ベルンハイムの魔道具店
オーリィオール王国の田舎町、ベルンハイム。
特徴のなさが特徴ってくらい穏やかで、でもそこが良いって暮らす人も多い町だ。
魔界から空間移動した私たちは、整備された石の道に降り立っていた。
目的の魔道具店にはおまじないをしてからじゃないと入れないから、仲間の前で経験者として胸を張った。
「じゃあ今からヘンリの店に案内するね。特別な道を通るから、私についてきてっ」
仕掛けを知るティーカーが頷くと、ルネを抱っこして歩調を合わせてくれる。
……まずは道具屋の前に立つと、片足の靴を履き直して、つま先で三回だけ路地を叩く。
店の角を曲がって路地裏に入ったら、右手の小指を壁に沿わせながら進む。
少し開けた場所に出たら、もう片足も靴を履き直して、かかとで二回だけ路地を叩く。
すると……目の前が揺らいで、なにもなかった空間に扉が浮かび出てきた。
ノブに手をかけて回すと、出てきた扉を引き開ける。
振り返れば不思議な体験に目を丸くするルネがいて可愛いけれど、おまじない中は声を出しちゃいけない決まりだから、手だけで中に入るよう示した。
みんな入ってくれたら私も中に入って、久しぶりの工房で胸を張る。
「よし、無事に到着っ。ここは入り方を知ってる人だけが辿り着ける工房なんだ。
ティーカーは知ってるし、オルディアはおまじないしなくても扉が見えてたみたいだけど、普通は見えないし入れないんだよ」
ヘンリの依頼を見つけて、指示に従う素直な冒険者は入れる。
けど疑ったり真面目に取り組まない相手は入れない。ヘンリはまず自分の魔道具店に招く人間を、依頼への態度で見極めてるらしい。
「世界中を回った私から見ても、ヘンリの魔道具は一番だよ。
お値段は張るけど、そのぶん一生物の魔道具が買えるんだ。だからむしろ最安値かも」
ルネは特に悪魔貴族の子供だから、これから数百年使うと思えば破格の代物になる。
でも値段に気づいたルネが、ティーカーに必死に抱きついた。首を横に振ってるけど、実は一個ずつが青マメダの看板に近い値段になってる。防具屋との価格差に気づいちゃったみたい。
「大丈夫だよ、ルネ。支払えないって分かりながらなんて来ないよ。
安い魔道具って破裂することもあるけど、ヘンリの魔道具なら戦ってる最中に壊れる心配もないから安心だし。
置物としても貴族が求めたがる最高の品だから、別の装備に変えるときは飾りにしちゃうのもおすすめだよ? ほら、あの鳥とか可愛くない?」
私も店内を見回したけど、さまざまな動物を愛らしく表現した魔道具が置かれている。
遠慮しがちなルネも店内に少しずつ目をやって、次第に作品の可愛さに興味が出たみたいで、ティーカーに抱っこしてもらいながら棚の上に目を奪われている。赤い瞳が興味に輝き始めるのは、紹介した私も悪くない気分だった。
「可愛いお嬢さん。触ってもいいよ。そんなことじゃ俺の道具は壊れないからね」
店の端で、ずんぐりむっくりの何かが動く。
黒い羽だらけの帽子に衣服、作業しながら店番中だったヘンリが声をかけてくれたから、ルネも可愛い動物を恐る恐る手に取って明かりにかざした。
どれも中には魔石が入ってて、光や通す魔力によって輝きが変わる。
小さくてふわふわに見える雛鳥も金属で出来ていて、あまりの精巧さに命が宿っているのかと錯覚しそうになる。
不意に「おや」と声がして、私に気づいたみたいだから手を振った。
「勇者が大勢引き連れているね。見ない顔ばかりだ」
掠れた声の店主に目を向けるオルディアと、「実物もすごいな」って魔道具鑑賞を続けるルネとティーカーを示した。
「みんな私の仲間なんだ。彼がオルディア、職業は神官。聖女のルネを抱っこしてるのは、剣士のティーカーだよ」
「ああ……どうやら今は良い仲間みたいだね。顔つきが柔らかくなった」
う。
芸術家らしくいつも本質を見抜くヘンリは、帽子から唯一見える唇を歪めた。
