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第六十二話:検索不能の美味! IT本社の無料食堂と野生のスパイス!

 ――きんたま星を後にした宇宙船『源内アパッチ』が空間跳躍の果てに不時着したのは、アメリカ合衆国カリフォルニア州マウンテンビュー。

 まさかの、泣く子も黙る世界的巨大IT企業**『Google本社グーグルプレックス』**の広大な中庭であった。

「つ、ついに実在の超巨大企業に来ちゃいましたよ! また偉い背広の人たちに怒られますってば!!」

 クリノジが、カラフルな自転車グーグル・バイクが行き交うキャンパスを見て絶叫する。

「キュルルッ! 許諾関係は著者の自己責任っす! それより、ここの名物といえば世界最高峰の『無料食堂カフェテリア』っすよ! 食べ放題っす!」

 カピバラ・タナカが短い前足をバタバタさせて喜んでいる。

「わぁ〜! キャンパスもカラフルで写真映えしそう! ログイン画面の前で自撮りしちゃおっと!」

 前田○子が、チェックの衣装でITエンジニアたちに笑顔を振りまく。

「……Wi-Fiの電波が強すぎて、私の髪が静電気でえらいことになっています」

 スーパー戦国人参(膝まで届く黄金の長髪・眉毛なし)の宗次郎は、アンテナのように広がる髪を持て余していた。

 ◆◆◆

 一行が潜入したのは、世界中のグルメが集結する本社内の巨大カフェテリア。

「Welcome! 頭脳労働には糖分とスパイスが必要よ! うちの『検索トップ・オーガニックカレー』を食べていきなさい!」

 グーグルカラーのエプロンを着た看板娘、マウンテンビュー・ググ美が、彩り鮮やかなスパイスカレーを差し出した。

「キュルルッ! 世界中の社員のビッグデータを解析した、完璧な栄養バランスと黄金比率のスパイス配合っすね! でも、そこにタナカ特製・データには存在しない『野生のカピバラの勘』で調合したガラムマサラを投入して、アルゴリズムをバグらせるっすよ!」

 タナカが短い手足でフライパンをあおり、検索エンジンでは決してヒットしない未知の香りを生み出す!

 その熱々のカレーを一口食べた宗次郎の全身から、青白いスパークが弾ける!

「……ッ!! スパイスの複雑な演算処理が、私の舌の上で完璧なアンサーを弾き出している! デジタルな計算と野生の直感が融合し、私の荒ぶる肛門のキャッシュ(疲労)も完全にクリアされましたッ!!」

 しかし、その完璧な検索結果カレーを、無機質なアラート音が遮った。

「フハハハッ! そんな野生の勘に頼った不確定なカレーなど、我がメガバンクの最適化アルゴリズムには不要だ!」

【シリコンバレーのSEO支店長!キャラクター詳細設定】

◆ 加藤かとう 清正きよまさ

キャラ: 『豊臣メガバンク・シリコンバレー支店長 / SEO(検索エンジン最適化)至上主義バンカー』風。

「すべては検索順位1位を取るためにある!」と信じる男。虎の毛皮をあしらったスマートグラスを着用している。「この本社の食堂も、すべてメガバンク特製『インプレッション稼ぎのハリボテ定食』に最適化してやる!」と豪語する。

愛機(武器): 『絡繰・検索圏外からくり・ペナルティ・ドロップ』。相手を「価値のないスパムサイト」と認定し、空から巨大な圏外ブロックを落として社会的に抹殺する恐るべき重機。

口癖: 「検索順位を上げろ!」「貴様はスパムだ!」「アルゴリズムにひれ伏せ!」

「加藤……! 社員の健康を支えるオーガニックカレーを、ハリボテにするなんて許さないわ! T・O・S(利用規約)違反よ!」

 ググ美が、巨大なしゃもじを構えて立ちはだかる。

「ヒャハハ! なら俺の『SEO完全対策・見た目だけ100点ゼリー』と勝負だ! 俺が勝ったら、この食堂の検索順位を最下位にしてやる!」

「……待つっす。食の本当の『ユーザー体験(UX)』を、俺が教えてやるっすよ」

 カピバラ・タナカが前に出た!

