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#20

優は無理や引っ張り込んだ少女に問いかけた。


 「え~……君は誰かな?人に名前を聞くなら自分から言わないとね」

 とりあえずこれで誤魔化せるかな?無理だろうけど……


 「そうですね。私から名乗るのが礼儀ですものね。例え相手が侵入者かもしれない相手でも」


 「うっ……」


 「私は、マサラ帝国第三皇女クリスティーヌ・ガラム・マサラですわ。以後お見知りおきを。」

 あぁ…やっぱり皇女だったか。これはまためんどくさい事になったな……

 どうって逃げるか誤魔化そうかなぁ…いっそ偽名でいいや


 「旅人のアッシュです。以上」

 ………ネーミングセンスに関しては突っ込むではないぞ。俺自身が一番突っ込みたいのだから…


 「旅人は普通警備が厳重な城に迷いません‼」


 「っ…逃げるが勝ちさ 【インビジブル】」


 魔法で姿を消し翼を出現させて窓をから飛び出して市場まで飛んでいく事にした優である。



 そして一人取り残されたクリスティーヌ……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 マサラ帝国の市場にて


さすが帝都、人が沢山いるなぁ……あの国とは大違いだなぁ。そんなに長い時間いたわけじゃないけどね。

 でもミオにお土産ぐらい買ってかないと後々何言われるかわからないから何かいい物探さないといけないなぁ……


 そんなころを思いながら市場の大通りを歩いているとミニマップで大通りから外れた小道に気になるものを発見した優だった。



 「いや~、何か面白そうなものがあると思ったのだけどこれは期待できそうだな。」


 優の目の前には古臭い建物に open とだけ書かれた掛札が掛けられたドアがある骨董屋のような建物があった。そのドアを何の躊躇いもなく勢いよく開け


 「こんちゃー、誰かいますかー?」


 「誰だい、そんなに大きな声で叫ばなくても聞こえておるわい」


 中には様々な怪しい道具や、薬品、スクロールが積まれていた。その奥から老婆がゆっくりと出てきた。


 「それはすみませんでした。」


 「謝意は受け取っておくとするよ。で、こんなオンボロ店で何を探しているんだい?」


 「いや、折角ここまできたからお土産でも買って帰ろうと思ってなあ。でも表通りじゃこれと言って良い物が無かったからここなら面白い物が見つかりそうだと思って入ってみただけだ。ダメだったか?」


 「そうか、お主も物好きよのぉ、こんな店でいいなら思う存分見て行ってくれ。」


 そう言われ店の中をぐるりと見て回り店の角でガラス球ののような物を発見した。一見してみるとただのガラス球のようだが、何とも言えない雰囲気を放っていた。例えるのなら龍神化した時の優が放つプレッシャーが一番近いだろう。

 そのガラス球のような物を手に取り店の奥に座る老婆の元に持って行った。


 「これなんだが、一体どんなものか知っているか?」


 「あ~、それなんじゃがな、ある日よくわからない男が置いて行ったのだよ。詳しいことは知らないが欲しいのなら売ってやるわい。」


 そんなこと言われてもよくよく考えてみたら俺ここの通貨もって無いわ……でもあれメニューだと【龍王の魂片(迅雷)】 って表記されているから何としても手に入れたいんだよなぁ……


 「なぁ、俺ここの通貨持ってないから貴金属で交換でいいか?」


 「別に構わんがそれの価値がわかりゃせんからお主が思う分の貴金属を置いて行ってくれ。」

 そう言われてもなぁ貴金属と一概に言っても色々あるんだよなぁ……


 「どんな金属がいい?大抵の物はあると思うから好きなものを言ってくれ。」


 「じゃあ、魔道具を作るのに不足していたミスリルとかどうだい?」

 ミスリルならインベントリに大量にあったな……とりあえず200キロもあれば釣り合うかな?


 「ここに出したら床が抜けそうだから石の床の所は無いか?」


 「あるにはあるけど、あのガラクタにどれだけの量を出すつもりだい?」


 「まぁ、行けばわかるってことで案内してくれ」


 優は老婆に連れられて店の奥の更に奥に連れていかれた。


 「ここなら問題ないかね?」


 「あぁ、ここなら問題ない出すぞ」

 ドスン、と大きな音を立てながら200キロのミスリル分の延べ棒を取り出した。


 「さすがにこれは多すぎやしないかい?」


 「俺が思う分だけ置いていけって言ったのはアンタだぞ?俺にはこのガラス球がこれだけの価値があると思っただけだ。今更返せと言われても返さないからな?」


 「それはいいけど……」


 「それじゃ俺はそろそろ行くわ。良い物売ってくれてありがとうな。」




 そう言い残し優は空島に飛んで帰るのだった…………




 「不思議な少年じゃったのぅ…にしてもこれだけの純度と量のミスリルか…」

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