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第127部分  自宅の災害時新体制の構築⑰ 非常用トイレ編⑴

第127部分  自宅の災害時新体制の構築⑰  非常用トイレ編⑴



前回はみなさまに、「とある質問」を提示して終わっていた。

それは

 『さて、質問です。

  こうしてサティ家で得た切り干し大根はいったい何グラムだったでしょうか、5gグラム刻みでお答えください。

  正解は次回に… 期待なんかしないだろうけど御期待ください』

というもので、密かに察したとおりどなたからの反応もなかったけど… 忘れぬうちにここで答えというかデータを提示しておこう。


 元のざく切りダイコン重量 1000g

そして…

 干しあがり重量       55g

という結果。完全な乾燥かどうかはシカとはわからないけど、これで見ると含有水分%は95%ということになる。


って、ほとんど水じゃん。


そして水以外の5%の多くは、おそらく食物性繊維ダイエタリー ファイバーだろう。

でもそれこそが「健全なお通じ」には欠かせない成分だというのである。



ところで… 喰ってみようか。

約1週間後に冷凍庫から一掴ひとつかみを取り出し、ヒタヒタの水にふやかして「戻し」を試みる。

2時間ほど放置してから軽く絞ってみると、何やら茶色がかった汁が出て来る。試しに味わってみるとほのかにアミノ酸系の味がしてちょっと美味い。これは捨てるのがモッタイナイので、煮浸にびたしにする時に一緒にいてしまおう。むろん切り干しの本体の方は油揚げと人参とともに焚いて… スバらしい夕食の一品ができました…とさ!


そしておそらくは翌朝、サティの「グレート」として便所トイレに放棄されたと思われる。



さて今回はその排泄物… 「グレート」および「スモール」についての大切だな、と確信していることを書いてみよう。

いちいち「グレートG」とか「スモールS」とか書くのは面倒臭メンドいので、今後はそれぞれGとSで代用させていただこう。


…というワケで、そういう系のシモ系の話とか不潔ダーティ系の話が苦手な方、そして現在お食事中の方などはこの辺で退出していただくのがよろしいかと… ひとつよろしくお願い申し上げまする。



よろしいでしょうか。



「被災時の備え」のひとつとして欠かせないのが、いわゆる「トイレ問題」である。

まずはちょいとあたりまえのことを述べてみよう。

1、まず上水道がどこかで破断すれば、当然蛇口から水は出てこない。

  つまり水洗トイレは即時使用不能になる恐れがある。

  タンク式ならば1度は「流せた」としても給水が再開されるまで水の補充は期待できない。

  電気給湯器とか風呂水利用とか集合住宅の屋上タンクも、回数こそ変われど本質は同じである。

  また同時に停電が起きた時、いわゆるウォシュレットは動作しない。

  そしてウォシュレットに慣れ切っている人々は普段の数倍のトイレットペーパーを消費するだろう。


2、仮に下水道が破断していたら上記1のように「流してしまった」場合、それはおおいなる

  悲劇の幕開けとなる。

  破断個所は便所のすぐ下かもしれないし集合住宅の下の階とか、近所の道路下とかの可能性もある。

  当然Gグレートスモールはそこに滞留または流下し、場合によっては道路やマンション共用場所や

  他家の便所台所なんかに降り注ぎ、自然の摂理に従って腐敗を始める。

  それが困るなら「大震災時後には即刻便所の使用を禁止すべき」という自家の対策に逢着ほうちゃくする。

  つまり、大震災➡まず身の安全確保➡トイレの使用禁止(便器を養生テープや粘着テープで封印等)ということだ。

  さらに便所を封印すると、タンク式の場合はタンクの水数十リットルを「備蓄水」に転用できる

  メリットがある。


3、しかしながら… 用便は生理現象であり、ひとり1日あたり5~6回はお世話になるのだという。私もっとだけど…

  食えば出る、あたりまえだのクラッカー。

  そこで「非常用トイレ」を備蓄しておこう… という流れになるのだが、ここまではよろしいでしょうか。

  サティも長男と合わせて二人の約一か月分として、およそ460回分を用意してみた。 

  えっと計算? ひとり1日6回として、一か月は30日だから

   6 ✖ 30 = 180回 

  2人分ならその倍の 360回 だもんね。

  えっ、100回分多いんじゃないかって? いいのいいの、それは予備だしさ、生ゴミなんかの処理にも転用できるじゃん。


4、ところで、その「非常用トイレセット」、使用方法はどれもこれも似たようなものなんだけど、

  考えるほどに謎が湧いてくる。なんだと思いますか?


