グラブのイーリス家での生活 画像有
グラブさんですが、性格は別として見た目は、逆巻十六夜さんです。
実は、そのキャラ大好きなんですよねー
--シル--
ヒナたちが帰ってきて、双子ちゃんの友人のツンデレオカンの母親を無事に治し、
まさかのドラゴンをお持ち帰りしてくるというあれこれはあったけど、円満に解決してよかった。
・・その道中で、色々退治したアレコレの余波で国内の連中がよりヒナたちをビビるようになったけど。
で、一家がもともと世話になってた貸家のオーナーや仕事を斡旋してた仕事先についてだけど、イノが調べたところ黒ではないけど黒に近いグレーだったらしく本来の報酬よりやや少なく渡していたのに加え、家賃もあれこれと言い訳をして勝手に値上げしたりと色々と地味に他にもいくつかやらかしてたそうな。
とりあえず、イノが憂さ晴らしに何をしたのか知らないけど盛大に仕返しをして全員そいつらの仕事先は潰れて無職になったらしい。
・・ホントになにしたのか、しかも、無職になったそいつら全員がなぜかトラウマを植え付けられて引きこもったままで出てこなくなったし。
それを知ってローラさんはドン引き、チビさん2人は考えたら負けと言う顔で拍手、グラブは遠い目をして俺は知らないとぶつぶつ呟いてたけど、その分で発生したらしい賠償金(イノがきっちりと巻き上げて来た)をその一家に丸投げしてたけどそれなりの金額だったらしく全員の顔が引きつってたけど気にしない。
え?
生活費が一切かからない状態でこの大金を貰っても困る?
使いどころがない?
そんなもん知らんわ。
好きなもん買えば良いじゃないのよ。
おしゃれのために服やアクセサリーを買っても良いし、ヒナたちみたいに本を他所から取り寄せても良いし。
実際、我が家の図書館は最近金を持て余すヒナたちによって着々とバリエーションが増えつつある。
おまけに、本人たちがそれぞれのレシピを作っては販売し、それらを本にまとめたものをそこに収納するからさらに増えるし・・まぁ良いか、便利だし。
だとしても、ヒナの軍勢がガチでやばいことになったんだけど?
ただでさえ、そこらの中級冒険者よりも単独で優秀なニャンコたちが200匹以上いるのに加えてチームプレイは完ぺきなので実力はそのまま数に比例して跳ね上がる状態、更にフェンリルとフェニックスがいたのにそこにドラゴンが追加されたどころか最上位クラスの古龍。
そこにヒナの奥の手が入るんだからガチで、私とリン・・本気の殺し合いをしても勝てる可能性が下がったんだけど?
・・・頑張って訓練しよう。
で、ローラさんだけどあれからマッサージされたり栄養満点な食事をおなか一杯食べたり、程よく運動をしたりしっかり寝かしつけられて10日も経たないうちにすっかり健康になって屋敷の中を普通にうろつけるようになった。
一応、家で雇ってる連中の方で開発してる塗り薬は定期的に塗るようにしてもらい、ヒナが定期的に癒しているけど、1月も経たないうちにそれらも必要がなくなってくると想定。
あのあらゆる耐性がない?現象については、今の家庭環境が続けば自然と改善されることが黒髪3人衆によって判明したのでほぼほぼ心配はなくなった。
そのため、これまで家事全般に力を注いでた子供3名はようやく年相応に自分のやりたいことをやり始めた。
グラブは、マリナに弟子入りして戦いに力を注ぎつつ双子ちゃんと共に勉強してる。
どうやら、グラブはマリナが憧れと言うか目標?だったらしい。(恋愛感情はないと本人はしっかり言ってたけど)
ローラさんは、イノの部下としてチクチクと刺繍をメインにしており本人も楽し気で腕前も割と上手で、好評で、本人が割と聞き取り上手なこともあり、手の空いたメイドたちがいろんな話をしてるらしいので割と人気者。
弟君のグリは、セバスに憧れたらしく執事のお仕事を学ぼうと順番にその辺りに関わる仕事を家の部下同士でたらいまわしになりつついろんな奴らと学びつつにゃんこたちと遊んでおり、
妹ちゃんのグラは、マリアに憧れ、メイドとしてのお仕事をグリ同様にいろんな部下と共に学びつつにゃんこたちに遊ばれてる。
このちびっ子たちも、年齢にしてはしっかりしてるし、まじめと言うこともあり皆可愛がりつついろんなことを教えているのでこのまま年を重ねればすごく優秀な侍従に慣れそうで将来が楽しみだ。
で、ある意味一番ヤバい物体のアークと名付けられた古龍よ・・。
聞いてた通り穏やかな性格で放浪癖があるらしいが、あのケツァルコアトル?の羽の生えた蛇の姿だとサイズは全長50センチもいかないくらい短く細いので、我が家の建物内をうろつくだけで満足するらしいが、大抵は普段使われてない双子ちゃんの部屋の窓を全開した状態で日向ぼっこしてお昼寝してるのが1日の大半。
とはいえ、それはヒナが屋敷にいる時であって、ヒナが出かけるときは必ずヒナの方に止まっているので、これからこの国でヒナを見かける人の大半はアイリスにまたがり、肩にアークがのってる状態がデフォルトで、そんなアイリスの頭にラグラスのララが乗ってるのでしょうね。
でも、どれだけの人がちょっと変わった動物程度に見えるそいつらが実は全部災厄と称されるヤバい魔物だって気づくんでしょうね?
