不幸の手紙?
よろしくお願いします
シルとの模擬戦をした日から3ヶ月近く経ち、俺は役場の執務室でタイムカードを目にしながら、完成された日のことを思い出していたーー
◇
それはある日の朝突然だった
「ご主人様、おはようございます」
「あぁミラ、おはよう。どうしたんだ?」
「はい、できたみたいです」
「なに?」
「できたみたいです」
「できた...?ってまさか......!」
ミラが少しお腹のうちに手を当てながらはっきりと「できた」と言っている
これはまさか、うん、確かに避妊はしてないから、出来てもおかしくない
「ミラ、医者に見てもらったか?」
「え?」
「名前はもう決めたか?あぁ!いや、まだ男の子か女の子かもわかってないか......。みんなには話したか?辛いところはないーー」
「落ち着いてください、ご主人様。カトレアからの伝言です、タイムカードができたみたいです」
「......タイム、カード?」
タイムカード?あぁタイムカードね。確かにカトレアに依頼してから一ヶ月くらいたつ、俺としてもそろそろ出来るんじゃないかと思っていたいんだが
「はい、タイムカードでございます」
「...そうか」
は、恥ずかしいぃぃぃぃぃぃ!!
え、なにこれ、恥ずかしい!いや、でもさあれを妊娠したと考えてもしょうがないでしょ
(くくく、あーはっはっは!なんですか、今のは、プププ...恥ずっかしい〜。聞きましたみなさん?「医者には行ったか?名前は決めたか?」......くくく、笑いが、笑いが止まりません......!)
ぬうぉぉぉぉぉぉぉ!!やめろ!やめてくれ!!
(いえ、今回は負けませんよ〜「あぁ!男の子か女の子もわからないか...」、そして止めの「タイム、カード」クスクスクス、もう無理、限界!笑い死ぬ!!)
許して!もう許してくれ!!
俺の恥ずかしい勘違いを見逃さないエリーナは思念内で俺にここぞとばかりに口撃を仕掛けてくる。もちろん会心の一撃だ。俺は身悶えながらそのまま顔を枕に押し当てて声にならない叫びをあげる
「あのご主人様...?」
「あ、あぁすまない、ミラ、ちょっと勘違いしてたみたいだ」
「いえ、大丈夫です。そうですね.....男の子ならエリック、女の子ならシャルルがいいと思ってます」
「へ?」
「私もいつかご主人様にそんな報告できればいいんですがーーきゃっ!」
「「サイレント」!」
その後の説明は言わなくてもわかるよな?
◇
「...どうしてミラに呼んできてもらってミラが艶々になって帰ってくるのかしらね?」
「いや、すまん、ちょっと色々あってな」
「はぁ...いつものことだからいいわよ。私も後で可愛がってね?まぁ今はこっちね」
もちろん可愛がりますとも、と心の中で答えて、今回は真面目な話のため俺もしっかり頭を切り替えてカトレアの指す方をむく
「これが完成品か?」
「そうね、これがあともう100枚以上は置いといてあるわ。とりあえずこの1枚で説明するわね」
そういって完済した1枚を俺に手渡してくる。
見たところ「TOIC〇」とか「Suic〇」みたいなサイズのカードに見える
「はい、じゃあこれでこの機会にそれを当ててみて」
「あぁわかった」
そういってカトレアが指さした機会にカードを当てる。そして「ピッ」と電子音がなる。本当に「TOIC〇」みたい何だけど
「おっけー、これで魔力のパターンの記録はできたわね。じゃあちょっと打ち込むからカードかして」
素直にカトレアに従い、カトレアちゃかちゃかやってから俺にカードを返してくれる
「はい、どう?これで登録完了なんだけど?」
そういって再び手渡されたカードには俺の名前とちょっとした個人情報が書かれており、一番上には「アピエダ役場職員」と書かれていた。
「うん、すごいな。これはいい感じだ」
言ったところ社員証みたいな出来上がりになっていた。
「私もそれなりにいいものができたと思っているわ。アレウスの知識にある「ICカード」ってのを最終的に参考にさせてもらったわ」
どうやら本当に「ICカード」を参考にしたみたいだな
「まぁあとはこの登録した機械に来た時と帰る時にカードを当ててくれれば、しっかり記録されるようになっているわ。それで記録を確認するのはこっちの機械ね」
そういってカトレアは色々と今回のことに必要な機械について説明してくれる。俺の依頼どうり初めて使う人でも使いやすいようなものにしてくれたのでやはりカトレアはすごいなと改めて認識した
「まぁ問題があるとしたら、誰でもずるできることよね〜」
「あぁ、まぁそういう人がいないと俺は信じるよ」
少し簡単なつくりにしたので仕事をさぼることなど簡単にできるのは明らか何だけど、まぁもうそれは個人の問題だし、そんな不真面目なやつをいないことを祈るしかないな
「ま、ざっと説明はこんなものね。どうかしら?」
「あぁ予想以上だ。助かるよ、早速明日にでもアーニャに話すとするよ」
確かそろそら新職員の選定を終わってる頃合いだからちょうどいいかもしれない。
うん、色々と順調に進んでるし、いいことだ
「満足してみてくれたみたいでよかったわ。えっと......あの、時間あるなら可愛がって欲しいんだけど?」
その後の言葉も何もいらないよね?
