↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
4/11

氷の冷たさと本音 ~そっとほどけていく心のカベ~

「足が腫れているね、捻挫したみたい」

優花先生は楓ちゃんのけがを隅々まで丁寧に診ていく。

「楓ちゃん、まずアイシングをしますね」

言うと、優花先生は隣の冷蔵庫から氷のうを取り出した。

「佐藤くん、楓ちゃんを支えて、ベッドに寝かせてあげて」

「はい、優花先生」

私は素早く楓ちゃんを支え、ベッドへ連れていった。

「楓ちゃん、けが自体は大したことないけど、足が腫れているから、これからあちこち走り回っちゃダメだよ。

この数日はゆっくり休んでね」


「ただいま、全教職員は大講堂にお集まりください」

「会議か。じゃあ、氷のうは当てたから、私は棚から湿布を取ってくる。佐藤くん、アイシングが終わったら、湿布を貼ってあげて」

「わかりました、優花先生」

「あと、これから追いかけっこしちゃダメだよ、佐藤くん。聞いてる?」

優花先生は少し責めるような視線を私に向けた。

私はその視線にびくりとする。

「は、はい、優花先生」

「わかればいい」

優花先生は視線を和らげ、いつもの生徒を気遣う表情に戻った。

「じゃあ行ってくるね。佐藤くん、楓ちゃんをお願いね」

「はい、優花先生」

先生の背中を見送ってから、私は楓ちゃんのベッドの側へ歩み寄る。

「楓ちゃん、大丈夫?」

「佐藤くん、大丈夫だよ。ただ足が少し痛いだけ」

「佐藤くん、喉が渇いたの。水をもらえる?」

「いいよ、今取ってくるね」

保健室の中をざっと見渡すと、入り口近くにウォーターサーバー、机の上に使い捨てコップの袋が置かれていた。

このコップは保健室の備品だ、勝手に使うわけにはいかない。

だめだ、このままじゃ。まあ、優花先生も患者のためだと知れば、怒ったりしないだろう。

私は袋からコップを一つ取り、ウォーターサーバーで水を注いだ。

「楓ちゃん、水持ってきたよ。ゆっくり飲んで」

楓ちゃんは黙ったままコップを手に取り、一気に飲み干した。

息をつくと、満足そうな様子だ。


「佐藤くん、どうして私を探しに来たの?クラスの透明人間じゃいけないの!」

「それは、このイベントはみんなでやる集団活動だから、誰一人欠かすわけにはいかないんだ。

私はイベント実行委員長として、みんなのことを気にかけなきゃいけない」

「私なんて参加しなくていい。不器用だと思われたくない!」

「どうして?楓ちゃん、なぜそう思うの?」

「この学校に転校してくる前、前のクラスに空気を読むのが上手な女子たちがいたの。クラスの繊細な女子たちは何人も、彼女たちに目をつけられた。彼女たちは粗探しばかりして、活動で担当した部分に少しでも不備があれば、すぐに責め立ててきたの!どうしてそんなに参加させようとするの!」

「楓ちゃん、違うよ。このクラスのみんなは優しいから、まず少しだけ試してみてほしい」

「本当に?」

「うん、安心して。私がクラスのみんなと一緒に、楓ちゃんと素敵な青春の思い出を作るよ」

「素敵な思い出?」

楓ちゃんの口調が和らいだ。

「一度だけ、私を信じてみて、楓ちゃん」

私は楓ちゃんに手を差し伸べる。

「きっと、今までの考えが変わるよ、楓ちゃん」

楓ちゃんは手を伸ばし、私の手を握った。

「楓ちゃん、一緒に素敵な思い出を作ろう——」

スペルミスを発見したら、私に報告してください

読んでいただいてありがとうございます。もっと頑張ります

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。