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原因

 僕が原因を調べ始めてからもう一週間になった。

 手がかりは未だ掴めない。

 調べている最中にもじいさんの容態はだんだん悪くなっていき、熱が40度を超える日が続いている。

 そんな状態のせいで、じいさんはろくにご飯も食べられず見るからに衰弱していた。




「くそっ!まだ何もわからねーのかよ!」


 この日も僕は顕微鏡の前に陣取っていた。

 今までに調べたものは色々ある。

 じいさんの爪、唾液、血液、汗…そして排泄物でさえも。

 しかし、ここまでやってもなお、手がかりと呼べるものは何一つ見つからなかった。

 桜にはすぐ治る、少しこじらせているだけだと言ってあるが、そろそろその言い訳も苦しくなってきている。

 そして、僕は今日新たな物を調べてみようと思っている。


「じいさん、ごめんな」


「何を言っておる一樹。わしは嬉しいぞ、ここまでしてくれて」


 じいさんに了承を得てからの方が良いかなと思ったが、逆によくある漫画の主人公の 最期みたいになってしまった。

 それはともかく、じいさんの了承を得たので僕はじいさんに刃物を突き立てた。

 そしてゆっくりと刺しこんでいく。

 それから、五ミリ程刺しこんだところで一思いに切りとった。

 そう、今日は皮膚を調べようと思っていた。




 皮膚を調べること一時間。

 結果としては何も見つからなかった。

 見えたのは元気な細胞だけ、細菌などは見ることができなかった。

 勿論、倍率を変えたり調べる皮膚を変えたりしたがそれでも目立った変化はなかった。


「…はぁ。今回もハズレかぁ…」


 僕がそう思った時だった。

 ピンポーンと、玄関からチャイムがなった。

 入ってきたのはじいさんの病について調べているはずの医者。

 僕は、まさか!と思い原因が分かったのか聞いたが答えはノーだった。

 がっかりした僕は、改めて自分の調べた結果を報告した。

 医者とはあのあと何回か会うにつれて、かなり仲が良くなったので助手として調べるのを手伝っている。

 すると、僕の報告を聞いていた医者があることに気がついた。


「皮膚に元気な細胞…?」


 そして深く考えるそぶりをする。

 それから医者は僕にこう確認する。それは本当に皮膚だったのか、と。

 勿論そうだと答えると、医者は急いで僕の顕微鏡へ駆け寄って調べ始めた。

 しばらく僕たちを沈黙が襲う。そして…


「でかしたぞ!原因を発見した!!」


 と医者が言った。

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