「俺の知る勇者は、肌に当てられた抜き身の剣を思わせる危うさがあった。
いつも余裕のない顔立ちだったが……今は旅が楽しいようだね。
なるほど、なるほど……」
それだけ言うと、店の奥へばさばさと音を立ててヘンリが入ってしまった。
「……随分変わった人だな。雰囲気が魔神に似ている」
「魔神!? ああでもやっぱり……お店を隠すのに高度な目眩しの魔法も使ってるし、実は人間界に遊びに来てる神なのかなって思ってたんだ」
依頼の内容もアレだし。
しばらくするとヘンリが奥から戻ってきた。
手のひらより少し小さめのコインを私とオルディアに渡すと、艶やかな唇が弧を描いた。
「勇者におすすめの品を持ってきてあげたよ。
コインに『ねえ愛しい人』と話しかけてごらん。繋がるはずさ」
「繋がる?」
それ以上は答えずに、ヘンリは作業机に戻ってしまった。
私に手渡されたコインには鷹が描かれている。オルディアのコインは猫だった。
二枚とも違うものだけど何か意味があって渡しているはずだから、言われた通りにしようとコインを前に息を吸った。
「ねえ愛しい人」
『ねえ愛しい人』
少しの間を置いて、オルディアのコインから音が聞こえた。
驚いたけど、ヘンリは口元をにやつかせている。
「そのコインなら、魔界にも音が繋がる。俺の魔道具は世界一だからね」
こういうところが神っぽくてすごいんだって、ゾクゾクしながらヘンリを見つめてた。
もう興味も無くなったみたいで作業に戻ったからコインの裏表を確かめてると、オルディアもコインに声をかけた。
「今日も笑顔が可愛いな。フルルと一緒に冒険に出られて嬉しい」
同じ言葉が手の中のコインから聞こえてくるから、真っ赤になる。
店内で何言ってるのって睨んだけど、背の高い魔王は楽しそうに笑っている。
「話しかけるだけで声の届く魔道具なんて便利だな。買っていこう。
フルルの分もまとめて支払うから、僕が預かる」
「えっいいよ、これは私が出すよ。オルディアのこそ貸して?」
手を差し出したけど、オルディアは深緑の瞳を逸らしながら考えて、私に顔を近づけると耳に声を吹き込んできた。
「先ほどから考えていたんだが、勇者パーティに魔道具の資金を捻出出来るのか?
支払う手段は僕のことかと思っていたし、全額払うつもりでいたんだが……」
囁き声じゃないけど、涼やかな声がこしょこしょって聞こえてくすぐったい。
おっしゃる通り、草を食べながら生活することもある勇者パーティだ。熱心に依頼を受けてくれるティーカーと資金力も最強のオルディアの参加で状況は良くなったけど、高級品には手が出ない。
心配してくれるオルディアを、今度は私が手招きする。
銀の髪の魔王が顔を近づけてくれたから、形の良い耳に唇を寄せた。
「大丈夫、私たちでも出せるんだ。ティーカーも支払い方法を知ってるからここに来たの。
オルディアに状況伝えたくても今まで出来なかったから、今日も心配かけちゃったばかりだし……いつも空間移動で連れて行ってくれるお礼に、私から贈らせて?」
店内商品のあまりの高額さに、しかしオルディアは怪訝な顔をしている。
青マメダの看板一つで慌てた勇者がどうやって出すのか不思議そうだから、オルディアの耳にもう一度声を吹き込んだ。
「ここに書いてあるのは、貴族向け価格なの。
冒険者は一切買えない、使わない魔道具なんてヘンリは作らないし、私にも渡さない。
多分私でも買えるものを渡してくれたんだ。ヘンリにしては装飾が控えめだからね」
手にしたコインには鷹と猫が彫り込まれているけれど、店内に並べられている今にも動き出しそうな動物たちとは作り込みが違う。
オルディアも納得したみたいで、頷いて渡してくれた。
二つ揃ったコインを眺めたけど、鷹の強くて鋭利な印象がオルディアに似てて、つい頬が緩んじゃう。動物の刻印相手だけど、ちゃんとオルディアに話しかけてるみたい。
「えへへ、でもお仕事中のオルディアに呼びかける手段が出来ちゃってもいいのかな?
