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魔法少女はじめました  作者: 鷹羽飛鳥


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3/3

3 受験当日にまで出てくんな!

「マジカル・ドリルパンチ!」


 魔力のリボンを拳の前にドリルみたいに纏わせてパンチする必殺技で、今日も大勝利♡

 時々、ボク狙いのちょっと強いインキーが出てくるけど、今のところヤバいほど強いのは出てきてない。

 ボク狙いの奴はこの街に出るから、遠くにテレポートする必要もないし。

 むしろ普通に暴れてるインキーの方が、あちこち遠くに出てくるからめんどい。

 高校受験が近付いてきたし、受験当日に出ないといいなって、ウーマと話してる。


「当日に出たって、受験が終わってから駆けつけりゃ間に合うやろ」


「その間中ぞわぞわが続くと、試験に集中できない気がすんだよねぇ。

 あの感覚って、試験の間だけでも切れないかなぁ」


「そんな便利にゃできとらんわ。

 つっても、マホの方で気にせんといたら平気なはずやで」


「気にするなったってさぁ」


「マホもここんとこ随分力つけてきとるし、降臨せんでもある程度魔力使えるようになっとるはずや」


「変身しなくても魔法使えるの?

 ん~、よくわかんないなぁ。

 リボン、出ないよ?」


「共鳴なしであんな大技使お思たら、全力で魔力振り絞らんと。

 わいと共鳴しとらん時のマホの出力は、共鳴しとる時の20分の1やで」


「20分の1!?」


「わい、こっちじゃ本来の力の10分の1しか出せへん言うたやろ。

 共鳴したマホの力が、本来のわいの力と同等やいうのんも言うたはずやで。

 普段のマホなら、今のわいの半分がええとこや」


「えっと……あ、そういえば。

 え、じゃあ、インキーの方も?」


「インキーも10分の1になっとるさかい、マジカル・マホで勝てるんや。

 今んとこ、マホが本気出さにゃならんようなのは出とらんな。

 よっぽど成長した奴やないと、マホが苦戦するようなことはないやろ」


「そっかぁ。

 …って、そうじゃなくて、受験の話だよ」


「ちなみに、魔力のせいで、マホのスペックは随分上がっとるし、頭のデキもようなっとるはずやで」


「魔力と頭って、関係あるの!?」


「最初に言わんかったか?

 魔力を扱えるようになると、色んな能力が上がるって。

 それでなくても、マホはわいと何度も魔力共鳴させとるさかい、わいの魔力に引っ張り上げられとる。

 10分の1いうても、わいの力はこの世界の人間よりごっつ上やからな。

 その上、降臨して戦うことで、マホ自身が魔力の使い方に慣れてきとる。

 何やらせても、もうそこらの者(もん)よりよっぽどできるはずや」


 そういうもんなの?

 まぁ、体が軽いって思うことはあるけどさ。

 変身してる時みたいに頭の回転も早くなったら、試験では有利だよね。

 両手で鉛筆持って、同時に2問解いたりして(^^)




 勉強する時、ちょっと魔力を体に巡らせてみたら、びっくりするくらいはかどった。

 特に早く動こうとはしてないんだけど、一区切りつけたら思ったより時間が経ってない、みたいな。

 参考書の内容とかもすんなり頭に入ってくるし、もしかしたらこれが魔力で能力が上がってるってことなのかも。

 これなら、受験は怖くないね。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 …とか思ってたんだけど!


「なにも、受験当日に出なくてもいいじゃない!」


 午前の試験中、なんかインキーが出てるっぽい感じはあったんだよね。

 昼休みになってお弁当出そうとしたら、カバンの中にウーマがいた。


「マホ、インキーが出たで。

 速攻で昼飯食って、昼休み中に片つけえや。

 わいがこっちおるさかい、ここに戻ってこれるで」


 そっか。

 変身を解くと、ボクはウーマの脇に出てくる。

 だから、ウーマは試験会場まで来てくれたんだ。


「人間の世界に馴染んだじゃん」


「大事な相棒の士気に関わるかんな」


 しゃべりながら大急ぎでお弁当を食べ、荷物を試験会場に置いてから、人気のないところに潜り込む。

 試験の日だから割とどこに行っても人がいて、走り回るハメになった。

 こんなところで上がった能力を発揮することになるとは、思わなかったよ。


「よし、ここなら。

 共鳴、降臨」


 変身したら、すぐテレポート。


「魔法少女マジカル・マホ、降臨♡

 人の心を食い荒らすインキー、覚悟しなさい!」


 あいつだね。大した奴じゃない。

 さっさと倒して試験会場に戻るよ。


「マジカル・ランス!」


 右てのひらから魔力の槍を飛ばしてインキーを串刺しにする。

 ちょっとオーバーキル気味だけど、時間が惜しいからね。


『そっち、どう? 戻っても大丈夫?』


『今なら大丈夫や』


「マジカル・マホ、ウィン♪」


戻った場所は、身障者用トイレの中だった。


「おう、お疲れさん。間に合うてなによりや」


「ウーマもお疲れ。

 じゃあ、午後の試験も頑張るよ」


 ウーマが帰った後、せっかくだからトイレをすませて午後の試験を受けた。

 昼休みバタバタしてた割には、なんだか落ち着いて受けちゃったけど。

 この辺も、魔力による能力アップの一環なのかなぁ。




 志望校には、無事合格した。

 4月からは高校生だけど、魔法少女はまだ続けることになる。

 高校生なら、「少女」でいいよね?

 そんなわけで、魔法少女マジカル・マホの戦いは、まだまだこれから! なのだ。

 というわけで完結です。

 この作品は、「男の子が魔法少女として勧誘される」というミスリードものとして出発したものだったのですが、2話の「スカートの中」のネタを思いついて、短期連載にしちゃいました。

 ネタが思いついたら、高校生編を書いてみたいなぁ、なんて思うくらいには気に入ってます。

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― 新着の感想 ―
一話目でボクっ娘かと思ったら男の子だった人です。 三話目の後書き読んで笑っちゃったwww あら私、まんまと釣られた感じじゃないですか? 面白かったです!
めっちゃ面白かったです! こういうの大好き! ウーマとの掛け合いもよかった! やっぱり関西弁の使い魔(?)っていいですね。 35歳で魔法少女にさせられた『魔法少女三十路』というマンガもあるくらいで…
なんか思いついたら続きをぜひ!
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