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第二十八話:黒七味の覚醒と、黄金の指鉄砲(黄金の盾 vs 誠の風 編④)

京都・鞍馬山の奥深く。

 幻茶ばあさんの過酷な修行の末、神堂宗次郎はボロボロになりながらも、ついに広範囲に展開していた『黄金のオーラ』を指先一点に圧縮する感覚を掴みかけていた。

「……ハァ、ハァ……お師匠様、なんとか……形になってきました……」

 宗次郎の人差し指の先で、ビー玉ほどの大きさの黄金の闘気が、高密度でギリギリと音を立てている。

「ふん。まだまだヒヨッコじゃが、時間切れじゃ。下界を見ぃ」

 幻茶ばあさんがキセルで指し示した京都の街は、特務隊の黄金戦車と攻撃ヘリによって、火の海に包まれようとしていた。

「……っ!! 行かなければ!」

「待て。その未完成の闘気じゃ、あの分厚い装甲は撃ち抜けん。……これを持っていけ」

 幻茶ばあさんが差し出したのは、熱々の土鍋に入った京都名物『湯豆腐』。しかし、その上には真っ黒な粉末――京都特産の超激辛スパイス『特製・黒七味くろしちみ』が山のようにかけられていた。

「究極の圧縮には、究極の刺激スパイスが必要じゃ。それを食って、オーラを爆発させぃ!」

 ――京都・鴨川周辺。

「ヒャハハハ! 逃げ回るだけか、時代遅れの侍どもォ!」

 真田曹長が乗る攻撃ヘリから、無数の機関銃弾が降り注ぐ。

「くっ……空からの攻撃はどうにもならん!」

 近藤勇と土方歳三が防戦一方になる中、青い電子護符を展開した安倍晴香が叫んだ。

「……私が、ヘリのシステムをハッキング(妨害)します! その隙に……!」

「よく言った、陰陽師の娘! 行くぞ総司!」

「はいっ! 誠の刃、空まで届け!」

 晴香の術でヘリの動きが一瞬止まった隙を突き、新撰組が瓦礫を蹴って大跳躍。三人の剣撃が見事にヘリのプロペラを破壊し、真田曹長を墜落させた。

「チッ……目障りなハエどもめ。だが、私の戦車(メイン火力)は健在だ。まとめて吹き飛ばす」

 神崎一佐が、巨大な主砲を新撰組と晴香に向けた。

「……そこまでです、コンプライアンス違反者」

 ズンッ!!

 戦車の前に降り立ったのは、傷だらけの神堂宗次郎だった。その右手には、幻茶ばあさんから受け取った『黒七味の湯豆腐』の土鍋が握られている。

「生きていたか、千銃の夜叉。だが、その割れた盾でどうやって私の主砲を防ぐつもりだ?」

「……防ぎませんよ。撃ち抜くんです」

 宗次郎は、激辛の黒七味がたっぷりかかった熱々の湯豆腐を、一気に口の中へとかき込んだ。

 ――ハフッ、ビリィィィィッ!!

「……っ!! な、なんという圧倒的な熱量と刺激!! 大豆の優しい旨味を、黒七味の鮮烈な辛さが極限まで引き締め、細胞の隅々まで発火スパークさせます!!」

 ゴォォォォォォォォッ!!!

 宗次郎の全身から噴き出した黄金のオーラが、黒七味の刺激によって赤みを帯び、恐ろしいスピードで右手の人差し指へと「圧縮」されていく。

「な、なんだあの高密度のエネルギーは!? 装甲の計測器が……エラーを起こしているだと!?」

 神崎の冷静な顔に、初めて焦りの色が浮かぶ。

「……撃てェェッ!!」

 神崎が叫び、戦車の主砲から黄金の徹甲弾が発射された。

「……ごちそうさまでした。黄金圧縮・一指鉄砲スーパー・スパイシー・バレットッ!!」

 ピシュゥゥゥゥンッ!!!!!

 宗次郎の指先から放たれた、ビー玉ほどの極小の光弾。

 しかし、その一撃は巨大な砲弾を真っ二つに裂き、そのまま戦車の『黄金反応装甲』を紙切れのように貫通して、車体を見事に撃ち抜いたのだ。

「ば、馬鹿な……! 現代の火力が、指先一つに……負けた、だと……!?」

 大爆発を起こす戦車と共に、神崎と真田は鴨川の彼方へと吹き飛ばされていった。

「やった……! 兄貴が、現代兵器に勝ったっす!!」

「見事な闘気だ、宗次郎殿!」

 歓声を上げるタナカと、笑顔で剣を収める新撰組。

 激辛スパイスの力で究極の圧縮技を手に入れ、見事リベンジを果たした宗次郎。

 彼らの熱き絆の勝利が、京都の空に黄金の光を輝かせていた!!

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