◇
ーー時は再び戻り
(くくく、そのカードを見るといつもあのことを思い出しますね)
「おい、もういいだろ、流石にもうそのイジリはやめてくれよ」
エリーナはあの日以来俺をことあることに俺の勘違いをネタにしていじってくる。最近はちょっと適当に魔神見つけて倒して、あの白い部屋に呼ばれて本気のおしおきをしてやろうか検討してるくらいである。
(あれは本当に傑作でしたよ。あの時のアレウスさんの焦りようといったら)
「はぁ...勘弁してくれ、そりゃ焦るだろ普通」
自分の愛する者が妊娠したと聞いたら、大抵の男は焦る気がする。そういうことに焦るのはいつも男だってのもどっかで聞いてことがある気がする
その後も俺とエリーナのいつものくだらない会話が続くが俺の頭の中ではこの3ヶ月のことが浮かんでいた
完成してからアーニャに説明をして、そっからトントン拍子で話が進んでいった。
やはり200人ともなるとそれなりの時間がかかったが、タイムカードもとい職員証を手にした職員たちの顔は何故かみんな感動していた。
アーニャの報告では役場の仕事の進み具合がかなりアップしたとかなんとか
その後は新たな税率の導入など、この領地には大きな変化があったが、税率を下げたのに何故か税収が上がるという珍事にも巻き込まれたがそれはアーニャの予想通りだったらしく、まぁ俺が触れるところでもないだろう
俺にしては珍しく、ー本来ならこんなこと普通はいう必要は無いんだがートラブルがなく少し忙しい3ヶ月が光のように過ぎていった。
そしてそんなある日、俺にトラブルがないなんてことは許さないどっかの運命神のいたずらによりトラブルがやってくる
「アレウス様、お手紙でございます」
「あぁアーニャありがとう。一体誰からだ?」
そして渡された手紙の封をきり、内容を確認する
「 いつになったら来てくれるのかしら?
手紙も全くよこしてきませんね?
ヘンリエッタ・マグネス」
「...やばい」
やばい、完全に忘れていた。
「アーニャ、すまんが一ヶ月、いや、二ヶ月くらいここをあけることになるがいいだろうか?少し公爵領に用事ができた、その途中でブリストンにも寄ろうと思う」
もうこの際だから公爵領に行く前にブリストンによって、孤児院やグランの所で色々しようと決めた。二ヶ月という長い期間をとったのはグランの所で新しい俺の防具や武器、あとはシルのカグヤのぶんも作ってもらうためだ。
「承知しました。今は大事な用事もないのですべてこちらに任せてください」
そして俺の新たな忙しい毎日が幕をあけたーー
お読みいただきありがとうございます
初めてレビューを書いてもらって本当に嬉しかったです!こういったことがあるととてもモチベーションにつながることが今回改めてよくわかったので、よかったらモチベーションのために評価などもよろしくお願いします!