  それは… 

  ⑴ 『GとS』を同じ袋に入れて、

  ⑵ 凝固剤を入れて凝固かためて、

  ⑶ 袋の口を締めて、捨てられる日が来るまでどこかに保管する 

  という一連の使用法についてなんだけどさ。


今までの震災も相当にヒドカッタけれど、きたるべき南海トラフだの東南海だのの震災の場合、ヒドさがもう1ケタ分パワーアップしてるんじゃないだろうか。あくまでも推測にしか過ぎないが、なんせ相模湾北西部が震源だった関東大震災からは100年余、熊野灘を震源とした昭和東南海地震からは80年余が経っていて、どちらもそろそろ「活動じしん適齢期」に達している。しかもどちらも活動もしばらく御無沙汰中であり、これは逆に徐々に徐々に毎日毎日少しずつのエナジーが… 積もり積もって今となっては膨大なエナジーが蓄積されているという事実の… 証左以外の何物でもない。

そしてこれらが面する地域は俗にいう太平洋ベルト地帯… つまり日本の工業の主体そのものの地域なのだ。

ここが壊滅的な被害を受ければ、とりあえず電気、ガス、水道、交通といったインフラの復旧をすればよい… なんてヤワなことで済むワケがない。

設備が壊れ工業製品が作れない、他地域から補給応援しようにも原料がなく交通網が寸断されている、地域が広すぎて核心地域まで陸海空の支援が届かない… そして復旧のためには必要な部品や労働力、そしてそれらを支える物資食糧燃料原料や通信手段等が必要不可欠なのである。

こうしたことから推察するに、支援がサティ宅に届くまでには早くても一か月… はかかるのではないか。

ならば食糧だけは地域の農産物に頼ったら… なんて、それは妄想以外の何物でもない。キューリもトマトもそして米さえも暖房冷房に肥料播種に収穫そして輸送… いわば農業という産業自体が光合成以外のどの工程も石油製品なしではなりたたない… いわば石油の塊とも言うべき脆弱さというか危うさを内包しているのである。中にはその光合成さえもプラントライトに依存している「フレッシュ野菜」さえあって… しかも別に珍しくもないほどに… ってこれ、ほとんど御禁制の大麻栽培みたいじゃない?


まあ、それはそれとして、要は「その分を見越してあらかじめ備蓄しておくことが必要」なことが連想されてくる。

たとえばトイレ。数を用意するのは当然として… うん、とりあえず数は揃えたぞっ!

でもそれだけで本当に安心できるのだろうか。


それは… そのずっとあとを想像してしまったから不安にられたのである。

だって… サティは考えたのだ。

でもさ、GやSいったブツはいずれ腐るよな。腐ったらガスが出て体積が増えるしさ、なによりクサイよな。

ニオイは2階のバルコニーに置いてしまえばまあガマンできるとして、じゃあそもそも腐らせない方法ってないかしらん?


モノの保存の方法はいくつかのパターンがある。いや、決して保存したいブツではないが、腐ってもらったらもっと困るのだ、しかも1ヶ月単位でなんて…

どれもこれも『細菌バクテリア真菌カビ等の微生物を働かせなくする』のがポイントだ。

たとえば、乾燥する(フリーズドライを含む)、塩に漬ける、砂糖に漬ける、アルコールに浸す等微生物が使える水分を奪う方法。冷凍ってのも液体の水を奪うという点では非常に有効だ。

加熱で酵素を不活化させたあと後密封する缶詰、ビン詰、レトルトパウチ。

だからといって、そんな震災時とかにいちいちGをアツアツに温めたり冷凍したり… いやそもそも電力どうすんねん? これは却下せざるを得ないかな。もっとほら、塩を振りかけるとか、酸を垂らすとか、アルカリ(塩基性)で処理するとか… そんなお手軽な感じじゃなきゃアカンでしょ?