アイリスはさすがに見る人のほとんどは知ってるけど、それ以外のララとアークに関してはフェニックスとドラゴンだと誰も気付かず、少々珍しい姿をした動物か何かだと実際のところ、思われており、我が家のメンツですらそう思ってる奴が少なからずいる有様だ。
「だぁ、くっそぉ!こんにゃろっ」
何の声だって?
グラブが現在にゃんこたちと鬼ごっこ中で絶賛にゃんこたちに弄ばれてる最中。
体力とパワーはそれなりにあるけど動きが単調で、力任せなところがあるように感じたらしく、マリナが武術を色々教えてはいるもののもう少し身軽さが欲しかったようでにゃんこたちと鬼ごっこをするよう指示を出したため、にゃんこたちに毎日弄ばれてる。
おまけににゃんこたちは数が多いこともあって割と暇してる子たちも多いため、嬉々として協力してくれている。
その証拠の一つとして我が家の騎士団のメンツだが全員が数日に1回は必ずにゃんこたちと鬼ごっこをしているくらいだ。
とはいえ、重りを背負うだけで武具は一切身に着けずににゃんこたちに傷つけずに捕まえるというシンプルなものだ。
大変難易度が高いらしく大抵いつも全員がにゃんこに負けて体力切れしている光景をよく目にする。
でもまぁ、戦うにしろ生き残るにしろ体力はあって損はないし頑張ってくれ。
正直グラブは、割と珍しい属性魔法っぽいから聞きたい気もするけど、その辺りはこっちから聞くのはちょっとマナー違反だから我慢しており、とりあえず本人がいつか言ってくれるとなんとなく察してるから静かに見守ってる。
実際、グラブは母親のローラを救ったことで恩は感じてるようで割と積極的に色々手伝ってくれるから信頼はしてくれてると思ってる。
「ぜぇ・・ぜぇ・・くっそぉ・・捕まえられねぇ・・。」
「お疲れさま。はいどうぞ。」
「あ、ヒナさん、どもっす。」
ヒナお手製のスポーツドリンク?って飲み物を渡してる。
聞いたところ、汗を大量にかくと体内の水分が減るのは当然だけどその時に水分を取るのは割と常識だけどただの水よりもスポーツドリンクの方が効果が強いらしい。
一応レシピはギルドを経由して販売されており、体を動かすメンツはほぼ全員が購入するほどの必須アイテムと言う扱いになってるらしい。
その次に人気なのが、我が家で飲んでる薬草茶をもっと作りやすく改良したもの。
こっちは、どちらかと言うと主に女性が良く購入してるらしくどうやら体に良いということもあり、ちょっとでも綺麗でいたいということで購入してるそうな。
後は、味が純粋に気に入ってる人も割と多いとのこと。
「そういえば、さっきヒナ、出かけてたわよね?」
「はい。ちょっと買い出しついでに寄り道しましたけど。」
「どこ行ってたの?」
「学園に」
「学園?なにしに?」
「ノア君とイブちゃんとグラブ君の学費を5年間分と+αで適当に上乗せした感じで支払っておきました。」
「ぶふっ!」
あ、グラブが吹いた。
「げほっ、げほっ・・ど、どういうこと・・っすか。」
「んー?お金余ってたし、学費は高いじゃん?だから、全部払っておいたよー。」
「いや・・そんな気楽に言うような額じゃないような・・」
まぁ・・グラブの言いたいことはわかるけど、ヒナ・・定期収入だけでも実は普通に生活出来るくらい稼いでたりするのよね・・半分以上寄付と言う名の丸投げをしてるけど。
後は、ちょこちょこ依頼を受けたり別枠で対処したりした分もあるけどそっちも大半は同じく寄付してる有様。
なので、お金に余裕があるのは本当。
「・・また、貸しが・・。」
律儀ねぇ・・だから、オカンって言われんのよ。
「気にしなくていいよ?むしろ、お金使わないのに溜まっちゃうんだよ。なのに、みんなしてお小遣いを渡そうとするし・・もったいないから有効活用してってプレゼントしてるのに渋い顔されるし。それなら、必要なことに使った方がいいよね?グラブ君だって欲しいものとか、あるでしょ?」
