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第七十一話:究極のコシ抜けうどん! 伊勢路の癒やしと漆黒のタレ!

 ――カオス・パーティーを乗せた『源内アパッチ』は、愛知県から伊勢湾を抜け、三重県・伊勢市へと到着していた。

「わぁ〜! おかげ横丁、レトロで活気があってすごくいい雰囲気!」

 前田○子が、チェックの衣装で石畳の参道を軽やかに歩く。

「キュルルッ! お伊勢参りの後は、やっぱり地元の名物でお腹を満たすっすよ! ここには旅人の疲れた胃腸を癒やす、究極のファストフードがあるっす!」

 カピバラ・タナカが短い前足を叩いて意気込む。

「……私の長すぎる髪から漂う、前回の八丁味噌の匂いが、お香の香りと混ざってえらいことになっています」

 スーパー戦国人参(膝まで届く黄金の長髪・眉毛なし)の宗次郎は、ハエが寄ってくる黄金の髪を払いながら、げっそりとした顔で歩いていた。

 ◆◆◆

 一行が暖簾をくぐったのは、伊勢神宮の参道に店を構える老舗うどん屋『麺魂めんたま・お伊勢さん』。

「ようお参りでした! 長旅の疲れには、うちの『伊勢うどん』が一番やに!」

 割烹着姿の看板娘、伊勢いすずが、極太でフワフワの麺に、たまり醤油をベースにした漆黒の濃厚なタレ(ツユではない)を絡めた一杯を運んできた。

「キュルルッ! 一時間以上茹で上げた、徹底的に『コシ』をなくした極太麺っすね! タナカ特製・伊勢湾の極上アゴ出汁と本みりんをブレンドした特製漆黒ダレで、カドのないまろやかな甘みをブーストさせるっすよ!」

 カピバラ・タナカが短い手足でネギを散らし、完璧な伊勢うどんを完成させる。

 その熱々の伊勢うどんを一口食べた宗次郎の全身から、青白いスパークが弾ける!

「……ッ!! 歯を立てる必要すらない、赤ん坊の頬のような圧倒的な柔らかさ! 極太の麺が漆黒のタレをたっぷりと吸い込み、口の中で優しく溶けていく……! 胃腸はもちろん、私のデリケートな肛門に一切の負担をかけない、これぞ究極のヒーリング・ヌードルッ!!」

 しかし、そのほっこりとした癒やしの空間を、ゴム紐を弾くような「バチィィン!」という鋭い音が切り裂いた。

「フハハハッ! そんなフニャフニャのコシ抜け麺など、たるみきった組織の象徴! メガバンクの社員には、常に張り詰めた『テンション(コシ)』が必要だ!」

【伊勢の超・弾力支店長!キャラクター詳細設定】

◆ 藤堂とうどう 高虎たかとら

キャラ: 『豊臣メガバンク三重支店長 / 超・アルデンテ&コシ至上主義バンカー』風。

「麺にも企業にも、噛みちぎれないほどの強烈な弾力コシが不可欠!」と信じる、転職の多い苦労人バンカー。常にゴムチューブで筋トレをしている。「このフニャフニャの伝統食も、すべてメガバンク特製『噛むのにアゴが外れる超硬質ゴムうどん』に置き換えてやる!」と豪語する。

愛機(武器): 『絡繰・絶対弾力ローラー(からくり・テンション・プレス)』。あらゆるものを極限まで引き伸ばし、強烈な張力と弾力を持たせる恐るべき製麺重機。

口癖: 「コシが足りん!」「たるんでるぞ!」「テンションを上げろ!」

「藤堂……! 旅人を癒やすためのこの柔らかさを『たるみ』だなんて、伊勢の思いやりをバカにする気か!」

 いすずが、うどんの湯切り網を構えて立ちはだかる。

「ヒャハハ! なら俺の『アゴ粉砕・張力マックス・ゴムうどん』と勝負だ! 俺が勝ったら、この店を俺のスパルタ弾力トレーニングジムにしてやる!」

「……待つっす。うどんの本当の『包容力』を、俺が教えてやるっすよ」

 カピバラ・タナカが前に出た!