塩を振れば、ウンチの塩漬けの完成だよ。あ、でもこれ、⑴のように同じ袋だとおしっこのスープもできちゃうよね。

だけどね、というかしかもというか、⑵のように凝固剤を使って固めるにはさ、逆に食塩が水に溶けて生じるナトリウムイオンや塩化物イオンは凝固剤が「給水して固まる邪魔」になっちゃうんだ。


『凝固剤』が水を吸収して閉じ込めておく仕組みには、溶液の「濃度差」が大きな意味を持つという。

簡単に言えば、高分子の凝固剤というものは濃度が低い「水」ならば多くの量を閉じ込めて流動させにくくさせる性質を持つものの、塩分等の濃度が高いほど吸収しにくくなってしまう… という性質をあわせ持つのである。これを「塩類効果」と称しているが、当然S の凝固については重大な欠点になってしまう。


尿は… ヒトの尿は血液から生成するだけに血液と同等程度の塩分濃度を持っている。ニンゲンの生理食塩水濃度は0.9%程度であり、凝固剤の性能はメーカーや製品によって様々であるものの、その程度の食塩溶液に対する吸水性能は「純粋な水」に比べて数割~1割程度まで落ちてしまう。メーカーの喧伝けんでんビデオの液体は当然ながらモノホンSではなく着色した水であることはまず確実である。ここに食塩を加えたら当然濃度は高くなり、凝固性能も下がってしまうワケだ。そう、ビデオをマルマル信用してはならないワケだ。

GとSの混在する排泄物にこれ以上の塩や砂糖を加えると折角の凝固性能をもっと阻害することになる。しかも災害時の交感神経優位かつ水分が不足しているとき、尿の濃度は普段以上に高くなるものなのだ。

このことからして、食塩の添加はGの腐敗防止には役立ってもSの凝固を阻害してしまうので全く持って望ましくないワケだ。つまり「酸、塩、砂糖等水溶性の物質を添加する対策」は不採用にするしかない。


またSが腐敗分解を始めると、みなさんボッタン便所でお馴染みのアノ刺激臭が… アンモニアの臭いだが… 周囲に漂ってしまうだろう。アンモニア分子はNH3、水溶すれば電離度は低いながらも電離するとアンモニウムイオンと水酸化物イオンを生じるため弱い塩基アルカリ性を示す。あのアンモニア臭を消すには酸性の物質で中和すれば良いワケで、この中和には塩化物イオンを発生させる塩酸が適役であるだろう。いっそGにも濃塩酸をブッ掛けて腐らないとようにしたら…とも考えたが、ある意味有機物の塊であるGに濃塩酸など掛けたらどんな有毒物ができるものか… AIに聞いてもこれは有毒ガス発生の危険性をはらむNGの処理らしく、止む無く断念せざるを得まい。


そもそもGとSは性状が異なる。

にも関わらずどのメーカーもGとSとを一緒に袋に入れた状態での保管廃棄を勧めてきているが、そもそもこの「一緒」という前提が誤っているのではないだろうか。


整理してみよう。

Gは半固体状であるのが一般的である。すでに腐敗しかかっており、臭いはだからまあそんなものだ。改めて凝固させなくても良いが、できればこれ以上の腐敗を阻害して臭いを防止したいところ。せっかく半固体状なので、できれば液体を混ぜたくはない。

Sは塩分を含む腐敗していない溶液であるが腐敗しやすい。よってできれば腐敗を防ぎアンモニア臭を防ぎつつ半固体状に固めて保管したい。しかし凝固剤を使うならば塩や砂糖を添加するのはナンセンスであり、むしろ凝固剤を余分に加えてしっかり凝固させたい。