「いや・・その・・確かに欲しいものとかはあったんすけど、防具はイーリス家専属の鍛冶師たちと魔道具課の良い奴もらえたし、武器も俺、殴る蹴るなんでいらないし、本とかも欲しいとは思ってたけどこの屋敷に全部あるし・・ガチで使いどころないんすけど・・買い食いしようにもここで食べる奴の方がうまいし、腹いっぱい食えるし・・。」
あぁ・・言いたいことはよくわかる。
確かに、我が家には専属で鍛冶師も薬師も大抵のやつらはいる。
普段は我が家の騎士団や、国内の緊急時に備えて準備したり、教会やそのほかの公共施設への配布品を作ったりしてるだけで割と暇してる。
なので大抵は試作品を作ったりしてるんだけどそれを試す奴がいないから大抵は騎士団に使わせるのが定番で、今回グラブと言う良い実験台がいたからソイツ用に防具を作ってもらった。
武器は、買う金がなかったという経緯で、蹴るか殴るだけらしいので、ファイティンググローブとバトルブーツを多少頑丈にしたものを渡しておいた。
一応、メリケンサックも渡してるけど、そっちは基本的にタダのアクセサリーとして飾られるだけで緊急時に使うという感じにしたそうな。
服に関しては、動きやすければいいということで、ファイターに合わせて、胸当てと肘、膝当てのみで他は一見ただのシャツとバトルジャケット、長ズボンと言う感じで落ち着いた。
ぱっと見は普通の装備だけど実はこれ、割と頑丈な鉱石を複数合成し、更に糸状にした後、細かく編み込んでいるので非常に動きやすく、伸縮性もあるけど、見た目以上にすごく頑丈だったりする。
「無欲だねぇ。」
「ヒナさんも人のこと言えないと思うんすけど・・。」
「知ってるー。まぁ、お母さんとかグリ君とグラちゃんとお買い物したりするときに散財しちゃえば?あとは、私と同じようにどこかに寄付とか。」
「そうっすね・・母さんも普通に生活が送れるくらい元気になったし、チビたちも我慢させちまったし、どこかでパーッと使うのも良いっすね。余った分は寄付することにするっすよ。」
「それで良いと思うよ。ちなみに、ノア君とイブちゃんは気に入った食料を買って来て私に料理のリクエストをするくらいであとは寄付してるね。」
「あぁ・・・あいつら、ヒナさんのこともっすけどヒナさんの料理、好きっすからねぇ・・。」
あの子たちは、あの子たちで自力で稼いでることもあり、割とお金は持ってる。
それらの主な使い道は、必要な消耗品とかも買ってるけど、お店で良い食料があればそれを購入し、それをヒナに料理してもらうのがほとんど。
なので、割と良いお値段のするそこそこ希少なものだったりする。
「この子たちが全員こんな感じで我が家に家族入りしたっていうのに、自力で稼いで自力で欲しいものも必要なものも買い揃えるからこっちで別でお小遣いは準備してるのに一切使わないどころか、自力で稼いだ分の何割かをこっちにむしろ丸投げするのよ?養う側が儲けてどうするってのよ・・。」
なので、大抵準備してる小遣いに関しては全部、ヒナたちの行動範囲に関わる先へ寄付されたり、ヒナたちの身の回りのものでヒナたちが買い揃える前に事前に準備するという謎の先回りバトルが発生してたりする。
・・ほっとくとヒナたちもそれらを自力で準備するから先読み合戦なのよ・・主に、金を先にどっちが使うかという意味の分からないバトル・・よそではむしろ使わせようとするはずなのになぜに金を相手に出させずに自分で出したがるのか・・。
「えぇ・・・。まぁ、どっちの気持ちも正直わかるっすけど。俺も、金に余裕が出来れば恩返しはぶっちゃけしたいですし。」
「どいつもこいつも律儀よねぇ。」
「それが普通だと思います。」
「俺も同感っす。」
地味に双子ちゃんも頷いてるのは良いとして・・普段ふらりとこの子たちどこかに行くのよね・・どこに行ってるのやら。
まぁ、この子たちだから問題はないけどその後ちらほらとあまり良い評価されない奴らが謎の不幸にあったからざまぁみたいな噂を耳にするけど・・偶然かしら?
