第五十三話:不屈のカムバック! 房総ピーナッツの絆と、衝撃の「お尻に優しい」新必殺技!
――都内某所、神堂宗次郎・復帰記者会見場。
会場を埋め尽くした瓦版記者たちの前に、神堂宗次郎がゆっくりと姿を現した。トレードマークの袴を正し、深く、長く頭を下げる。
「この度は……私の極めて個人的な不徳、すなわち『切れ痔』により、多くの読者の皆様、並びに仲間の皆様に多大なるご心配とご迷惑をおかけしました。心より、深くお詫び申し上げます」
フラッシュの嵐の中、宗次郎はハンカチで目元を拭った。
「入院生活の中で、自分の尻の脆さと向き合い、罪の重さを噛み締めてまいりました。これからは、失った信頼と……肛門の健康を一日ずつ取り戻していく決意です。一歩ずつ、這いつくばってでも、真っ当な剣術指南役の道を歩んでいきたい……。本当に、本当に申し訳ありませんでした!!」
某伝説の歌姫を彷彿とさせる、涙ながらの更生宣言。会場からは「宗次郎、待ってたぞ!」「お尻を大事にな!」という温かい声援(?)が飛んだ。
◆◆◆
――千葉県・房総半島。
宗次郎の復帰第一戦の舞台は、海風と落花生の香りが漂う千葉県である。
「オーホッホッホ! 宗次郎さん、そのドーナツクッション、意外とお似合いですわよ!」
カトリーヌが、腰にクッションを装着した宗次郎を見て笑う。
「笑わないでください。これが今の私の生命線なんです」
一行が訪れたのは、落花生畑の真ん中にある古民家食堂『落花魂・ピーナ』。
「いらっしゃい! うちの『ピーナッツ味噌和え』を食べたら、どんな病気も吹っ飛ぶけぇね!」
落花生の形をした帽子をかぶった看板娘、千葉らっかが、香ばしく煎りたての落花生を差し出した。
「おおっ! 濃厚なコク、カリッとした食感! この甘辛い味噌とのマリアージュ……豆類の王様っすね!」
タナカが興奮気味に、落花生を殻ごと食べる勢いで頬張る。
らっかが作った『特製ピーナッツづくし御膳』を一口食べた瞬間、宗次郎の全身から黄金のオーラが(少し控えめに)立ち昇った。
「……ッ!! この濃厚な脂質が、疲弊した私の腸内環境を整えていく! ピーナッツの栄養が、全身の細胞を、そして患部を優しく包み込むようです!」
しかし、その感動をぶち壊すように、ギラギラした金のチェーンを首に巻いた男が現れた。
「ヒャハハ! 相変わらず地味な豆を食ってんなぁ! 時代はピーナッツバターの海に溺れるドライブイン・カジノよ!!」
【千葉の成り上がり支店長!キャラクター詳細設定】
◆ 千葉ちば 邦常くにつね(千葉氏の超マニアックな一族)
キャラ: 『豊臣メガバンク千葉支店長 / 成り上がりヤンキー・バンカー』風。
「千葉の英雄は俺だ!」と勘違いしている二代目ヤンキー風の男。派手な改造ホバー特攻服を着ている。「伝統の落花生なんて、全部バターにして輸出してやるぜ!」と、地元の農家を脅している。
愛機(武器): 『絡繰・超高速バター攪拌機』。巨大なミキサーがついたランス。相手を突き刺し、高速回転でバター状に粉砕しようとする。
口癖: 「気合入れろや、コラァ!」「ピーナッツの殻ごと飲み込ませてやるぜ!」「俺のバターになれ!」
「千葉……! 伝統の落花生をバカにするな! らっかちゃんの畑は渡さない!」
宗次郎が立ち上がろうとするが、タナカがそれを制した。
「……宗次郎さんはまだ病み上がりっす。ここは、俺の『究極の豆料理』で黙らせるっすよ」
タナカが、いつの間にかパティシエ風の服で前に出た!
「いくっすよ! 千葉産落花生と、フランス産最高級カカオのデストロイ・マリアージュ! タナカ特製・黄金のピーナッツ・ショコラっす!!」
タナカが作り上げた、宝石のように輝くチョコを一口食べた邦常は、目を見開いた。
「……ッ!? な、なんだこの気品は!? 荒くれ者の俺の心が、まるで高級ホテルのラウンジにいるような静寂に包まれていく……! 暴走したい心が、甘いバターに溶かされていくようだぁぁ!!」
邦常はガクガクと震えながら膝を突いた。タナカの甘美な技巧が、ヤンキーの魂を浄化したのだ。
「え、ええい! こうなれば強制排除だ! 出ろ、『戦闘絡繰・メカ落花生プレッシャー』!!」
邦常が叫ぶと、巨大な落花生の形をしたプレス機ロボが地響きを立てて現れた!
「……やれやれ。タナカさんの料理の静寂を壊すのは、万死に値しますね」
宗次郎がゆっくりと立ち上がる。黄金のオーラが爆発し、スーパー戦国人弐へ!
「行きますよ……。今の私は、以前の私とは違います。空を飛ぶ必要などない……重力と関節を支配する、新しい戦い方を見せましょう!」
宗次郎は、迫り来る巨大ロボの足元へ、スライディングで滑り込んだ!
「新技……黄金・大竜巻旋回ッ!!」
ギガガガガガッ!!
宗次郎がロボの巨大な脚を掴んで豪快に捻り上げると、数トンの巨体が悲鳴を上げて回転し、地面に叩きつけられた!
「トドメです。私の……お尻にも優しい、究極の極楽固め!!」
ダウンしたロボの脚を、宗次郎が複雑に絡め取る!
「黄金・足四の字固め(ゴールド・フィギュアフォー・レッグロック)ォォッ!!」
バキバキバキッ!!!
「ギ、ギブアップ! メカだけどギブアップだぜぇぇぇ!!」
ロボの関節が悲鳴を上げ、邦常は白旗を振った。
宗次郎は一切跳ぶことなく、どっしりと座り込んだまま勝利を収めたのである。
「ヒィィッ! 覚えてろよ、更生しやがってェェ!」
邦常は、壊れたメカを牽引しながら逃げ去っていった。
平和を取り戻した千葉の畑。
宗次郎、タナカ、カトリーヌ、クリノジ、そしてらっかの五人が、落花生の山を背にして並ぶ。
「皆さん……健康な体と、素晴らしい勝利に感謝を込めて。あのポーズで締めましょう!」
宗次郎の合図で、五人は胸の前で愛の形を作った。
「「「「「カオス・パーティー!! プロレス・ラァァァァブッ!!!!」」」」」
千葉でのカムバック戦を、新技で見事に制した宗次郎。
お尻への負担を最小限に抑えつつ、彼の解除キーを巡るグルメ旅は、再び力強く(しかし座り心地重視で)動き出すのであった!!