こりゃ新たに凝固剤を買って補強しなければなるまいな(購入済み)。



ぬぬぬ…

遠慮なく言うなら、そもそも性状の異なるGとSを同時に一括処理しようとしているのが誤りなのだ。

幸いサティも長男も「男子」である。その気になればGとSを分離すること自体、時に失敗はあっても基本的にそうそう難しい技ではないはずだ。


なるほど。

ならば… 分離収集したGをどのように処理したら良いだろうか。できるなら処理剤や手順には当然簡便かつ低予算ローコストな方法を選びたいものだ。

強酸や強塩基アルカリの中で難溶性かつ安価なものはないだろうか。(←溶けると凝固剤の作用を阻害してしまうから)

極めて溶けにくくて、そのくせ強酸または強塩基の性質を持つもの。できれば安価かつ比較的安全なもの。

酸の世界に… 思い当たる物質はない。塩基アルカリの世界には… おっ、あるじゃん!


それは、アレだ。そういえば学校生活でもよく使われてた… そう、グランドで、だ。

農業では酸性土壌の中和にしばしば使われているし… 値段も知れている。

それは「水酸化カルシウム」で、体育器具庫には必ずあった。小学生の頃、よくあれでグランドに白線を引かされたっけ。

化学や農業分野では「消石灰」の通称で親しまれているアレである。


卵殻や貝殻の主成分たる炭酸カルシウムを高温で焼くと、熱分解によって二酸化炭素が抜け酸化カルシウムになる。

この酸化カルシウムは水と反応して水酸化カルシウムと水素に分解しつつ高温を発生するため『せい石灰せっかい』とも呼ばれる。

この反応後の水酸化カルシウムはもう熱は出せないよ、ということで「しょう石灰」と称されている。

ちなみに上記の反応を起こすせい石灰は「水を吸収して熱を出す」性質を買われて海苔ノリ等の乾燥材や非常食の加熱等そういう用途の防災用品に用いられることも多い。しかし反応が半端な生石灰のままうっかり生ゴミと一緒に捨てられたりすると火災の原因になることがあるから要注意だ。そんなことわかってるよ、誰でも知ってらぁ… とチャチャを入れられそうなサティは、ニンゲン界では御節介おせっかいと称されているだろうwww


ところでこの消石灰こと水酸化カルシウムは化学の世界では水酸化ナトリウム、水酸化カリウムと共に「強塩基アルカリ」の代表的な物質として受験に必須である。しかし消石灰だけは水に難溶性かつ潮解性(空気中の水分を取り込んで結晶が溶けてしまう)が無いので長期保存に最も適しているのだ。難溶性なのに強アルカリというのはやや解りにくいかも知れないがそれは溶解度の問題であって、要は「溶けにくいけど、溶けているえんイオンの電離度は大きい」という性質のややこしさだからここで気にする必要はない。

肝腎なのは難溶性だから凝固剤の作用を邪魔しにくいこと、Gの周囲に白い粉としてまとわりつくこと、そして10から11という高いpHペーハーのおかげで細菌や真菌が極めて繁殖しくく、よってGを腐敗しにくくさせるという効果が期待できることである。


つまり… 分別したGに水酸化カルシウムを振りかけることでGの処理と腐敗防止、そして長期保存は少しはまともにできるだろう。



えっ? GちSを分別するなら凝固剤は不要なんじゃないかって?

うぐ、鋭いっ!

いかにもそのとおりだけど、いつもうまく分別できるワケじゃないかもだし、ちょっとくらい混ざってダイジョブだろし、下痢便の時だってあるかも知れないし… G自体が持つ水分を奪った方が腐敗は遅くなるだろうしな… そして別途凝固剤も買ってあるから…

あとはケースバイケースで。


あ、ちなみに消石灰こと水酸化カルシウムは農業用途のものを密林アマゾンで調べると、粉末状のモノが5kg送料込み999円で販売されていたので2袋を購入。

先日DIYショップにて価格を見たところ5kgとか10kg入りの袋が数百円程度で販売されていた。


うわ、6000字を越えていたので、ここでいったん切ります。


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