「まぁ、生意気で傲慢なやつよりは断然良いけど、無理はするんじゃないわよ?こっちは無駄に余ってるんだから何かあれば遠慮なく言いな。屋敷の1つや2つは手軽に買えるから。」
「ほんとにそれ、緊急時って感じですねぇ。最終手段と思うことにします。」
「それでいいわよ。」
「あ、そうだ。皆さんに聞きたいことがあるんすけど。」
「ん?」
「俺の属性魔法についてっす。」
「かなりレアなやつだとは思ってたけど、使い方?」
「と言うより、それ自体が何なのかっすね。」
「どういうこと?」
「なんつーか・・詳細情報を見ても正直ピンとこないんすよ。だから、皆さん物知りですし、他人に自分のステータスってあまり話すもんでもないっすけど皆さんは家族みたいなもんっすから。」
「確かに私も多少は知ってるし、イノなんて訳の分からない質問をしても全部答えが返ってくるくらいだから大抵のことは答えられるでしょうね。」
「そう思ったんすよ。」
「んで、どういう属性なのよ。」
「重力っす。」
「ほぉ」
それはかなりレアなやつを・・。
「珍しい属性なのはなんとなく察してるんすけどぶっちゃけどのくらい珍しいものなんすか?」
「そうねぇ・・。割と属性魔法で有名なのはヒナの属性よねぇ。」
「確かヒナさんって、超優秀なヒーラーで聖属性の使い手って話だったっすよね?」
「そうだね。私は癒しに特化した聖属性だよ。」
「ざっくりいうと、ヒナの聖属性と良い勝負するくらい珍しい属性よ。」
「そんなに珍しいんすね。」
「せっかくだし、軽くお勉強といきましょうか。」
「うす」
まず、世間一般で最も数が多いのは基本属性と呼ばれる、
火、水、土、風、雷の5つ
そして、基本ではあるモノの例外として希少なのが光と闇
ヒナの聖属性はその光属性が派生したものね。
私の焔は、察したと思うけど火の派生版になるわね。
それらが世間一般での通常ベースの属性で、今回グラブを例にすると重力や、リンの斬撃属性
これらはその他と世間的には言われる基本属性の枠組みに留まらない属性であり、属性名を付けるとしたら無属性と言うことになるから、グラブやリンの属性は無属性の派生版と言う扱いになる。
当然、双子ちゃんたちの属性もこの無属性の派生版と言うことになる。
「で、レアかどうかと言われると、それらの属性の派生版自体がレアで、一点突破タイプだとその点がかなり優秀な分それ以外への応用が難しくなるから一芸特化になりがちね。私とかだと純粋な攻撃力は飛びぬけて高いけど、焚火に火をつけるみたいなちょっとしたことをやろうとするとかなり集中しないと消し飛ばしちゃうのよね。」
「強いのも善し悪しなんすね。逆に威力が弱いとかいうタイプだとそういう日常使いとか、細かい操作の難易度が低いというメリットがあるって感じっすよね?」
「そういうことね。だから私の場合は細かいことが出来ないからチームプレイがある意味出来ないのよ。全部消し飛ばしちゃうし。」
その点、リンやヒナたちのように私の攻撃があっても対処しながら共に戦える人は割と希少。
「なるほど・・あまり意識してなかったっすけど俺のって、思った以上にレアだったんすね。」
「そうよ?正直私やお父様たち含めて、あんたと同じ属性を持った奴がいたって記録はないわよ。」
「マジすか・・。」
「んで、重力についてだったわね。」
「そうっす。ぶっちゃけ、重さを変える以外に何が希少なのか何が強いのかピンとこないんすよ。軽くするなら確かに便利っすけど重たくすることに何のメリットがあるかもよくわかんねーし。」
「あぁ・・なるほどねぇ。正直なんとなくはわかるんだけど、上手く説明出来ないのよね。イノ、説明出来る?」
