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第42話:閑話・四神コンプリート!箱庭は神域へ、そして世界は震撼する

第42話:閑話・四神コンプリート!箱庭は神域へ、そして世界は震撼する

 南の『煉獄火山(れんごくかざん)』を爆速で後にした一行は、転送ポータルを通じて【無限の箱庭インフィニット・ファーム】へと帰還した。

 そこには今、歴史上かつて誰も成し遂げなかった神話の光景が広がっていた。

「さあ、みんな集まってくれ! 記念撮影と、配置換えだ!」

 リオンの呼びかけに、四体の神獣が並び立つ。

 北を護る、巨岩の盾――ゲン(玄武)。

 西を駆ける、紫電の矛――ライガ(白虎)。

 東を統べる、蒼穹の龍――セイラン(青龍)。

 南を照らす、不滅の炎――カゲロウ(朱雀)。

「……すげぇ。本当に揃っちゃったよ。リオン君、君、これ前世ならサーバー内ランキング1位確定、運営からBANされるレベルの廃課金装備状態だぞ」

 ジン伯爵が、あまりの神々しさにサングラス(魔導具)をかけながら呆然と呟く。

 その隣でルミナスは、もはやツッコむ体力も残っていないのか、セバスに支えられながら「あらあら、お庭が少し狭く見えますわね」と遠い目で微笑んでいた。

 その時だった。

 「カァァァァァァァァッ!!!」

 箱庭の空が、これまでの比ではない黄金の輝きに塗りつぶされた。アルトワール神の、理性を投げ捨てた歓喜の咆哮が響き渡る。

『よくやった! よくぞやったリオンよぉぉぉっ!! 我が愛しき使徒が、伝説の四神をコンプリートした! この喜び、全宇宙に知らしめねばならん!!』

「神様、声がデカい! あと、また何か変なバフをかけようとしてるでしょ!」

『当たり前だ! これは「セット効果」というやつだ! リオン、そして箱庭よ、受け取るがよい! 私の愛の結晶……神級権限【箱庭創世・神域化ガーデン・オブ・エデン】を!!』

 光が炸裂した。

 箱庭の地平線が猛烈な勢いで押し広げられ、面積が十倍、百倍へと膨れ上がる。

 それだけではない。四神がそれぞれの方向――東西南北の端へと移動すると、そこが「神域」へと変貌したのだ。

 北には永久不滅の氷壁が、西には雷鳴轟く断崖が、東には宝石のような海が、南には永遠に暖かい太陽の丘が。

 さらに、リオンのステータスに新たなスキルが刻まれる。

四神相応の守護ガーディアン・オブ・クアドラ

効果:箱庭内のすべての住人(子供・魔物)は「不老」「不死」「状態異常無効」となる。さらにリオンが外の世界にいる際、四神の力をいつでも「100%」借用できる。

「……不老不死。リオン君、君の牧場、ついに『天国ヘブン』を物理的に実装しちゃったよ」

 ジンのツッコミに、リオンは「えへへ、これで子供たちもずっと元気ですね!」と無邪気に笑う。もはやこの少年にとって「世界最強」は「家族の安全」の副産物に過ぎなかった。

その頃、外の世界(王都・大公家)では

 この「神域化」の影響は、箱庭の中だけでは留まらなかった。

 四神が揃い、神の祝福が降り注いだ瞬間、大陸全土の教会の鐘が、一斉に「鳴らしてもいないのに」鳴り響いたのだ。

【王国・王都】

 リオンを兵器利用しようと企んでいた残党貴族たちは、王宮のバルコニーから南の空を指差して腰を抜かしていた。

「な、なんだあの光は……! 南の火山が消え、代わりに巨大な虹が……!」

「報告です! 辺境伯家の客分リオンが、四神をすべて従えたとの報が……ッ!」

「……終わった。もはや軍隊を差し向けるなど、神に喧嘩を売るようなものだ。……すぐに、最大限の敬意を込めた叙爵の準備をしろ! 平民などと呼ぶな、聖下とお呼びしろ!!」

【東の大公領】

 ヴァレリウス大公は、ジンから届いた「すべて解決。四神コンプリートしました。現在、箱庭で露天風呂を楽しんでいます」という手紙を読み、豪快に笑い飛ばしていた。

「はっはっは! ジンめ、とんでもない怪物を見つけてきおった! 良いか、これより大公家は、リオン殿を『名誉皇族』として扱う! 彼が海産物を食べたいと言えば、東の海をすべて献上しても構わんぞ!!」

箱庭・大宴会

 そんな世界の激震などどこ吹く風。

 新しくなった箱庭の「中央広場(もはや一つの都市レベル)」では、豪華な完成記念パーティーが開かれていた。

「わーい! 新しい海だー! 泳いでくるー!」

「ティム、ミア! 走ると危ないぞ……って、もう『空中歩行』で飛んでるし。……あ、カゲロウ! 子供たちを背中に乗せてあげて!」

『ピィィィッ!(御意!)』

 朱雀カゲロウが遊覧飛行機代わりになり、青龍セイランが湖で噴水ショーを見せ、白虎ライガ玄武ゲンが子供たちの昼寝用クッションになる。

 現代の軍師であるジンは、冷えたビールを片手にリオンの隣に座った。

「リオン君。君、これでもうこの世界でやりたいこと、全部終わったんじゃないか?」

「え? 何言ってるんですか、ジンさん。まだ図鑑は『四神』が埋まっただけですよ」

 リオンは、神から与えられた【神羅万象の絆(ユニバーサル・テイム)】のリストを見つめ、琥珀色の瞳をギラリと輝かせた。

「他にも、月を食べる狼とか、夢を操るバクとか、まだ見ぬ『隠しキャラ』がいっぱいいるはずです! 俺の牧場ドリームチーム作りは、まだ始まったばかりですよ!」

「……やっぱり、この男を仲間に引き込んで正解だったよ。一生退屈しなさそうだ」

 ジンの乾杯の音頭が響き渡る。

 最強のパトロン・ルミナスの微笑みと、過保護な神の祝福、そして神話をも凌駕する仲間たち。

 テイマー・リオンの伝説は、この日、真の意味で「序章」を終え、世界そのものを変えゆく本編へと突入するのだった。

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