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最後の人類、最初の生命  作者: コゲコゲ
夏休みは別名宿題地獄です
38/56

その時彼は

「昔々あるところにおじいさんと…


 おじいさんと………


 まぁ、おじいさんが住んでおりました。


 おじいさんはガソリンスタンドへ灯油を買いに、


 その後コインランドリーで洗濯をしました。


 家に帰る途中、おじいさんは路地裏で小さな赤ちゃんを見つけました。


 まだまだ生まれたばかりの女の子です。


 その赤ちゃんはとても小さく、おじいさんは連れて帰ることにしました。


 そして、おじいさんはこの子に名前をつけて大事に育てました……」




「…と、まぁこれがわしと桜の出会いだったんじゃよキューちゃん」


「キュルルル?」


 じいさんはキューちゃん以外何もいないこの部屋で、ずっとキューちゃんに話しかけていた。


「はぁ、一樹たちはいつになったら帰ってくるのかのぅ…」


 そう、じいさんは絶賛お留守番中だった。

 キューちゃんから目を離し、時計を見るともう6時になるところだった。


「おっと、危ない危ない。夜ご飯を作らねばのぅ」


「キュー!」


 じいさんがそう言って席を立つとキューちゃんは嬉しそうに部屋の中を飛んだ。

 呆れたようにじいさんが、


「そんなにお腹が空いていたのか」


 と言うと、


「キュー!!」


 とキューちゃんは返事をした。


「キューキュー!」


 部屋の中を飛んでいるキューちゃんを見ながら夕ご飯を作っていると、右手が何かに当たって大きな音が鳴った。

 何か落としたかなとじいさんが確認すると、


「あれ?これって…」


 そこまで見てからじいさんは凍りついた。

(こ、これって桜が大事にしていた花瓶!?何故ここに…?)

 そこには桜の花瓶が割れていた。

(え?あれ、もしかしなくてもわし、やばい?)

 顔から血の気が引いていくのが分かった。

 わし、桜が帰ってきた後生きていれるのか…?

 キューキューとご飯をねだるキューちゃんの声は今のじいさんには届いていなかった。

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