観測所
その日僕と桜は観測所へ来ていた。
この観測所は、生物の個体数から生態系など、生物に関する色々なものを研究・観測している施設である。
僕達はそこにいる施設長、マーリンに話を聞いていた。
「大型生物とな…?それだけの情報じゃなにもわからんわい」
まぁ、そりゃそうだろう。
この情報だけでわかってくれるだろうとは僕も思っていない。
「確か、山が動いているようなほど大きいって…」
僕が具体的に説明する。
説明が全て終わるまで静かに聞いていたマーリンはふと思いついたように、
「おぉ、あいつかもしれんのぅ…」
と言って棚へと向かった。
その最中、ゴゴゴゴゴと地面が揺れた。そう、地震だ。
この前まではずっと続いていたが最近はあまり起きなくなっていた。
その地震は数分続いたがやがて治った。
結構大きい地震だったから棚から本が何冊か落ちている。
ふと、僕はその中の本の一冊に目が止まった。
その本には『古代生物とその被害』と書いてあった。
「これは…」
「おぉ、その本に載っているはずだぞ」
マーリンにそう言われた僕はパラパラとページをめくる。
そこにはこんなことが書いてあった。
「超大型生物について…」
この生物はちょっとした山と同じくらいの体長を持ち、決まった住処を持たずに常に歩いている。その体格ゆえに引き起こされる被害も甚大で通ったあとにはなにも残らないと言われている。また、まだ明確な名称は定まっていない」
僕がその本を読んだ感想はただ一つ。
これ、無理じゃね?
僕のあとに同じように読んだ桜も硬直している。
と、マーリンが僕に何か言ってきた。
しかし、僕は頭で理解するのに手一杯で全く聞いていなかった。
「あ、ごめんなさい。聞いてませんでした…」
申し訳なさそうに僕は聞いた。
すると、マーリンは困ったような表情をしながら繰り返した。
「グットラック」




