かうためにわざわざ馬車を出してもらう。ちなみに護衛と御者は評価など領軍の者が行うことになった。ちなみにバンガスとははじめに俺に絡んできたあの獣人だ


「まぁそんな気張らずに頼むぞ、部隊長」


そう、バンガスは部隊長なのだ。元々チンピラたちのトップみたいな地位にいたやつなので人を使うのがうまい、それに実力もそれなりにあったので俺が部隊長として抜擢した


「へい、わかってます。今日は姉さんもいらっしゃるんですか?」


「あぁシルか?今日はみんなで行くからシルもいるな」


「そ、そうですか。これは本気でやらないと...」



シルの名前を聞いた瞬間、バンガスの顔に覚悟が浮かんだ。うん、これは絶対シルの調教のせいだよね。ちょうど調教スキルがあるから、領軍の訓練の教官をシルに頼んだんだが一体何があったのか。とりあえず訓練所から人が飛んでいるという話だけは聞いた。

まぁそれは俺もやってるし、街のみんなはいつものことかとスルーしてるらしいが


「まぁ頑張ってくれよ」



俺はそう言って、みんなが待ってる馬車へと向かう。


正直護衛も御者もいらないのだが、公的な公爵家への訪問のため、こうやって格式ばった行動取らなければいけない。


ちなみに馬車は二つの馬車を一つにまとめたような特殊な形状の馬車、うちが大所帯になったのが理由である。

俺の隣にはミラ、向かいにカトレア。そして後ろの座席にはシルとカグヤ、そしてアンとレアが座っている。くじ引きで決められたらしい


そして俺が馬車に乗り込むのを確認すると馬車が動き始める。とりあえずブリストンへと向かう



そして馬車の中でのひとときーー



「あ、アレウス共同開発の話なんだけど」


「あぁその件か、結局どうするんだ?」


「その話については賛成なんだけど、私が責任者ってのはやっぱ嫌ね」


「そうか、じゃあ誰か別の人を探さないとな」


「それなら適任の人がいるわ、私に任せときなさい?」


「そうか?まぁそれなら頼むけど」


カトレア以外に適任の人ね、というかカトレアにもそういった知り合いがいるのか。まぁみんなの交友を熟知してるわけじゃないからそういった知り合いがいるのだろう



「主殿よ、それでブリストンという街では何をするのだ?」


シルが背もたれ越しに俺の頭を抱いて聞いてくる。うん、すごい抱擁力だ、包まれる。


「ん、そうだな、とりあえずはグランの所かな。あとは孤児院にも顔を出したい、俺個人的にはドーラのところにも行こうと思っている」


「我とカグヤの装備を作ってもらうと言っておったな」


「まぁそうだな、それに俺のぶんもあるし。多分俺とかカトレアは工房にこもることが多いからグランのところでお世話になろうと思ってるよ」


「確か、主殿とカトレアの初めてはそこだと聞いたな」


え、なに?カトレアそんなことを話したの?


俺がカトレアの方に視線を向けると「いや〜、あはは〜」と誤魔化す気のない誤魔化しをしている


「まぁそうだな、とりあえずどんな装備にしたいとかあるなら考えといてくれよ」


「うむ、我は防具だけでいいからの。デザインは主殿が考えてくれないか?」


「俺でいいのか?」


「うむ!我にとってはそれが一番だ」


そうか、俺が決めていいのか。だったらシルに取っておきのコスプレ...じゃなくて!装備のデザインがある


「ふふふ、早くエレナちゃんたちにも会いたいですね」


「そうだな、俺としてはアンとレアと仲良くなって欲しいんだけど」


「あー、それは微妙かもしれないわね」


「ん、カトレアなんかあるのか?」


「まぁ多分ね、エレナちゃんアレウスのこと大好きだし」


一体どういうことですか、カトレアさん


「アンも大好きだよ!」


「お兄ちゃん大好きです!」


そして俺たちの会話を聞いていたのか、カグヤと遊んでいたアンもレアが飛び込んでくる


「こら!2人とも行儀悪いでしょ!」


アンとレアが座席を超えてこちらに来ようとしてるのをカグヤが注意して引き戻す


「確かにご主人様の取り合いとかになりそうですね」


「いや、流石にそれはないだろ」


そんな少し俺たちの思い出話に花を咲かせながら気づけばブリストンについた


馬だとホントは1日以上かかるのだが馬ならばだ


俺たちの馬車を引いてるのは馬ではなくて狼、シルの眷属となったシャドーウルフたちであった。モンスターであるため馬よりも筋力もスピードも違う。だから半日でブリストンについたんだ




「おいおい、本当にいきなりだな」


「あぁ急だったからな無理そうか?」


俺たちはブリストンについてすぐグランとアンナがいる工房に向かった。バンガスたちにはそれなりの資金を渡してあるので今夜は飲み明かしてるだろう。酔った勢いで問題を起こさないか心配だが



