第七十話:黄金のシャチホコと極厚の愛! 尾張名古屋の味噌カツ大決戦!
――カオス・パーティーを乗せた『源内アパッチ』は、ついに天下人・秀吉の故郷でもある尾張の国、愛知県・名古屋市へと足を踏み入れていた。
「みゃーっ! 名古屋城の金のシャチホコ、でらピカピカだぎゃ!」
前田○子が、付け焼き刃のエセ名古屋弁でシャチホコと同じポーズ(海老反り)を決める。
「キュルルッ! 尾張名古屋は独自の食文化『なごやめし』の魔境っす! 濃い味好きのカピバラにとっては天国っすよ!」
カピバラ・タナカが短い前足で口の周りをペロリと舐める。
「……私の長すぎる髪が、シャチホコのように反り返って非常に首が疲れます」
スーパー戦国人参(膝まで届く黄金の長髪・眉毛なし)の宗次郎は、前回の浜名湖で一時的に取り戻したシリアスな気持ちをすっかり忘れ、重たい髪の毛を抱えて首をポキポキ鳴らしていた。
◆◆◆
一行が暖簾をくぐったのは、大須商店街の路地裏にある老舗とんかつ屋『豚魂・しゃちほこ』。
「いりゃあせ! 名古屋に来たなら、こってり甘辛い『味噌カツ』を食べてちょうよ!」
エビフライの髪飾りをつけた看板娘、尾張ういみが、揚げたての極厚とんかつに、ドロリとした漆黒の味噌ダレをたっぷりとかけて差し出した。
「キュルルッ! 八丁味噌をベースに、豚の旨味とザラメをじっくり煮込んだ特製ダレっすね! タナカ特製・衣に微量のチーズを練り込むことで、八丁味噌のコクと発酵食品同士の奇跡のシナジーを生み出すっすよ!」
カピバラ・タナカが短い手足で和辛子を添え、完璧な定食を完成させる。
その熱々の味噌カツを一口食べた宗次郎の全身から、青白いスパークが弾ける!
「……ッ!! ザクッとした衣を破ると、分厚い豚ロースから溢れ出す圧倒的な肉汁! そしてそれを迎え撃つ、八丁味噌の強烈で濃厚な甘辛さ! このこってりとした旨味の重厚なコーティングが、私の肛門の守りを金城鉄壁にしてくれるッ!!」
しかし、その重厚な平和を、シュレッダーの刃が回転するような不快な音が切り裂いた。
「フハハハッ! そんな分厚い肉と大量の味噌など、原価率の無駄遣い! コスト削減の極みを知らぬ愚か者め!」
【名古屋の極限コストカッター支店長!キャラクター詳細設定】
◆ 柴田しばた 勝家かついえ
キャラ: 『豊臣メガバンク名古屋支店長 / 極限コストカット至上主義バンカー』風。
「利益は経費削減から生まれる!」と信じる、鬼のコストカッター。常に電卓を叩いている。「この無駄だらけの分厚いカツも、すべてメガバンク特製『原価率1%・紙ペラペラのハムカツ(味噌風味スプレー付き)』に置き換えてやる!」と豪語する。
愛機(武器): 『絡繰・原価粉砕ギロチン(からくり・コスト・カッター)』。予算も肉も、あらゆるものを極限まで薄くスライスする恐るべき巨大シュレッダー重機。
口癖: 「無駄を削れ!」「原価率を下げろ!」「そんな厚みは会社の損失だ!」
「柴田……! お客さんを笑顔にする分厚いお肉を『損失』だなんて、名古屋の心意気をバカにする気か!」
ういみが、巨大なキャベツの千切り器を構えて立ちはだかる。
「ヒャハハ! なら俺の『利益率99%・透けるほど薄いハムカツ』と勝負だ! 俺が勝ったら、この店を俺のペラペラ立ち食いチェーンにしてやる!」
「……待つっす。とんかつの本当の『満足度(ROI)』を、俺が教えてやるっすよ」
カピバラ・タナカが前に出た!
