↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/42

第26話


 新しい門弟も増えた翌日――


 ぴーんぽーん。


「はあーい!」


 ぱたぱたぱた。がらり。


「はい。トミヤスでございますー」


 クレールさんの少し裏声感のある、お客様向けの声です。


「や、朝からお邪魔致します。私こういう者で」


 名刺。

 さ!


「クレール=トミヤスと申します。今後ともご贔屓に」


 ビジネスウーマンモード発動!

 名刺交換して、ぴく! とクレールさんの眉が動きました。


「あら! 大中心国のお方でございましたか!」


「は! いや、先日こちらのテルクニ様がダンジョンを開くと。訓練コースなどもあると聞きまして……」


 じー……


「まず契約書を確認させて頂いても宜しいでしょうか」


「はい。こちらを」


 ぱらり……ぱらり……にっこり。


「大変申し訳もございませんけれども、今回は無かった事に」


 門前払い!


「なにか、お気に触る所でも」


「はい! たくさん!」


 クレールさん! 目が笑ってません!

 あとド直球ストレートでの返答は……大中心国では意外と普通です。


「契約の見直しをして頂きましたら、また。それでは」


 がらがらがら……



----------



「くっそ! 何だよこれ!」


 テルクニ君激おこモード!

 超煽りコメの嵐が来ました。コメでケンカとかしないで!


 →日輪国が大中心武術に勝てると思ってんのか

  →マそれ

  →じゃ行きなさいよ

   →行く価値もねえ

    →でも金は欲しいとかw

 →大中心国は日輪国の母だ

  →イミフ

  →義務教育で歴史の勉強しないのか? 教育制度何とかしろ

   →これが本物の歴史だ

    →歴史勉強しろって

 →あれ絶対魔術チート

  →大中心がチート批判とかw

  →笑えるw

 →俺なら勝てる。余裕

  →生配信楽しみに待ってます!

  →編集するなよ! 生配信だぞ!

 →お前の母親を◯◯◯◯してやる。妹も◯◯◯◯してやる

  →マジキチだぞ

  →おいこいつ大丈夫か

  →心配になってきたぞ。悪い事は言わない。病院行け

 →お前の父親は俺だ

  →すげえ! 勇者マサヒデ=トミヤスって大中心国で生きてたのか!

  →写真うpして!

 →チートの証拠上げてやる

  →是非上げてくれ

 →日輪武術はゴミだ。大中心武術のパクリだ。慰謝料を要求する

  →すげえ! 大中心国が堂々とパクり批判するのか!

  →自分パクっても黙ってるのにな

 →父親キチってんじゃねえのか。魔族と結婚とかありえん

  →この国、まだ差別意識あるんだな……

  →可哀想に。リアル獣人萌え出来ないんだ

  →でも金持ち魔族は居るんだよな。不思議だ

   →お金持ちは誰でもウェルカム!


「やめてくれー!」


 たたた! すぱーん!


「どうなさいました!?」


 しくしく。


「カオルしゃん……皆がZ(SNS)でケンカするの……こんな炎上やだ……俺何もしてないのに、フォロワーが炎上させてくの……」


「見せて下さい」


「うん」


「……ははあ……少々お待ちを」


 ぴぴぴ。ぷるるるる……ぷるるるる……


「カオル=サダマキ。2236L831FP」


『エージェント・カオル=サダマキ、確認しました。どのような御用ですか』


 もろAI音声です。


「Zのアカウントの身元情報が欲しいです。アカウント名u36t60pgj。繰り返します。u36t60pgj。現在、テルクニ=トミヤスのアカウントに煽りコメントを流していますが、大中心国のエージェントではありませんか。確認願います」


 ぽく……ぽく……ぽく……ちーん。


『アカウント名u36t60pgj確認しました。大中心国エージェント、ジュンラン=イン。36歳、男性。サイバーエージェント、危険度Dです。住所などの情報は必要ですか?』