「可能でござるよ。」
ホント、こいつ便利だわ。
「かなり大雑把な説明になってしまうでござるがご了承下され。」
「大丈夫っすよ。なんとなく理解出来れば十分なんで。」
「うむ。では、細かい説明は省いてイメージが付ける程度にさせてもらうでござる。」
そう言ってイノは、ちょうど近くにあった片手サイズのボールを手に取る。
「通常、今拙者が持っているボールから手を離すと地面に落ちるでござろう?」
「まぁ、当然っすよね。」
「これが、重力と呼ばれてるのでござるが、細かい言い方をするとあらゆるもの全てが持つ、力の向きのことでござる。引力とも呼ばれてるでござるな。」
「力の向き・・引力・・引っ張る力って感じっすか?」
「とりあえずはそんな認識でOKでござる。今のを例にするとこのボールは重力と言う力は上から下にかかっている状態故に、物は上から下に落ちるということになるでござるのはわかるでござるか?」
「大丈夫っす。」
「うむ。では、例えばでござるがその重力の向きを逆にするとどうなると思うでござるか?」
「下から上にってことっすよね?」
「そうでござる。」
「・・・ものが上に飛ぶ?」
「正しくは下から上に物が落ちるのでござるが、認識はあってるでござるよ。」
「え?・・それ・・普通じゃ無理っすよね?」
「左様。故に、重力を操るとはすごいことなのでござるよ。つまり、重力を調整出来ればものを宙に浮かび上がらせた状態で維持することが可能となるのでござる。」
「それって・・自分に掛ければ空を飛べる?」
「そうでござる。では、次の問題でござる。今重力を下から上へと逆にしたでござるが、今度は横に向けるとどうなるでござるか?」
「横・・地面に対して平行・・・普通に投げると放物線を描くように飛ぶけど重力で操るならまっすぐ飛ぶ?・・しかも、俺の魔力が続く限りどこまでも?」
「正解でござる。故に、自身が走るのに合わせて掛ければとんでもない速度で走ることが可能。それは則ち、短距離転移が実現可能なのでござる。」
「すげぇ!」
「ちなみに、重さを上げることでのメリットでござるが、例えばそれを敵に掛ければどうなるでござるか?」
「敵に掛ければ当然重たくなる・・そうなると・・動けなくなる?」
「うむ。そして、重力を限界まで掛ければ自身が身に着けている武具に押しつぶされてそのまま息の根を止めることだって出来てしまうのでござるよ。」
「やっべぇ・・」
「ちなみに、自身の肉体に部分的に重力を増すように調整が出来るようになればパンチだろうが剣を振り下ろす際などの純粋な攻撃力が増すのでござるよ。重さで攻撃するタイプがあるでござろう?それを自身の意志で調整が可能になるのでござるよ。」
「言われてみれば確かに・・」
「更に、仲間の重さを多少軽くしたり重力を横に向けたりすることで仲間の補助も可能。その辺りは鍛錬と慣れでござろうな。」
「調整が難しそうだが・・確かに・・って、重力を使いこなせば空を舞い、ものすごい速度で大量の敵をまとめて圧殺したり仲間を何倍にも強化出来るって・・ヤバくないっすか?」
「すごいでござろう?拙者の個人的な意見でござるが、純粋な基本属性の魔法よりも純粋に応用が利きやすいのに加え、使い勝手が非常によく、そして何よりシンプルに強力で最強の属性だと拙者は思ってるでござるよ。」
「そこは人によって考え方は違うでしょうけど・・確かに今の説明を聞くとあらゆる面で役に立つ便利で最強の属性って言葉がしっくりくるっすね・・しかも、サポーターだろうが接近戦も遠距離戦も、戦闘以外の荷運びまであらゆる面で役立つから超便利・・俺の属性ってそんなヤバい奴だったんすね。」
