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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第三章

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和やかな日

「……」


 背筋に悪寒が走った。なんだか嫌な予感がする。多分ソニアさんがまた何か企んでいるのだろう。



「ただいまっす~」



 買い物を終えた俺は玄関を開けて中に入ろうとする。玄関に足を踏み入れた瞬間、足元に魔法陣が広がる。



 甘い!!



 すかさず飛び上がり魔法陣を避ける事に成功する。しかし、飛び上がった先にあった迎撃用トラップが作動して魔法が飛んでくる。



 飛んでくる魔法全てを相殺して着地に成功する。



「ふっ……前回は空中でやられたが今回はそうはいかないさ!! あーっはっはっはっ!」



 声高らかに笑っていたら地面がなくなった。地面と言うより床だけど。そんな事はどうでもいい。



 油断していたため、そのまま落下する。落下した先には針の山があった。普通に落ちたら、串刺しになって死ぬトラップだ。



「冗談じゃねええええええ!!!!」



 落下中に俺はグングニールを取り出し壁に突き刺す。なんとか落下を防ぐことが出来た。



 今回はシャレになりませんよソニアさん。



「おっ? 生きていたかショウ?」



 這い上がるとそこにはソニアさんが待ち構えていた。その横にはララちゃんとチルさんの姿もある。



「流石ショウだね!」


「すごいです、ショウ様!」



 二人とも褒めてはくれるけど最近ひとつも心配してくれないよね……



「ソニアさん。最近、侵入者用のトラップが一層強化さてれないっすか?」


「勿論だ! 君が引っかかるようなトラップを作ることが出来たなら、侵入者用のトラップとしては大成功だ!」



 なるほど、俺を嵌めることができたら良いと言う訳ですね。


 楽しそうで何よりです……



「それより、今日はどうするんす?」



 ソニアさんに今日の予定を聞いてみる。ソニアさんは俺に笑顔を向けてくる。



「今日は休みだ。何をしてもいいぞ」


「わかりましたー!」


「随分嬉しそうだな」


「そりゃいつもいつもあんな事されてますからね」


「君はそんな事を思ってたのかね?」



 やばい!


 つい本音が……



「休みは無しだ。今日は私に付き合え」



 うえっ!


 マジかよ!!



「そうだな。今日は街へ行くことにしよう」



 つまり!!!


 デートですね!!!


 ひゃっほう!!!



「私も行っていい?」



 そういや、ララちゃんがいたね。すっかり忘れていた。



「うむ。一緒に行こう」



 ソニアさんが二つ返事をする。



「チルはどうする?」



 ソニアさんはチルさんにも一緒に行くか聞いた。



 なるほど、美少女と美女の三人が来てくれるのか!!



 俺は幸せなんだろうが街に行けば嫉妬と憐れみの目が絶えないだろうな。



「すいません。私はこの後、城に呼ばれてるので」


「そうか。それなら仕方ない」


「誘って頂いたのにすいません」


「いや、君が謝ることは無いよ。また次の機会にしよう」



 くそっ!!


 チルさんはダメなのか!


 残念だなぁ……



 結局俺とソニアさんとララちゃんとの三人で街へ出掛けることになった。



 フハハハハ!!!!


 見よ!!!


 ソニアさんが化粧をしてオシャレをしている!!


 いやはや、元が美人なのにさらに化粧するもんだから余計に綺麗になりますわ!


 街の人皆振り返ってるよ!


 いい気分だぜぇ!!!



 俺達はカフェに行くことになり、今はカフェにいる。他の客達は皆ソニアさんの方を見ている。



 ふっふっふ!


 貴様らそんなにソニアさんが美しいか!!



「どうしたショウ? そんなにニヤけて気持ち悪いぞ」



 敵は味方に居たか……



「ショウ、キモい……」



 ごはぁっ!!!



 思わぬ一撃を受けてしまう。精神的ダメージはいつ受けても辛いものだ。



 とにかく何か話題を……


 そうだ!!


 あれを聞いてみよう!



「あのソニアさんってどうして研究者になったんですか!?」


「私が研究者になった理由か。そうだな。君達になら話してもいいだろう」



 えっ?


 なんか意味深なんだけど……



「私が研究者になった理由は単にこの国を良くしようと思ったからだ。君達も知っての通りこの国は三種族の者達が住んでいる。当然、種族間の劣等感や優越感など色々な事がある。差別だってあった。私はそう言ったものを無くしたいと思って研究者になり、この国の発展に貢献しようとして始めたんだ」



 そうだったのか……


 てっきり面白半分でしてんのかと思ったよ俺は。



「私は知ってるよ。ソニアの魔法や魔法薬が、どれだけこの国の為になってるか」


「そう言われると照れてしまうな」


「ううん、胸を張ってもいいと思う。ソニアはそれだけこの国を豊かにしてくれたんだから」


「ふふ……ララ様に言われると自信が出るな」



 ふむふむ……


 微笑ましい光景ですね……

改訂済み

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