塵も積もればなんとやらです。
僕たちが少し行った先にはもう人とは言えないくらいになった男の残骸と、粘着質の物質があった。
「…糸」
触ってみるとネバネバしている。
やっぱり奴は蜘蛛だ。
「この付近にいるから皆気をつけて…伏せろ!!」
僕が振り向いた先には、桜たち。
そして頭上には今にも襲いかかろうとしている巨大な蜘蛛がいた。
(間に合わない!)
そう思った僕はとっさに腰に手を伸ばし、拳銃をとって奴に向けて撃った。
だが、放たれた弾はギリギリの所で奴には当たらず、頭の先を通っていった。
でも、威嚇には十分だった。
驚いた奴は襲いかかろうとするのをやめ、上がっていった。
すかさず狙おうとするが、木が邪魔で狙えない。
そんな時、いち早く状況を把握した桜が奴に向けて何かを放った。
次の瞬間、ドゴォーンと爆音が鳴り響く。
「皆さん離れてください!」
桜が投げたのは手榴弾。
そして、もしそれが直撃していたならば…
皆が急いで離れたその場所に上から蜘蛛が落ちてきた。
(初めての戦闘だから僕と桜でなんとかしないと…)
さすがに総司たちにはキツイだろう。
「皆、気をつけて闘って!攻撃開始!!」
そう叫ぶと僕は一番に奴に突っ込む。
奴が数ある脚の一本を振り上げて僕を潰そうとする。
僕がそれを見て回避しようとした瞬間、奴の脚が弾けた。
「!?」
一体何があったのか分からなくて一瞬固まった僕に背後から声がかかった。
「一樹!今だ、やれぇ!!」
その声で我に帰り、僕は奴の腹下へ潜り込んでナイフで切りつけた。
「っ…硬い!」
だが、奴の体はとてつもなく硬かった。
奴は脚を一本やられたショックでまだ動いていない。
と、そこへまた銃声。
そして奴の体の所々から血が噴き出した。
これで奴も気を取り戻したのか、暴れ出す。
(ちょっ!あぶねぇ!!)
上から落ちてくる巨大な脚に踏み潰されないように避けながら僕も確実にダメージを与えていった。
牽制のための銃撃、確実なダメージ。
この戦いは体力勝負に入っていった。




