新しい生活
僕たちが辿り着いた街、それはとてもこの世のものとは思えないほど綺麗な場所だった。
たくさんの人が行き交い、建物は美しく、何より、住民の笑顔で溢れていた。
いや、前の街が綺麗じゃないというわけではない。
前の街もかなり良い街だったけど、この街はさらに良い街ということだ。
でも、どうしても違和感がある…
「一体なんて書いてあるんだ…?」
そう、僕が住んでいた街はたまたま人類語を使っていたが、どこでも同じ、というわけにはいかない。
文字も違えば、話す言葉も違う。
周りの人が話していることが僕には分からなかった。(桜たちには分かっていたようだが)
僕はとりあえず、桜に通訳を頼み、今夜泊まる宿を探すことにした・・・
「はぁ、なんでこんな事に…」
やっとの事で見つけた宿の部屋の中で、僕はベッドに腰掛けながらため息をついた。
部屋の中には僕と桜、そしてベッドはひとつ。
いわゆる、【カップル部屋】と、呼ばれるものだった。
ちなみに、他の部屋はというと、優里香と恵里香、そして総司の一人部屋だ。
普通なら僕と総司が同じ部屋になるはずなのに…
「だって、一樹は言葉分からないじゃないですか」
これだ。これなんだ。
人類(日本人)である僕にとっては未知の世界。
言葉も分からないのにどう生活しろと言うのか。
ん…?でも、別に総司でも通訳くらいはできーーー
「それに、失礼ですが総司さんに通訳が務まるとは……」
…否定できない。
総司にそういうことは無理な気がする…
総司はどちらかというと一人で行くタイプだ。
っていうか、総司が人に教える姿が想像できない。
まぁ、この際それは良いとして…
ベッドが一つは…ダメでしょ……
いつも一緒の部屋寝ているとはいえ、同じベッドは流石に…ね?
でも、桜はそれほど気にしていないようだ。
…ならば僕も気にしないほうが良いのか?
僕はまた苦悩に頭を傷ませるのであった…