「いや、別に構わんが、一気に増えたな」


「あぁ、まぁな、今回は増えた奴らのぶんも作ってもらおうと思ってたな、あと俺の分も」


「ん、あのローブじゃ満足いかなかったか?」


「いや、あれでよかったんだけどな、色々とあって人に渡したんだ」


「......女か?」


「まぁ、女だ」


「そうか、こんなに綺麗どころ集めといてそこまでする女とはね」


いや、まぁそうは言われちゃうと弱るんだけど。別にステフはそういうのじゃないんだけどな


「まぁいいわい、ここでたってるのもなんだし、中に入っとけ。ワシはアンナを呼んでてくる」


「あぁ悪いな」


そういってグランは奥に行ってしまう


「それでアレウス、大丈夫なの?」


「あぁ驚いてたけど、別にいいってさ」


「まったく事前に言っておくとかなかったのかしら?」


「いや、まぁヘンリエッタ婦人の手紙が急でな」


まぁそうは言っても「ワープ」ですぐに済む話なんだけど。ヘンリエッタ婦人の手紙に込められたただならぬ感情にびびってたわけじゃないぞ?


(なに言い訳言ってるんですか...)


別に言い訳じゃないやい。



「ミラ!カトレア!よく来てくれたわね!それに初めて見る子たちもいっぱいいるわね!」


「アンナ!」「アンナさん!」


グランが呼んで来たのかアンナが奥からやってくる。ミラとカトレアはアンナにお世話になってからかなりなついているので2人もアンナに会えて嬉しそうだ


「それでアレウス、久しぶりね。別に増えてもいいけど誰も悲しませてないでしょうね?」


「あぁアンナ久しぶりだな、みんなのことは幸せにできるように頑張ってはいるぞ」


「そう、ならいいわ。ほら早くいらっしゃい!!」


アンナはいつも通り俺に厳しい。まぁもちろん優しさから来てる厳しさだし、俺も懐かしいのでどこか楽しげに答えてしまう



そしてそれぞれ自己紹介を終えて、本体に入る


「で、どんな依頼だ?」


「あぁとりあえず、俺とカグヤとシルのぶんの防具を頼むよ」


「わかった、じゃあいつも通りアンナに頼む」


そして俺はカトレアを介してアンナに俺とシルの分をデザインしてもらう。カグヤは自分で説明していた



「......カグヤのは確かにズーラシア王国の民族衣装のキモノね」


アンナがカグヤの説明を受けてそんなことを言っている


「ズーラシア王国......そういえばグラン、ギンゾウっていう獣人が来なかったか?」


「ん...確かそんな名前の獣人が来たな。お前さんからの紹介だったからわざわざ制作したのを覚えている」


どうやらギンゾウは無事にたどり着けたみたいだ、なんとか修行の旅とか言ってたけど今頃どうしてるんだろうか


「そうか、ならいいんだ。それでキモノはズーラシア大陸の民族衣装なのか?」


「そうね、アインス大陸に来てからは見るのは久しぶりね。カグヤは獣人だし、ズーラシア王国で暮らしてたの?」


「いえ、私は小さい時からこの大陸でした」


「でも、遊郭にいた時も着物だったよな?」


うん、今は動きやすいようにラフな格好してるが、遊郭にいた時はいつも着物を来ていた。今でも時々着物は来ている


「はい、レイラさんが私には着物が似合うといって買ってくれてました」


ふむ、どうやらレイラは知っていたみたいだな。昔は冒険者らしかったし、多分ツヴァイ大陸、ズーラシア王国に行ったことがあるのだろう


「そうか、俺もカグヤは着物が似合うと思うからいいと思うぞ」


「はい、ありがとうございます」


カグヤは嬉しそうに笑う、うん、やっぱ着物が一番似合うと思う。


「じゃあこれで三人分はOKね、おチビさんたちのはどうするの?」


「欲しい欲しい!」

「欲しいです!」


「え、お前らもつくるのか?」


別に2人には戦ってもらうつもりもないから、いらないんじゃないんだろうか


「私も可愛い洋服が欲しい!」


「可愛いのが着たいです!」


あ、そういうことね。まぁ確かに防護性能が高い服を着てくれた方が俺としても安心だし、ちょうどいいな


「そうだな、じゃあこれでカトレア、俺の知識からちょちょっと調べて2人に似合うやつを頼む」


「おっけー、任せときなさい!」


まぁアンとレアのを作るつもりはなかったけど、この際だしちょうどいいかな


「グラン、それでこれは俺個人なんだが」


「どうした坊主」


「あぁちょっと月光を強化したいんだができるか?」


「月光をか...?それはちと難しいな、これ以上は強化するとなると金属から変えなきゃならん」


月光をそのまま使うのは無理なのか、それはちょっと寂しい気がする。まぁ鍛錬の時にでも使ってあげればいいか


「じゃあ新しいのを作ってもらえないか?」


「ふむ...そうなると素材がな、なんか特殊な金属もっとらんのか?」


「あー、今金属は切らしててない」


タケトと戦った時にガトリングレールガンの弾丸として使うためにすべて使い切ってしまった。あの時はなりふり構わず使ってたけど希少な金属が混ざってたと思うともったいないことをしたな


「じゃあちょっと俺は取りに行ってくることにするかな」




久しぶりにあそこに行く必要がありそうだなーー

お読みいただきありがとうございます



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