あいのり馬車で移動中とか、少しでも暇になったら呼んじゃうかもしれないよ。『今何してる?』って。お仕事の邪魔しちゃいそうだね」
「いつでも呼びかけてほしい。フルルの声を聞きたいから……なんて、僕からも連絡してしまいそうだ」
まさか受け入れられると思ってなかった。
でもオルディアは嬉しそうに笑って、私を店内の明かりで煌めく深緑の瞳で見つめてくる。
「フルルの声が聞けるだけで、会いたい気持ちも少しは報われるんだ。
話すだけでいつも元気を分けてもらえるから……声をかけてもらえる時を楽しみにしている」
本気で嬉しそうな顔を見れば、赤くなりながら頷くしかなかった。
ルネもいろんな動物に向き合ってたけど、フクロウのブローチに目が止まったみたい。
自分から手を伸ばして持ち上げたけど、丸っこくて小さなフクロウが月を模した真珠を見上げている。
「お嬢さんなら『祈り』が届きやすくなるよ。
フクロウは幸運を上げるのにも良い……おすすめさ」
まるでフクロウと対話してるみたいに、ルネもブローチから目を離せずにいる。
しばらくするとティーカーに『これがいい』って言葉にならないけど差し出して、でも遠慮がちに手を引こうとした。
ルネを片手で抱え直して受け取ったティーカーが、ブローチをヘンリに渡した。
「このフクロウはルネが気に入った物なんだろ?
祈りの効果が上がる魔道具を探し当てられたのも、ルネをフクロウが呼んでたのかもしれないぜ。じゃあ買うしかないよな」
赤の瞳がキラキラして、必死に首を上下に振ってる。ティーカーも嬉しそうだ。
ただ普通に買うとお値段がとんでもない額だから、ヘンリ特有の支払い方法のためにルネを下ろした。
「記憶払いで。もしかしたらフルルとそこまで変わらないかもしれないけどな」
「記憶払い? ……ティーカーは何で支払おうと言っているんだ」
「同じ記憶でも構わないさ。角度が違えばまた違う良さがある。
さあ、見せてもらおうか……」
ヘンリが両手をティーカーに伸ばして、金髪の頭を掴む。
特に痛みはないし、静かに魔法を受けてるティーカーを見て、怪訝そうなオルディアを安心させたくて笑った。
「店内に書かれてるのは貴族向けの価格だって言ったでしょ?