「なんだそのスパムみたいなネズミは! 検索意図からズレている! まとめて圏外ブロックで押し潰してやる!!」

 加藤がスマートグラスを操作したその時!

 前田○子が、カメラ目線でタナカの前に飛び出した!

「私の仲間をスパム扱いしないで!!……タナカのことは嫌いでも、私のことは嫌いにならないでくださいッ!!」

「出たぁぁぁっ! シリコンバレーの中心で叫ぶ、絶対的センターのキラーフレーズ!!」

 クリノジが、ノートパソコンを開くエンジニアたちの横で拍手喝采を送る。

「いくっすよ! タナカ特製・黄金のユーザーファースト・極上カツカレーっす!!」

 タナカが、データと野生の勘を極限まで融合させた、見るからに食欲をそそる圧倒的なカレーを完成させる!

 一口食べた加藤のスマートグラスが、バグを起こしてヒビ割れた。

「……ッ!? な、なんだこの五感に直接訴えかける圧倒的な美味さは!? 検索順位や見た目だけを最適化した俺のゼリーには、この『心を満たす真のコンテンツ力』がないというのかァァ!?」

 加藤は膝から崩れ落ちた。モフモフのカピバラとトップアイドルが、冷徹なSEO至上主義を論破したのだ。

「え、ええい! こうなれば物理的にアカウントバンしてやる! 落ちろ、『絡繰・検索圏外』!!」

 加藤が叫ぶと、上空から巨大な鉄のブロックが轟音を立てて落下してきた!

「……やれやれ。タナカさんの極上カレーを圏外に飛ばすのは、ガイドライン違反ですね」

 宗次郎が立ち上がる。膝まである長い髪がWi-Fiの電波でさらにブワァァッと広がり、眉毛のない顔が鋭く加藤を睨みつける!

「行きますよ……。スーパー戦国人参の、アルゴリズムを超越したパワー!」

 宗次郎は、落下してくる巨大ブロックに対し、カフェテリアの床を滑るように低空で突進!

「低空・黄金ドロップキックッ!!」

 ドゴォォォォォォォンッ!!

 数トンのブロックが、宗次郎の一撃で粉々に砕け散り、スパム判定ごと吹き飛んでいく!

「な、なんだと!? 俺のペナルティ攻撃が……!!」

 バランスを崩した加藤に向かって、宗次郎の黄金の膝が光り輝く!

「トドメです。閃光・黄金魔術シャイニング・ウィザードォォォォォォォッ!!」

 ガッシャァァァァァァァンッ!!!

 宗次郎の膝が、加藤の顔面を完璧に捉えた。

 SEOの野望は霧散し、加藤は「検索結果から削除されましたァァ!」と叫びながらキャンパスの彼方へ吹っ飛んでいった。

「……これが、真のユーザー体験です」

 宗次郎は静かに着地した。

 平和を取り戻した巨大IT本社のカフェテリア。

 宗次郎、カピバラのタナカ、クリノジ、前田○子、そしてググ美の五人が、色鮮やかなグーグルのロゴを背に横一列に並ぶ。

「皆さん……極上のオーガニックカレーと、世界一の検索エンジンに感謝を込めて。あのポーズで締めましょう!」

 宗次郎の合図で、五人は胸の前で愛の形を作った。

「「「「「カオス・パーティー!! プロレス・ラァァァァブッ!!!!」」」」」

 世界的IT企業の懐に飛び込み、無事に怒られることなく(?)勝利を収めた一行。

 スーパー戦国人参の圧倒的パワーと、あらゆる場所に出没する自由を手に入れたカオス・パーティーの全100話の旅は、いよいよ終盤の気配を微塵も感じさせないまま続くのである!!

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