フォローは大事です
視界の端にキラリと光るものを見た僕は注意しながら近づいていった。
(これは………湖?)
そこには綺麗な湖があった。
バジリスクのことを忘れて湖の中を覗き込もうとすると、
ダーン!と背後から銃声が聞こえた。
そこで我に返った僕は思わず背後へと跳んだ。
ドンッ
………えーっと、もしかしなくてもヤバイ感じ?
この肌触り、明らかに爬虫類のものだ。
心なしか、頭上からシューシューと聞こえる気もするし…
援護射撃も期待するが木が邪魔で狙えないらしい。
(こうなったら…僕の銃で!)
しかし、ここで僕は絶望的な現実を知る。
(た、弾切れ!?あの時か!)
僕の銃弾はさっき乱射したせいで無くなっていた。
こうなったらもう打つ手はない。
恐怖で力の抜けた手が腰の辺りで硬いものに触れた。
(これは…ナイフ?)
そこには立ち向かうには心細い、小さなサバイバルナイフがあった。
もう奴の首はすぐそこまで近づいてきている。
(一か八か、どうせ死ぬなら最後まで抵抗する!)
そう決意し、振り向きながら放った僕の斬撃は皮肉なことに、奴には当たらなかった。
しかも、あまりに力を入れすぎたのか手からナイフが抜けて飛んでしまった。
(しまっ!?)
時すでに遅し。もう僕には戦える道具など残っていなかった。
僕が本当の絶望に陥ったその時、
『はぁぁぁぁ!』
ドスッ
『シャァァァァ!!!』
背後から桜の声とバジリスクの悲鳴が聞こえてきた。
「一樹!!目は防ぎました!止めはよろしくお願いします!」
桜がそういうので何事かと背後を向くと、そこには両目を木の枝で貫かれたバジリスクの姿が。
「桜!止めって、弾がもうない!」
「これを使ってください!」
そう桜から手渡されたのは拳銃だった。
もちろん弾も入っている。
僕は深呼吸をして気を引き締めると、銃口を暴れるバジリスクの頭に揃えた。
そして、もう暗くなりつつあるこの森に銃声が鳴り響いた。