イノの説明を聞いて改めて重力について納得出来たけど、確かに重力魔法はシンプルに強力で便利な魔法ね。
「あんた、下手にその属性を知られたらギルドを始めあちこちで勧誘合戦に合ってたでしょうね。」
「確かに・・けど、俺はノアとイブを支えるって決めたんで全部断るっすよ。どんなに大金を積まれても。」
「良いわね。まぁ、無理に勧誘する馬鹿がいたら、私らの名前を出せばいいわ。ぶっちゃけ、私を始めヒナたちのことを敵に回す馬鹿は基本いないから。」
「いざって時はそうさせてもらうっす。・・俺、重力がどんなのかぴんと来なくてずっと魔力の制御や筋トレと殴る蹴るばっかで、体しか鍛えてなくて割と荷物運びの時に軽くするだけしか使ってなかったんすけど・・無駄だったんすかね・・。」
「そんなことはないと思うわよ?」
「そうっすか?」
「えぇ。だって、例えばさっきの例であったみたいに走る速度を上げるようにしたり、殴る威力を底上げしたりすることは確かに出来るけど、それしっかり鍛えた肉体じゃなければ一発やっただけで肉離れだの神経やって、体が動かなくなったり下手したら自爆して重症になることだってあり得るわよ?」
「筋肉痛どころじゃ済まないってことっすね・・言われてみれば確かに・・そうなると、今は自分がどのくらいの重力まで耐えられるか上限を知る必要があるってことっすね?」
「そうなるわね。後は並行して引き続き体を鍛えてより耐えられるようにする必要があるわね。ある程度は身体強化でその補助をすればいけるだろうからその辺りも含めて要鍛錬って感じね。」
「・・なんとなく俺の目指す先が見えてきた気がするっす。あざっす姉貴。」
「まぁ、なんかあればいつでも聞いていいから。多分私より黒髪3人衆の方が詳しい情報来るだろうから私に聞くとしたら実戦形式だの魔力操作だのとかね。」
「その時は頼りにさせてもらうっす。」
「ま、無理しない程度に頑張りな。」
「うす。」
ちなみに、グラブだが私のことは姉貴と呼ぶことにしたらしい。
まぁ、姉御と呼ばれる方が地味に多かった身としては、少々新鮮さがあってちょっと面白いし、双子ちゃんの側近候補(ほぼ確定)でほぼほぼ家族みたいなもんならある意味合ってると思ってそのまま好きに呼ばせてる。
その影響でチビさんたちは私のことをお姉ちゃん呼びするから少々ムズムズする。(許可したけども)
・・だから、ヒナたちまでお姉様と呼ぶ?とか聞くな・・あんた等が呼ぶとぞわぞわするから・・普段通りさん付けで良いから・・。
ちなみに、ヒナが学園に支払った額だけど、+αの部分が実は支払うべき5年間分とは別で2倍も支払っていたことを知るのはだいぶ後。
つまり、計3倍分支払ったということだ。
しかも、それとは別で学園内にある食堂宛に料理のレシピをいくつかプレゼントしてきたらしい。
おまけで言うと、普通学費を支払う際は、大抵は1月分を毎月支払うのが普通で稀にまとめて支払うのは3か月か半年分で1年分をまとめて支払う人も1割くらいしかいないのにヒナのように5年間分もまとめて支払うやつは基本的にいない。
おまけに5年間も退学にならずに通えない可能性があるのにまとめて支払うやつがいないし、そうなった場合は払った分の残りを返してと言って返却出来ないから普通はやらないし、そもそも追加で支払うなんて奴が存在しない。
なので、学園長も含めて教師連中全員が絶句したらしい。
・・・そんな中ヒナはのほほんと、その時は全部寄付することになるねーと言いながら退学費を別で支払う?と平然と追加で何故か支払おうとしてドン引きされたのは余談。




