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最後の人類、最初の生命  作者: コゲコゲ
小さい敵が意外と強かったりします
12/56

世の中には知らないことが沢山あります。

「これは、普通の傷じゃないねぇ…」


 僕達は取り敢えず、このトカゲを医者に診せに来ていた。


「普通のじゃない…?」


 普通の傷じゃないとはどういうことなのだろうか?


「そ。きっと縄張り争いにでも負けたんでしょうね」


 医者のくせにチャラいこの男は適当にそんなことを言った。


「でしょうねって………」


 あまりにもこいつが適当なのでア然としていると、桜が助け船を出してくれた。


「それで、この子は大丈夫なのでしょうか…」


「うん?あー、平気平気。一応薬は渡しとくけど大したことはないよ」


 そこまで言ってから医者は意地悪そうな目でこっちを見ながら、


「ま、この中で一番致命傷に近かったのはライフル弾の跡だったけどね」


 と言い、アッハッハと大声で笑った。

 くそっ、この野郎面白がっているぞ。

 でも、何も反論出来なくて、居心地が悪くて、僕は医者から目を逸らした。


「はぁ…一樹、気にしなくて良いですよ」


「ありがとう、桜…」


「さ、そろそろ帰りましょう」


「そうだね」


 今は麻酔で寝ているが、起きた時のことを考えると大変だ。



「さて、市長に何て言おうか…」


「そうですよね…」


 僕達はもう、このトカゲを殺そうとは思っていなかった。

 いや、思えなかったという方が正確だろう。

 このトカゲは家を取られ、新しい家を探していただけなのだから。



『はぁ!?あのトカゲを飼うぅ!?正気かい君達!?』


「はい。もちろん正気ですよ」


「それに、もう僕達にも馴れましたし…」


『……っ!な、馴れた?』


「はい。すごく懐いていますよ」


『………ふ……………ふ…ふ…………ふふふ………ふ…』


 懐いていると聞いた瞬間、市長が笑い出した。


『ふふふふ…ふふぁあーっはっはっはっはっはっ!』


「一体どうしたのですか?」


 いきなりの出来事に桜も付いていけていない。


『馴れた!馴れただと!あのトカゲが!!良いね!良いね君達!』


「は、はぁ」


 そんなにすごいことなのだろうか?


『まぁ…うん……。良いか』


「………?何がですか?」


『だから、そのトカゲ飼っても良いよ』


 ただし、他の人に迷惑をかけないという条件付きで。


「本当ですか!?ありがとうございました!」


 良かった。なんとか問題解決だな…



 ここで僕達は気付くべきだったのかもしれない。必ず近くにはこのトカゲを襲った奴がいるということに。

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