「なんだそのコシのないフニャフニャのネズミは! 張り合いがない! まとめて弾力ローラーで引き伸ばしてやる!!」

 藤堂が製麺重機を起動させたその時!

 前田○子が、たまり醤油の甘い香りが舞う中で飛び出した!

「私の仲間をフニャフニャのコシ抜け扱いしないで!!……タナカのことは嫌いでも、私のことは嫌いにならないでくださいッ!!」

「出たぁぁぁっ! どんな強烈なテンションの敵にもブレない、絶対的センターの癒やしの叫び!!」

 クリノジが、温かいうどんをすすりながら拍手喝采を送る。

「いくっすよ! タナカ特製・黄金の究極コシ抜け・極上伊勢うどんっす!!」

 タナカが、うどんの概念を覆すほどの限界の柔らかさと、出汁の旨味を完璧に両立させた一杯を完成させる!

 一口食べた藤堂のゴムチューブが、プツンと音を立てて千切れた。

「……ッ!? な、なんだこの全身の力が抜けていくような圧倒的な優しさは!? 常に気を張り詰め、コシと弾力ばかりを求めていた俺の疲れたバンカー人生を、この『圧倒的脱力感』が包み込んでくれる……! 俺のゴムうどんには、この『許し』がないというのかァァ!?」

 藤堂は膝から崩れ落ちた。モフモフのカピバラとトップアイドルが、冷徹なコシ至上主義を論破したのだ。

「え、ええい! 食の勝敗は認めるが、お前たちを始末する業務命令は別だ! 引き伸ばせ、『絡繰・絶対弾力ローラー』!!」

 藤堂が叫ぶと、巨大なローラー重機が轟音を立てて突進してきた!

「……やれやれ。タナカさんの究極の癒やしを、無理やり引き伸ばすのは許せませんね」

 宗次郎が立ち上がる。膝まである長い髪が揺れ、眉毛のない顔が鋭く藤堂を睨みつける!

「行きますよ……。スーパー戦国人参の、コシの抜けた相手にも容赦しない圧倒的パワー!」

 宗次郎は、迫り来る巨大ローラーに対し、参道の石畳を滑るように低空で突進!

「低空・黄金ドロップキックッ!!」

 ドゴォォォォォォォンッ!!

 重機の強力な弾力ローラーが、宗次郎の一撃で粉々に砕け散る!

「な、なんだと!? 張力マックスのローラーが……!!」

 バランスを崩した藤堂に向かって、宗次郎の黄金の膝が光り輝く!

「トドメです。閃光・黄金魔術シャイニング・ウィザードォォォォォォォッ!!」

 ガッシャァァァァァァァンッ!!!

 宗次郎の膝が、藤堂の顔面を完璧に捉えた。

 弾力の野望は霧散し、藤堂は「たまには休むぞぉぉ!」と叫びながら五十鈴川の方向へ美しい弧を描いて吹っ飛んでいった。

「……これが、真の癒やしです」

 宗次郎は静かに着地した。

 しかし、振り乱した長髪の毛先が、今度はべっとりと伊勢うどんの漆黒のタレ壺に浸かってしまっていた。

「ああっ……! 八丁味噌の匂いの上に、今度は濃厚なたまり醤油の匂いが……!! 私の髪が、完全に中部地方の調味料置き場になっています!!」

 平和を取り戻したお伊勢さんの参道。

 宗次郎(髪から味噌とたまり醤油のハイブリッドな匂いがする)、カピバラのタナカ、クリノジ、前田○子、そしていすずの五人が、鳥居を背に横一列に並ぶ。

「皆さん……極上の伊勢うどんと、胃腸への優しさに感謝を込めて。あのポーズで締めましょう!」

 宗次郎の合図で、五人は胸の前で愛の形を作った。(宗次郎の髪から真っ黒なタレがポタポタと落ちている)

「「「「「カオス・パーティー!! プロレス・ラァァァァブッ!!!!」」」」」

 伊勢の伝統の柔らかさを守り抜き、また一つ新たな匂い(たまり醤油)を髪の毛に宿した宗次郎。

 スーパー戦国人参の圧倒的パワーと、終わりの見えない寄り道を手に入れたカオス・パーティーの旅は、大坂城へと向けて(確実に)進んでいくのである!!

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