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穏やかな朝。そして絶望。

「おはよう桜」


 僕は眠い目をこすりながら桜に挨拶をした。


「おはようございます一樹」


「あれ?じいさんは?」


 じいさんの姿が見えない。

 おかしいな。いつもは僕よりも早く起きているはずなのに…


「珍しいですね。まだ寝てるのでしょうか…すみませんが起こしてきてもらえますか?」


 そう桜に言われ、僕はじいさんの部屋に来た。


「おい、じいさん。入るよ」


 そう言ってから僕はじいさんの部屋に入る。

 そしてじいさんを起こそうと肩に手を置いたときだった。


「あつっ!」


 じいさんの体はとても熱くなっていた。


「うーん…一樹かのぅ…おはよう…」


「おはようじゃないよ!?桜!氷!氷持ってきて!!じいさんがスゲェ熱だ!」


 僕がそう叫ぶと桜は急いで氷を持ってきた。


「だ、大丈夫ですか!?」


「じいさん、すごい熱だよ。早く医者に来てもらわないと…」


 せっかく置いた氷もすぐに溶けてしまうほどの高熱だ。


「桜、病院に連絡してくれ」


「は、はい!」


 桜に先生を呼んでもらっている間に僕はじいさんの氷を替えた。




 先生が到着したのは三十分後だった。


「先生…おじいちゃんは…」


 診察を終えてじいさんの部屋から出てきた医者に桜はすぐに質問を浴びせた。


「大丈夫、ただの風邪だよ。すぐ治る」


「…良かったぁ」


 医者にそう言われて桜は安堵した。

 そして、おかゆを作ってあげるんだ!とキッチンへ行ってしまった。

 僕が先生にありがとうございましたと言おうとすると、先生がこう言ってきた。


「一樹君だったよね?ちょっと、良いかな?」


 僕は嫌な予感がしながらも医者の話を聞いた。


「一樹君、私もね長年医者をやっているからね大抵の病気は治せるんだよ。たとえ癌になっていたとしても完治させてあげることができるし、足がない子が足が欲しいと言ったら足をつけてあげることもできる。どんな難産でも母子ともに救う自信があるし、瀕死の状態でも必ず生き返らせてみせる。でもね、私もこんなのは見たことがない。今までには見たことがないんだよ。辛いだろうけどねー」


「ーーーおじいさんはね原因不明の病だよ」



 そう言われた僕は思考回路が凍りついたように何も考えられなくなった。

 そして、少しの希望にすがるように医者に聞いた。


「助かるんですよね…?」


 でも、帰ってきたのは絶望という名の答えだった。


「 これは、少し難しいかな…」


 その言葉を聞いたとき、僕は僕の中で何かが壊れる音を聞いた。

 医者は、


  「でも大丈夫。この僕の名誉にかけてきっと治してみせるよ」


 と言っていたが、僕は僕で原因を調べてみることにした。

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