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第五十四話:読者への露骨な媚び! 群馬の秘境とモフモフの料理人!

 ――関東地方の奥地、神々の住まう秘境と呼ばれる群馬県。

 タナカが操縦する『源内アパッチ』から降り立ったカオス・パーティーの面々だったが、クリノジとカトリーヌは、目の前の光景に絶句していた。

「タ、タナカさん……!? あなた、その体……どうしちゃったんですの!?」

「キュルル……何かおかしいっすか?」

 そこに立っていたのは、いつもの無精髭の成人男性ではない。

 体長1メートルほど。ずんぐりむっくりとした茶色いフォルム。つぶらな瞳。首にはトレードマークのエプロン。

 タナカは、**『二足歩行するモフモフの巨大カピバラ』**に姿を変えていた。

「どうしたもこうしたもないっすよ! 完全な動物じゃないですか!!」

 クリノジがパニックを起こす。

「……フッ。驚かせて悪かったっすね。実はさっき、作者から直接脳内に通信があったっす」

 カピバラ・タナカは、短い前足で器用に腕組み(?)をした。

「『ただの成人男性が料理をしていても、読者層が広がらない。ここはトレンドに乗って、女性人気とぬいぐるみ化(グッズ展開)を狙えるあざといマスコット動物に姿を変えろ。スライムは二番煎じだからカピバラでいけ』……だそうっす」

「大人の都合を隠そうともしない!! 読者受けのためだけに、個人の遺伝子情報を書き換えたんですの!?」

「というわけで、今日から俺は『異世界からの社畜カピバラ』っす。モフりたければ1回500円取るっすよ」

 カピバラ・タナカが、鼻をヒクヒクさせながらドヤ顔をする。

「……まあ、お尻に優しいモフモフ感なら、私は歓迎しますよ」

 ドーナツクッションを腰に巻いた宗次郎だけは、タナカの頭を優しく撫でていた。

 ◆◆◆

 一行が群馬の山道を歩いていると、甘じょっぱい味噌の焦げる香ばしい匂いが漂ってきた。

 案内されたのは、名物『焼きまんじゅう』の老舗屋台だった。

「いらっしゃい! 群馬のソウルフード、焼きまんじゅうだよ!」

 割烹着を着た上州娘、群馬からっからっかぜが、竹串に刺さった巨大なふわふわの素まんじゅうに、刷毛でたっぷりと味噌ダレを塗り、炭火で焼いていた。

「おおっ! カピバラの嗅覚が刺激されるっす! 外はカリッと、中はフワフワのパンのような食感! 焦げた甘辛味噌の香りがたまらないっすね!」

 タナカが短い手足をパタパタさせて喜ぶ。

 熱々の焼きまんじゅうを一口食べた宗次郎の全身から、黄金のオーラが立ち昇る。

「……ッ!! 濃厚な味噌ダレが、噛むほどに小麦の甘みと混ざり合う! この素朴で力強い味わいこそ、上州のからっ風に耐える人々のエネルギー源ですね!」

 しかし、そのほっこりとした時間は、重機のような地響きに破られた。

「フハハハ! そんなパサパサした饅頭を食っているから、群馬は未開の地と呼ばれるのだ!」

【関東の汁だく支店長!キャラクター詳細設定】

◆ 北条ほうじょう 氏政うじまさ

キャラ: 『豊臣メガバンク群馬支店長 / 汁かけご飯至上主義バンカー』風。

「食事は汁をかけて流し込むのが一番効率的」と信じて疑わない男。常に頭に汁鉢を被っている。「パサパサした食べ物は悪だ! すべての食文化を、メガバンク特製『ドロドロ栄養スープ』に沈めてやる!」と豪語する。

愛機(武器): 『絡繰・汁掛高圧放水砲からくり・スープ・スプラッシュ』。背負った巨大なタンクから、熱々のドロドロスープを高圧で噴射し、相手をドロドロにふやかす。

口癖: 「汁が足りんな!」「二度も汁をかけさせるな!」「流動食こそ完全なビジネスモデルだ!」

「北条……! 焼きまんじゅうの香ばしさを、ドロドロのスープで台無しにする気かい! 絶対に許さないよ!」

 からっ風ちゃんが、炭火のトングを構える。

「ヒャハハ! ならば俺の『完全流動・フレンチポタージュ・マンジュウ』と勝負だ! 俺が勝てば、この屋台もスープの池に沈めてやる!」

「……待つっす。焼きまんじゅうの本当の『香ばしさ(クリスピー)』を、俺が教えてやるっすよ」

 カピバラ・タナカが、短い前足でマイ包丁をシャキンッと構えて前に出た!

「いくっすよ! 秘伝の味噌ダレと、最高級ハチミツのキャラメリゼ! タナカ特製・黄金の焼きまんじゅう・カピバラ風っす!!」

 タナカの短い前足が残像を生むほどの速度で動き、一瞬にして完璧な照りと焦げ目を持つ究極の焼きまんじゅうが完成する! (どうやって調理しているのかは完全に物理法則を無視している)。

 その一口を食べた氏政は、目を見開いた。

「……ッ!? な、なんだこのカリフワ感は!? 汁などかけなくても、口の中で唾液とハチミツ味噌が完璧なスープを形成している……! 俺の流動食理論が、カピバラの料理に論破されただとォ!?」

 氏政は膝から崩れ落ちた。モフモフの料理人が、汁だく至上主義を粉砕したのだ。

「ええい! こうなれば高圧スープで更地にしてやる! 出ろ、『戦闘絡繰・メカ汁掛ケダルマ』!!」

 氏政が叫ぶと、巨大なダルマ型のロボットが、口からドロドロのスープを垂らしながら現れた!

「……やれやれ。タナカさんの素晴らしい料理を水浸しにするのは、許せませんね」

 宗次郎が立ち上がり、黄金のオーラが爆発する! スーパー戦国人弐への覚醒!

「行きますよ……。私のお尻の平和を守るため、重力を味方につけます!」

 宗次郎は、迫り来る巨大ダルマロボの足元へ、地を這うようなスライディング!

「黄金・大竜巻旋回ドラゴンスクリューッ!!」

 ギュガガガガガッ!!

 宗次郎がロボの巨大な脚部を捻り上げると、ダルマロボは無様に回転して地面に倒れ込んだ!

「トドメです。関節を極め、戦意(と機動力)を完全に奪う!」

 宗次郎がロボの脚を複雑にロックする!

「黄金・足四の字固め(ゴールド・フィギュアフォー・レッグロック)ォォッ!!」

 メキメキメキッ!!!

「ギ、ギブアップ! スープが漏れるゥゥゥ!!」

 関節の破壊音と共に、氏政はたまらず白旗を上げた。

 お尻への負担ゼロ。宗次郎はまたしても、涼しい顔で座りながら完全勝利を収めたのである。

 平和を取り戻した群馬の屋台。

 宗次郎、カトリーヌ、クリノジ、からっ風ちゃん、そして**一人だけ世界観から浮いているカピバラ(タナカ)**が、横一列に並ぶ。

「皆さん……素晴らしい勝利と、新しい仲間の姿に感謝を込めて。あのポーズで締めましょう!」

 宗次郎の合図で、五人は胸の前で愛の形を作った。(タナカは短い手で一生懸命ハートを作っている)

「「「「「カオス・パーティー!! プロレス・ラァァァァブッ!!!!(キュルルッ!)」」」」」

 大人の都合で突如マスコット枠へと転生したタナカの加入により、物語はさらにカオスな方向へと加速する!

 新たな必殺技とモフモフを手に入れた一行の旅は、まだまだ続くのであった!!

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