2 スカートの中には何がある?
「マジカル・マホ、ウィン♪」
「ただいまぁ」
勝利宣言の後、一瞬視界がブラックアウトしてからウーマの隣に出てくるのも、かなり慣れてきたね。
勝利宣言そのものも楽しくなってきたし、新しい技を考えたり名前付けたりするのも楽しい。
魔法少女になって二月経った。
インキーはしょっちゅう現れる。
ウーマが言ってたとおり、4回に1回はボクを狙ってくる感じで、そのせいかインキーはこの街に出ることが多い。
てか、ほとんどそう。
中学生としては、隣町でも行くの大変だし、近場ですむのはありがたい。
一応、変身と同時にインキーのいるところにテレポートみたいなこともできるんだけど、それやると魔力結構使うから、戦う前に疲れちゃうんだよね。
帰ってくるのは一瞬だし、魔力も使わないんだけど。
これは、ウーマの脇にボクの本体が出てくるようになってるからなんだって。
インキーが週イチくらいで出てくるせいで、目撃者も増えてきた。
見たことはないけど、ネットとかに動画も上がったりしてるらしい。
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「なあなあ満穂、お前、マホちゃんみたことあるか?」
友達の友紀がスマホ片手に声を掛けてきた。
「マホちゃんって?」
「マジカル・マホちゃんに決まってるじゃんか!
昨日、駅前に来たんだよ、見なかったのか!?」
「駅前に来たって、そんな、デパートの屋上ショーじゃないんだから、見に行けるわけないじゃん。
友紀は見たんだ? じゃあ、そこでボクに会ってないんだから、ボクが見てるわけないじゃない。
で? サインでももらってきたの?」
「ねだるヒマもなかった。
でもほら、動画撮ってきたぞ。
見ろよ」
ああ、スマホ出してたのは、そのためなんだ。
画面を見ると、小っちゃくマジカル・マホが戦ってるのが映ってる。
マホの姿って、自分じゃ見えないから、こういうのって新鮮。
髪の毛、長いのは知ってたけど、なびき方かっこいいかも。
服の方も、ドレスっていうより色々飾りの付いたミニスカワンピースって感じ。
『マジカル・キック!
マジカル・スパイク!』
マホがインキーを蹴り上げて、素早く上昇して叩き落としてる。
うわあ、自分が戦ってるとこ初めて見たけど、すっごい速さ。
蹴られたインキーもかなりの速さで飛んでったのに、もっと早く先回りしてバレーみたいにスパイクしてる。
叩かれたインキーは、地面に落ちる前にキラキラになって消えた。
『マジカル・マホ、ウィン♪』
勝利宣言と共に、マホの体は金色の光になって弾けるみたいに消えた。
「わぁ、初めて見たけど、すっごい速いんだねぇ」
こうやって消えてるんだぁ。
自分では見えないから、知らなかったよ。
「そっか、満穂は初めて見たのか。
俺2回目だけど、動画撮れたのは初めてだ。
すっげえ可愛いよな。
トリックだとか言う評論家もいるけど、目がおかしいよな。
どうやったらこんな跳べんだよって」
魔力ってすごいなぁ。
ボクの体感だと、こんな短時間じゃないもん。
加速装置みたいに、頭の回転も早くなるだね。きっと。
「不思議だねぇ」
「不思議って言えばよ、見ろよ、これ」
動画を一時停止して、インキーを蹴り上げたとこのマホを拡大して見せてくる。
「これがなに?」
「なにって、お前、変だと思わねえか!?」
え、なに、どこが変なの?
「こんだけ高く足上げてんのに、スカートの中見えねえんだよ!」
「え?」
スカートの中?
「そう! 元々太股の半分くらい出てるミニスカなのに、スカートの中が全く! 全然! 見えねえんだよ!
あんだけ太股出てんだから、スパッツなんてこたないよな。
じゃあ生パンか!? 見せパンか!? 昔、パンツ脱いで変身するヒロインのマンガあったよな、あれか!?」
「え~…?」
変ってそんなこと!?
「ボクがわかるわけないじゃん…」
「そりゃそうだけどよ、これは男のロマンに対する挑戦だろが!」
「そんなこと力説されてもさぁ…」
そういや、ボクもスカートの中どうなってるか知らないや。
さすがに、スカートの中がどうなってるかとか、ウーマに聞いたりはしなかった。
服が装着されてる最中にマホの中に入るから、見てないんだよね。
まぁ、そんなことはどうでもいいんだけど。
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『マホ、インキーや、またこの前のとこや!』
『近くにいるから、このまま行くよ』
魔力探知で、周りに人がいないのを確認して、ウーマとの魔力の繋がりを意識する。
共鳴…マホ、降臨!
目の前にマホのアバターができて、服が装着され始める。
マホに意識が移ったところで、テレポート。インキーのところへ。
服が装着され始めてすぐ意識が移るから、スカートの中がどうなってるのか、やっぱりわかんなかった。
空中に出現して、インキーの前に着地。
「そこまでよ!
魔法少女マジカル・マホ、降臨!
人の心を食い散らかすインキー、覚悟しなさい!」
今日のインキーはちょっと大きいね。
ちょっと様子見しよっか。
「マジカルパンチ!」
ダッシュしてパンチ。
プヨンって感じではね返された。
『こいつ、今までの奴より強い』
『マホ、そいつ、もう何人も食ってきた奴や。
もっと魔力を乗せた攻撃せんと通じんで』
もっと魔力、かぁ。
よし! この前考えたアレ、いこう。
手の先から魔力のリボンを伸ばして、インキーの体にグルグルと巻きつかせる。
「マジカル・スライサー!」
巻きついたリボンに魔力をいっぱい送ってキュッと縮め、エッグスライサーみたいにインキーの体を切り裂く。
インキーは、すっぱり切れてキラキラになって消えた。
「マジカル・マホ、ウィン♪」
ノリノリでポーズを取って消える。
「どう、ウーマ、ボクが考えた必殺技♡」
「おう、なかなかええんちゃうか。
ちびちび節約して使うより、ガッと魔力籠めて一撃必殺! って方がわいの好みや」
「うんうん、またかっこいいの考えとくね~」
あ、スカートの中どうなってんのか、結局わかんなかった。