「なんだその肉付きのいいネズミは! 削り甲斐がありそうだな! まとめてギロチンでペラペラのスライス肉にしてやる!!」
柴田が巨大シュレッダーを起動させたその時!
前田○子が、八丁味噌の香りが舞う中で飛び出した!
「私の仲間をスライス肉にしないで!!……タナカのことは嫌いでも、私のことは嫌いにならないでくださいッ!!」
「出たぁぁぁっ! コストカッターの電卓をも狂わせる、絶対的センターのプライスレスな叫び!!」
クリノジが、白飯を頬張りながら拍手喝采を送る。
「いくっすよ! タナカ特製・採算度外視・黄金の極厚リブロース味噌カツっす!!」
タナカが、噛んだ瞬間に肉汁で溺れそうになるほどの圧倒的な厚みと愛情を込めた、究極の味噌カツを完成させる!
一口食べた柴田の電卓が、計算を放棄してショートした。
「……ッ!? な、なんだこの歯を押し返すような弾力と、満ち足りた幸福感は!? 利益率ばかりを追い求めていた俺のペラペラなハムカツには、この『食後の圧倒的な満足感』がないというのかァァ!?」
柴田は膝から崩れ落ちた。モフモフのカピバラとトップアイドルが、冷徹なコストカット至上主義を論破したのだ。
「え、ええい! 食の勝敗は認めるが、お前たちを始末する業務命令は別だ! 削り潰せ、『絡繰・原価粉砕ギロチン』!!」
柴田が叫ぶと、巨大な刃の回転体が轟音を立てて突進してきた!
「……やれやれ。タナカさんの分厚い愛情を、薄っぺらい刃で刻むのは許せませんね」
宗次郎が立ち上がる。膝まである長い髪が揺れ、眉毛のない顔が鋭く柴田を睨みつける!
「行きますよ……。スーパー戦国人参の、原価計算不可能な圧倒的パワー!」
宗次郎は、迫り来る巨大シュレッダーに対し、商店街の石畳を滑るように低空で突進!
「低空・黄金ドロップキックッ!!」
ドゴォォォォォォォンッ!!
シュレッダーの回転刃が、宗次郎の一撃で粉々に砕け散る!
「な、なんだと!? 特注のコストカッター刃が……!!」
バランスを崩した柴田に向かって、宗次郎の黄金の膝が光り輝く!
「トドメです。閃光・黄金魔術ォォォォォォォッ!!」
ガッシャァァァァァァァンッ!!!
宗次郎の膝が、柴田の顔面を完璧に捉えた。
コスト削減の野望は霧散し、柴田は「利益がぁぁ!」と叫びながらテレビ塔の方向へ美しい弧を描いて吹っ飛んでいった。
「……これが、厚みのある人生です」
宗次郎は静かに着地した。
しかし、振り乱した長髪の毛先が、今度はべっとりと濃厚な八丁味噌のタレ壺に浸かってしまっていた。
「ああっ……! 豚骨の匂いが取れたと思ったら、今度は味噌の強烈な匂いが……!!」
平和を取り戻した大須の路地裏。
宗次郎(髪から甘辛い味噌の匂いがする)、カピバラのタナカ、クリノジ、前田○子、そしてういみの五人が、名古屋城を背に横一列に並ぶ。
「皆さん……極上の極厚味噌カツと、採算度外視の旅に感謝を込めて。あのポーズで締めましょう!」
宗次郎の合図で、五人は胸の前で愛の形を作った。(宗次郎の髪から濃厚な味噌ダレがポタポタと落ちている)
「「「「「カオス・パーティー!! プロレス・ラァァァァブッ!!!!」」」」」
尾張名古屋の分厚い食文化を守り抜き、また一つ新たな匂い(味噌)を髪の毛に宿した宗次郎。
スーパー戦国人参の圧倒的パワーと、終わりの見えない寄り道を手に入れたカオス・パーティーの旅は、大坂城へと向けて(少しずつ)進んでいくのである!!




