「死人が復活!」 …いいえ、それは夢です。
「あれ…?一樹は一体どこへ行ってしまったのでしょうか?お医者さんもいなくなっていますし…もう少ししたら探しに行ってみましょうか?…」
「起きろ一樹!起きろって言っておるじゃろうが!!」
バチーン
「いってぇーー!!!!!」
突然ほっぺたに痛みを感じて僕は飛び上がった。
あれ?僕、生きてるの?
「やっと起きたか…ほれ早く!早く早く!!早く桜のところへ行くのじゃ!!!」
「おい、じいさん。落ち着けって」
って、あれ?………じいさん?
僕は目の前にいるこの人の顔を見る。
うん、じいさんだ。
「お、お、お…」
「お?」
「おばけーー!?」
じいさんは死んだはずだ!
よってこいつは生き物以外の何かだ!
「おばけじゃないぞ?ほれ、生きておろう?」
「やめろ、くるな、近付くな、この生き物未満め!」
「な…酷い言いようじゃのう。ちゃんと生き物じゃぞ」
「嘘をつけ!だったら証拠を…「証拠ならあるぞい?」
「は?」
「まず、お主は記憶喪失であろう?それに、わしの孫の桜に惚れておって寝るときいつも隣に移動してたじゃろ?他にも…「わーーわーーわーー!!!!!」
なんですか、なんなんですかこのジジイ!?
「なんで…なんで、そげんことまで知っとるばい!?」
「お主、言葉が崩壊しとるぞ…」
「そんなことよりじいさん!お前死んだんじゃねーのかよ!?」
「死んどらんからここにいるのじゃ」
「じゃああの血まみれのシャツは!?」
「あれは奴の歯で怪我をしてしまってな」
見ると、確かに左手がだらんとだらしなく垂れ下がっている。
「左手が動かなくなるくらいの怪我だったのか…」
「あ、いやこれは疲れたからこうしてるだけで別状はないぞ?」
じいさんはそう言うと左手をあげて体操を始めた。
そこで僕の中で何かが壊れた。
「ちょっとじいさん…」
「なんじゃ?」
「目をつむってくれないか?」
「お主、わしの唇が最初でいいのか?」
はぁ?何言ってんのこのジジイ。
「誰がキスをするって言ったぁ!?さっさと目、つむりやがれ!」
「しゃあないのぅ」
じいさんは渋々目をつむった。
僕はそれを確認すると、腕を振り上げて…
「痛!?」
思いっきりじいさんを殴った。
「何するのじゃ!?」
「何するのじゃ?じゃないでしょーが!心配させやがって!桜、泣いてたぞ!!」
「そうか、それは済まないことをしたのぅ…」
「じいさん…今までどこに居たんだよ?」
「あぁ、狩りを楽しんでおったぞ」
「最低だな!!」
なんなのこいつ!?僕たちは心配してたのに一人で狩りを楽しんでたぁ?
ふざけんなよ!?
「お前、三日間夕食抜きな」
「なぬっ!?」
なぬっ!?じゃねーよ。何死にそうな顔してんだよ。
桜を泣かせた罰としては、か・な・り少ないけどこの位で許してやろう。一応助けてもらったし…
あくまで一応な!
「さて、そろそろ一樹を探しに行きましょうか…」
「じゃあじいさん、桜んとこ行くぞ」
「うむ。そういえば、兵隊は全滅したのか」
「見ただろ?全滅したよ」
「やはりか…」
はぁ、まさか兵隊が全滅なんて…
医療担当まで戦闘に入るからだよ…
「ん?待てよ…」
医者も戦闘行って負けたんだよな?
だとすると、今あそこにいる生きている人って桜だけじゃ…?
「!?じいさん!!急ぐぞ!」
「どうしたのじゃ?」
「今、桜がひとりきりなんだよ!」
「な!?これは一体!?兵隊さんが全滅なんて…」(あれ?奴はどこへ行ったのでしょうか…?)
『グルァウ!』
「!?」(まさか背後なんて!?油断しました!)
『グルァァァァァ!!』
(一樹は?一樹は無事なのですか!?…ちっ、今は逃げることに専念した方が良さそうですね…)
『グルァァゥ!』(危ない!…!?しまった!さっき痛めた足首が…)
「遅かった…」
僕とじいさんがさっきの場所へ戻った時にはもう遅かった。
そこには桜の姿も、奴の姿も、何もなかった。
あったのは、奴の足跡だけ。
「一樹、諦めるのは早いぞぃ。まずは足跡をたどってみるのじゃ」
今はそれしか方法はないか…
「分かった。早く行こう」
桜、待ってて。絶対に助けるから!




