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名画窃盗事件⑤
「……どう思う?ヒロリン」
司が帰り、ふたりだけとなった探偵事務所、もとい部室に残ったふたりのうちのひとりがもうひとりに声をかける。
「四天王寺刑事はともかく、日本の警察は優秀ということになっている。政治が絡まない限り犯人捜しは熱心におこなう」
「それにもかかわらず証拠が見つからないということはあるのかな?」
「つまり、政治家か警察OBが関わっていると?」
「それ以外に何かある?」
「まあ、あると言えば、あります」
麻里奈の言葉を半分だけ否定した博子が机の引き出しを開けて取り出したのは一目で安物とわかる赤い表紙のファイルだった。
「とりあえず……」
そう言って差し出されたファイルを眺め始めたところで麻里奈の表情は急変する。
「……似ているな。確かに」
「もしかして、これだと?」
「可能性としてはあると思います」
「なるほど」
「ちなみに、こいつらは捕まったのか?」
「まあ、捕まっていたら日本で仕事はできません」
「そうだな」
「それで……」
「ヒロリンはそいつらの目星がついているのか?」
「もちろんです」