「必要ありません」


『他のアカウント情報があります。そちらに送信しますか?』


「お願いします」


 ぴ。


「テルクニ様、これは大中心国のエージェントです」


「は!? マジで!?」


「煽りコメを入れている者は恐らく……」


 ぴろーん。


「来ました。少々……ふむ……」


 つー、つー。スワイプスワイプ。


「あ、やはりこれは全員同一人物ですね。個人メッセージで、うーりあおじえにーみすたーじゅんらん、と打ち込んで下さい。全文ひらがなで、句読点も無しで良いです」


「うーり、あおじえに?」


「にー、です。伸ばして下さい。それで止まります」


 かたかた……送信。


「……」


 5分後。


「あれ。コメ削除しやがった」


「アカウントを100以上持っていますね。恐らく、大中心国がどうしてもスポンサーに割り込みたいのでしょう。受けざるを得ない状況にしたいのです」


 →逃げたぞ

 →無理だって

 →コメ消しやがった

 →アカウント消えてるー!

 →ださw

 →追伸:新しい垢作って戻ります

 →www

 →煽るだけ煽って即消滅かよ

 →スクショ撮っちゃった!

 →ナイスでーす


「うーん、大中心資本は怖いなあ。いつの間にか規約変わってたりするし、何の前触れもなく切られるし。小さく書いてあったりするんだよねー。規約はこっちが勝手に変えますよー、とかさー」


「スポンサーになって大金をどかんと入れ、独占状態にしたいのでしょう」


「絶対やだ。普通に来てくれれば、相手するのにね」


「テルクニ様に、誰々に勝ちを譲れと金を積んできましょう」


「でも訓練はしてね。誰々さんに訓練頼まないの? 頼みませーん」


 かたかたかた……これこれ。

 カオルさんが覗き込みます。

 『盗聴器あるかな?』


 ぴ。謎のアプリ起動!


「大丈夫です」


 かたかたかた……

 『レーザー盗聴器?』


 カメラ起動。赤外線フィルターOFF(普通はこんな機能ついていません)。

 撮影。

 赤外線フィルターを取って窓などの写真を撮ると、ガラスに赤外線が当たってるかどうかが分かります。これマメです。


「ううん……」


 でもカオルさんはちょっと不安。

 青、緑系のレーザーもありますし、高性能な物だと、窓ではなく壁に当てても盗聴出来てしまいます。良い物だとkm離れてても聞こえます。さて、この場合どうしましょうか。


「少々お待ち下さい」


 予備のスマホをバイブにして。壁に貼り付けて。


 ぷるるる……ぷるるる……


 びーん、びーん、とスマホが壁で音を立てています。これでOK!

 盗聴器が拾うのは、びーん! という音だけです。

 手持ち型のマッサージ機などが振動音が大きいのでベストですね。


「これで安心です」


「ふうー。大丈夫か」


「やれやれ。放っておくとしばらく面倒になりそうですが、何人か見せしめに始末しましょうか? 近くに居るなら私めが。海外に居ると、数日掛かる場合がありますが」


「んー、どうしようかなー。アダムさんに手伝ってもらえば、近くに居るなら即終わっちゃうけど」


 見せしめに始末!

 そこ悩むんですか!? そこ悩むんですね!


「ね。道場にも来るかな?」


「来ると思います」


 にやり。

 テルクニ君の黒い笑顔です!


「カオルさん、ももちゃんになって、道場に突撃取材してよ。撮影中にそいつらが来たら面白そうじゃない? うちは普通に大中心の門弟もいるしさあ」


 カオルさんも黒くにっこりです!


「テルクニ様も中々に……まず、彼奴らの予定を探りましょう。今日中に来そうでしたら、少々急ぎます」


 ぴぴぴ。ぷるるるる……ぷるるるる……


「カオル=サダマキ。D96SG52177」


『エージェント・カオル=サダマキ、確認しました。どのような御用ですか』


「トミヤス町付近の大中心国エージェントで、1週間以内にトミヤス町付近に来た者の情報を求めます。アルバイトを含めて下さい」


 ぽく……ぽく……ぽく……ちーん。


『該当情報が3件あります。情報を送信しますか?』


 にやり。


「お願いします」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。