お金は貴族相手の販売だけで十分だから、冒険者は記憶を読み取る魔法で『見たことのない動物の姿』がないか探してるんだ。
よく知る動物でも怒った時や驚いた時にしか見せない珍しい行動もあるみたいで、冒険者に見せた姿に感銘を受けて次の作品を作るらしいよ」
私も初めて聞いた時には驚いたし、ちょっと抵抗もあった。
だけど店内に溢れる動物への愛を見れば、私たちが意識せず通り過ぎてきた動物の姿を本気で知りたいんだってことはわかったから、思い切って記憶を見せた。
ヘンリはすっごく喜んで、依頼の代金もくれたし次回来店時には一つ無料にすると約束してくれた。
次の街に向かったから買う機会はなかったけど、今こそ約束の時が訪れたんだって鷹のコインをつまみ上げた。
「冒険者ギルドに依頼を出すのも、冒険者ならいろんな場所に行って見知らぬ動物を見ていたりするからなんだ。
記憶を見せて欲しいってヘンリに言われると、大抵は逃げ出すみたいだけどね」
「ああ……いいねいいね……勇者の背中側だ……子供の背の高さからなんて、なかなか見られるものじゃない……森の生き物も、洞窟を這い回るとかげが近いのも、何もかも鮮明だ……こんな間近に足が……ひひ、吸盤が吸い付いているよ……」
「……洞窟の壁際で寝てたことあるし、その時に聖剣の近くにいたのかな」
「ティーカーは聖剣から動けないからな……いろいろなものを見ていそうだ」
記憶に大喜びしたヘンリは、終わったらしくティーカーの頭を離した。
読み取るだけだから冒険者に何かあるわけじゃないけど、驚いたルネがティーカーの服をぎゅっとして震えている。
あ……もしかして自分が欲しいって言ったせいで、って思ってるのかな。
泣きそうに青ざめたルネにティーカーも気づいたみたいで、抱っこすると首に抱きついたから背中をポンポンしてあげてた。
「大丈夫だって、ルネ。思い出の中に可愛い動物いないかなーってされてただけだから。痛くも怖くもないぜ」
「そうとも……この男は『フクロウがお嬢さんに幸運をもたらしてほしい』と願っているようだよ。大切にしておあげ」
明かされて耳まで真っ赤になったティーカーが、無事に購入出来たフクロウのブローチを受け取った。
「まあ記憶なんて見なくてもわかるか。
その通り、ルネにいいことがありますようにって買ったやつだからさ。つけて可愛がってくれれば嬉しい。
はい、どうぞ」
手渡されたルネが口を開けて、でも何度か言葉を出そうとしてうつむいてしまった。
服を引っ張ってブローチの裏を見たルネが必死につけ方を考えてるから、床に下ろすとティーカーが膝をついてブローチをつけてあげる。
可愛いフクロウと涙目で見つめあうルネの頭を、ティーカーが優しい顔で撫でた。
「どうかルネが、これから先の人生でも幸せになれますように」
顔を上げたルネが、願いを伝えたティーカーを見つめている。
自分をまっすぐに見るティーカーの青の瞳と向き合ったルネを、ティーカーは抱き寄せて……肩を震わせ始めた聖女の白い髪を、大切に撫でた。
「今度は俺が守る番だって思ってるんだ。……だから泣かないでくれよな。
俺、泣かれるのが苦手なんだ。ルネには特に泣いてほしくない。
ずっと笑顔でいられるように、俺も頑張るからさ。
このフクロウが、ルネに幸福を運んでくれますように。今は……ルネが笑顔になれますように」
転生したリアネさんを大切にしたい、恩返しするんだ、なんて探してきたティーカーの願いを込めた声を、静かな店内で聴いていた。
ルネも気持ちに応えようと思ったのか、目元を何度も拭って頷く。
ティーカーが改めて抱っこするとルネが首に強く抱きついて、背中をポンポンする大きな手に身を任せていた。
……ティーカーはずっと、リアネさんの幸せだけを願ってる。
小さい子には将来があるから自分は報われなくてもいいなんて、少しの諦めもあるのがなんだか切ない。
記憶の魔法も使えるし、魔神かもしれないヘンリに「そうだ」ってこっそり近寄った。
「ねえヘンリ、ルネの記憶に古いものが見えたりしない?
