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第五十五話:裏切りのみたらし団子! 黄金の首飾りと「淀殿」の誕生!

 ――いよいよ決戦の地・大阪を目前に控えた、滋賀県・琵琶湖畔の峠の茶屋。

 カオス・パーティーの面々は、長い旅の疲れを癒やすため、名物の『近江みたらし団子』で一服していた。

「キュルルッ。炭火の火加減が絶妙っす。タナカ特製・黄金の利尻昆布ブレンド甘辛醤油ダレをたっぷり絡めるっすよ」

 カピバラの姿になったタナカが、短い前足で器用に団子を焼いている。

「はぁ〜、美味しいですぅ……。宗次郎さん、お尻の調子はどうですか?」

 クリノジが団子を頬張りながら尋ねる。

「ええ。ドラゴンスクリューを多用しているおかげで、ドーナツクッションの座り心地も最高です」

 宗次郎はお茶をすすりながら、静かに微笑んだ。

「オーホッホッホ! 平和ですわねぇ……。でも、なんだか最近、華が足りませんわ。金銀財宝とか、ゴージャスなイケメンとか……」

 カトリーヌが、少し退屈そうに扇子を扇いだその時だった。

 ――ズズズズズッ!!

 突然、茶屋の前の空間が歪み、純金で装飾されたド派手なホバー・リムジンが姿を現した。

「な、なんすかあの悪趣味な車は!?」

 カピバラ・タナカが毛を逆立てる。

 リムジンのドアが開き、レッドカーペットの上に降り立ったのは……全身を高級ブランドのスーツで固め、首には『直径5センチはある純金製の極太チェーンネックレス』をぶら下げた、ちょび髭の男だった。

「ヒャッハッハ! 琵琶湖の景色も悪くねぇが、メガバンクのリゾート施設にするにはちょっと田舎くせぇな!」

 豊臣メガバンクの絶対的総帥にして、すべての黒幕――豊臣秀吉、その人であった!

 その後ろには、冷徹な目つきでタブレットを操作する最高幹部、石田三成が控えている。

「と、豊臣秀吉ッ!! なぜ総帥が自らこんな所に!」

 宗次郎が立ち上がり、黄金のオーラを放とうとする。

 しかし、それよりも早く動いた者がいた。

 カトリーヌである。

「オ……オー……」

 カトリーヌは、秀吉の首元でギラギラと輝く『純金の極太ネックレス』から目を離せなくなっていた。その両目は完全に『¥(円)』のマークになっている。

「オー……マーベラスッ!! なんですのあの眩いばかりの純金! そして溢れ出る権力と財力!! 痔持ちの侍やカピバラと一緒にいるより、絶対にあっちの方が勝ち組ですわ!!」

 タッタッタッ!

 カトリーヌは、一切の躊躇なく宗次郎たちに背を向け、秀吉の足元にスライディングでひざまずいた。

「えっ……カ、カトリーヌさん!?」

 クリノジが目を剥く。

「初めまして、偉大なる総帥様! わたくし、今日からあなたの専属メイド……いえ、『側室』として生きていくことを決めましたわ! 貧乏旅はもうウンザリですの! わたくしのことは、今日から『淀殿よどどの』とお呼びになって!」

 なんとカトリーヌは、純金に目が眩み、光の速さでカオス・パーティーを裏切ったのだ!

「カトリーヌ! お前、正気っすか!?」

 カピバラ・タナカが叫ぶが、カトリーヌ(淀殿)は「フンッ」と鼻で笑った。

「オーホッホッホ! 負け犬の遠吠えですわね! これからは、わたくしがひでちゃんの隣で、あなたたちがボコボコにされるのを優雅に『解説』して差し上げますわ!」

「ひでちゃん……!?」

 秀吉の後ろにいた石田三成が、ピクッと眉をひそめた。

「ちょっと三成さん、タブレットでわたくしたちのハワイ旅行の手配をお願いね! ねっ、ひでちゃん♡」

 カトリーヌが秀吉の腕に豊満な胸を押し付ける。

「オイ、貴様!! 絶対的総帥を『ひでちゃん』などと気安く呼ぶな!! 落ち目の昭和のマルチタレントじゃないんだぞ、やめろ!!」

 三成が猛烈なツッコミを入れる。

「あら、嫉妬ですの? 三成さんって、怒った顔もインテリメガネでセクシーですわね。……ふふっ、ひでちゃんには内緒で、あとで二人きりで『いい感じ』の打ち合わせでもしましょうか? ゆくゆくは可愛い跡取り(秀頼)でも作っちゃったりして♡」

 カトリーヌが三成に意味深なウインクを飛ばす。

「な、ななな、何をふしだらなことをッ!! 私は総帥に忠誠を誓って……ッ!!(カァァァッ)」

 三成は顔を真っ赤にして、タブレットで必死に顔を隠した。歴史の闇に隠された「秀頼=三成の子説」の伏線が、こんなドサクサで張られてしまった。

「ヒャッハッハ! いいじゃねぇか、賑やかな女だ! 気に入ったぜ淀殿! さあ、俺は忙しいんでな。宗次郎の相手は『アイツ』に任せて帰るぜ!」

 秀吉が指を鳴らすと、上空から凄まじい「闘気」を持った影が降ってきた。

 ズドォォォォォォォォォンッ!!!

 土煙が晴れた後に立っていたのは、全身を真紅の甲冑「赤揃え」で包んだ、逆立ち髪のエリート武将。

 豊臣の誇る最高位のエリート監査官、井伊直政であった!

「フン……待たせたな、宗次郎。この『エリート』である俺様が、直々に相手をしてやる……! 三成の策に漏れて生き延びたかと思えば、カピバラなどと傷を舐め合っているとは。相変わらず下級戦士のやることは理解できん」

 直政が不敵な笑みを浮かべ、圧倒的なプレッシャーを放つ。

「ああっ! 淀殿解説ですわ! あの赤揃えの男、井伊直政様! 彼の戦闘力とエリートとしてのプライドは桁違いですわ! 宗次郎、あなたじゃ絶対に勝てませんわよ!!」

 さっそく秀吉の横に陣取った淀殿が、これ見よがしに敵側の『解説』を始めた!

「……井伊直政。まさかあなたが再び立ち塞がるとは」

 宗次郎が立ち上がり、黄金のオーラを練り上げる。

 パーティーの頭脳(?)であるカトリーヌの裏切り。

 秀吉と三成の愛憎劇。

 そして、ついに帰ってきた最強のエリートライバル・直政。

 琵琶湖畔を舞台にした、因縁の激闘が今、幕を開ける!!

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