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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第三章

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実験開始!

「さぁ、それでは早速魔力化してくれないか?」


「了解っす」



 早速、実験が始まる事となった。ソニアさんに魔力化するよう指示されたので、指示に従い魔力化を施す。



「疾風迅雷!」



 とりあえず、好きな風属性と雷属性の魔法を体に纏い魔力化を施す。バチバチと電気が迸り、周囲に風が吹き荒れている。



「ふむ……これが魔力化か。少し攻撃するが良いか?」


「バッチこーいっす!」


「では遠慮無く……光線!!」



 ソニアさんが魔法を放ち、俺の腹部めがけて光線が飛んでくる。物理なら無効化出来るのだが、魔法は普通に効く。だけど、避ける事を意識していれば、魔法も無効化できる。



「ほう、やはりすり抜けるか! 面白いな!! 次行こう!」



 ソニアさんが放った魔法は俺の身体をすり抜けた。なので、俺は無傷である。その結果を見てソニアさんはある程度予想していたにも関わらず、はしゃいでいた。



「では、魔法陣を描くから少し待ってくれ」


「ういーっす!」



 ソニアさんは今自分が立ってる場所に魔法陣を描き始める。どんな魔法陣なのだろうかと覗き込んでみるが、さっぱりわからない。



「完成したな。今度はここに立ってくれ」


「ういういーす!」



 魔法陣を描き終わったソニアさんは俺に指示を出す、指示された通りに、魔法陣の上に立つ。上に立っただけでは何も起きない。



「魔法陣起動! 魔力ジャミング!」



 ソニアさんがそう唱えると俺の身体に異変が起こる。魔力化が保てなくなる。迸っていた電気も周囲に吹き荒れていた風も止んでしまい、完全に元の状態へと戻る。



「ぐっ……」


「くらえ、風球!!」


「うげっ!!」



 腹部に風球が直撃してしまった。思い切り、後ろに昏倒してしまう。しかし、何故魔力化が上手く保てなかったのだろうか。



 今の魔法結構な威力あったんだけど?


 くらえ! って叫んでたし……


 ソニアさん笑ってるし……



 ジト目でソニアさんの方を睨む。ソニアさんも気付いたようで、咳払いをしてこちらに来る。



「成功のようだな」


「あの魔法陣はなんだったんすか?」


「あれは魔力の流れを乱す魔法陣さ」


「魔力の流れをですか?」


「そう。あそこに立てば、どんな魔法使いだろうと弱体化するのさ。無論、君は魔力そのものになったんだから余計にキツかったわけだよ」


「おお、なるほど! それよりさっき、思いっきり、くらえ! って叫んでなかったすか?」


「何を言う。君の勘違いだろう」



 誤魔化してくるソニアさん。明後日の方向を向いているから嘘なのが分かる。別に怒ってはいない。武神のおかげでそこまでのダメージはなかったから。



「では、どんどん実験と行こうか!」



 とことん付き合いますか……



 結局、そのあとは酷い物だった。武器創造は、どこまで出来るのかと言われて同じ武器ばかりを何個も造った。三桁先からは数えるのをやめた。



 しかも、神器まで造らされた。勿論、同じように何個もだ。



 様々なことを質問されて造らされた。おかげで魔力が尽きるまで大変だった。魔力を使い果たして倒れる。



「魔力を回復させてやろう。今度は魔法薬の実験体だ」


「マジっすか?」


「ああ。試作品だが、まぁ……問題はない」



 それ絶対何かあるからね?


 もう色がおかしいもん!!


 市販で売ってる奴と色違うもの!!



「グイッと行け!」



 飲み会で一気飲みをさせられる気分だ。ガストンさんとしかやったことないけど、不思議と拒めない。



「……ん!!!」



 一気に瓶を傾けて口に近づける。ゴクゴクと勢い良く喉を鳴らして、飲んでいく。その回復薬らしき液体を飲み干す。



 あれ、意外と美味い?


 これ成功じゃね!?



「ソニアさん! これ美味しいっす……よ……?」



 なんだ……これ……


 か……ら……だ……が……お……も……い?



「ふーむ……やはり、メドゥーサの種は使うべきではなかったか?」


「な……ん……す……か……そ……れ?」


「石化効果を持つ毒草の種だ。毒草だが魔力回復にはもってこいの成分が含まれているんだよ」


「そ……ん……な……も……の……」



 ここで俺の意識が途絶える。正確には石化したらしい。



「死ぬかと思ったっすよ!!!!」


「アッハッハッハッハ!! 生きてるから安心したまえ」


「笑い事じゃないっすよ!」


「ショウ。落ち着いて」


「でも、ララちゃんも俺の石化を見て笑ったでしょ!?」


「そ、そそんなことは無いよ?」


「むっちゃ動揺してるやん!!」



 そう、俺が石化から戻ったらララちゃんが目の前にいて涙目だったのだ。



 最初は俺の事を心配して泣いてくれたのかと思ったら、ソニアさんが笑っていたと教えてくれた。



 ちなみに俺達は食堂で飯を食べている。チルさんも帰ってきているので四人で食卓を囲っている。



「私も見て見たかったです」


「だそうだ! ショウ、もう一度やってみるか?」


「断固拒否っす!!」


「そう言わずに~」



 そのあとは適当に談笑して風呂に入って部屋に行き眠った。こうして初の実験体としての一日は終わった。

改訂済み

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