魂は大昔の勇者なんだけど、転生しても意思みたいなの残ってないかな。ヘンリから見てどう?」
「そうさねぇ……残念だが、転生者は転生後の記憶しかないものさ。お嬢さんは今の年齢分しか記憶はないよ。
でもそれでいいだろう? 魂は綺麗な方が、世界がよりよく見える……人生も楽しめるはずさ」
「私は諦められないから、両立出来る方法を探してるんだ。
もし記憶があったら、リアネさんだって出会い直せたティーカーと喜びを分かち合えるはず……ルネだって頼れる人がわかって安心して暮らせるし、ティーカーのためにもいいはずだって思うんだけど……何か知らない?」
手段があるのなら、勇者として神の試練だって受ける。
そう思いながらヘンリを見ると、帽子の羽が横にパサパサ揺れた。
「新しい思い出を紡ぐのは、古い記憶がなければ出来ないわけじゃない。まっさらな世界で出会い直しても、惹かれ合うものは惹かれ合う。
お前さんは古い記憶を下地にして新しい糸を紡いでいるから、失せた記憶を大切に思うようだがね……無くても自分だけの素晴らしい人生に仕上がるだろうさ。他人が下手に手を出しても、編み目が歪にほつれて傷になるだけだ。
記憶の魔法は便利なものじゃない。無理に呼び起こす必要もないし、あのお嬢さんなら自分を大切にしてくれる相手をちゃんとわかっているはずだよ」
ヘンリ独特の言い回しだけど、今のままでいいんだって諭されてる気がした。
……真新しい魔法使いの服に付けられたブローチに目をキラキラさせるルネとの思い出を、ティーカーは一緒に作っている。
失った恋人が目の前にいるのに、それでも別の個人として認めて大切にしてるんだって……ルネと笑い合う姿を眺めるしかなかった。
「さて、勇者も記憶払いをご希望かい? 金払いの良さそうな片割れもいるようだがね」
「ううん、私も記憶払いにするよ。
見たこともある記憶だけど、私に払わせても良いと思って渡してくれたんでしょ?」
「ああ。森の獣も大海を泳ぐ魚も、何もかも見てきた勇者の記憶なんて何度見ても面白い。
今見た記憶も合わせたいから、記憶と代金を引き換えにしよう。さあ、おいで」
私もヘンリに頭を掴まれて、そのまま目を閉じた。
新しい記憶は数年分しかないけど、古い記憶も今見たティーカーの記憶も合わせて楽しんでる。「ひひひ」って声を出すから、冒険者も怖がって逃げたりするんだ。全力で走って泳いで移動してた勇者だから、動物の反応が面白いだけなんだけどね。
「やはりユレス島のシマガメがいい……新しい意匠にピッタリだ。
ああ、創作意欲が湧く……命がみなぎるようだ……」
満足したヘンリから正式にコインを譲ってもらったから、鷹の彫り込まれたコインを見つめた。
……ヘンリの言う通り、私は幼馴染としてのレムスの記憶がある上で、オルディアとの新しい関係を築いている。
穏やかで子犬みたいだったレムスは今や鷹みたいに凛とした男性に変わったけど、どちらも大切にしながら新しい思い出を紡いでるんだ。
でもそれは私の人生で、ティーカーの人生はまた別物なんだって……考えながら顔を上げると、視線の先にあるオルディアの瞳が不思議そうに瞬いた。
「どうした? ……まさか記憶を読み取るだけじゃなく、何か植え付けられでもしたのか」
「え、あ、ううん、改めて見てもオルディアっぽいコインだなって思ってただけ。高貴な鷹っぽい印象だもん」
「ああ……実は僕も考えていた。
いつも愛玩させてくれる可愛い『猫』と連絡を取れるコインなんて、知らないはずなのにな」
「ちっ違うよ、猫になるのなんてたまにだけだもん。
はい、オルディアの分。大切にしてねっ」
照れちゃったけど、婚約者の魔王にコインを渡したら笑って受け取ってくれた。
連絡するって約束したし、練習は手にしてるうちにしたいから、こっそり自分の手の内にあるコインに今の素直な気持ちを伝えてみた。
「大好きだよ、オルディア。
いつもそばにいてくれてありがとう、これからもずっと一緒だよ」
小声にしたはずなのに、気づいた魔王が甘く微笑んでる。
……恥ずかしいことしちゃったから、道具袋にしまうとヘンリのお店を後にした。
こうして、勇者パーティはルネの新しい魔道具と、パーティ離脱中の魔王への連絡手段を手に入れたのでした。




