実験体に!
ゴーレムを倒した俺は地面に腰掛ける。そこそこ苦戦したので意外と疲労している。休憩がてらに座っていると、ソニアさんとララちゃんが近付いて来る。
「感謝するよ。ショウ」
「依頼っすからね」
「そうか」
「ショウ。面白かったよ!」
「ララちゃん、心配してくれないの?」
「えっ?」
「えっ? って何それ」
「だって勝つってわかってたもん!」
信じてくれていたのか。出来れば、もっと早くに教えて欲しかったところだ。でも、可愛いので許す。
「それじゃ、屋敷の方に戻ろうか」
ソニアさんにそう言われて屋敷へと戻る。再び客間へと案内された。
「ところで、ショウ」
「はい?」
「君に興味が湧いた」
なんだってえ!!!
俺に気があると!?
「是非、私の……」
ゴクリと俺は唾を飲み込む。次の言葉に期待をしながら。
「実験体兼研究対象になってくれ!」
あんな真剣な顔してたから愛の告白かと思いました。でも、現実は違った。期待した俺が馬鹿だった
実験体ってなんだよ!?
断固拒否する!!!
「流石に……実験体とかは……」
「頼む! 君が欲しいんだ!」
ソニアさんが対面のソファに座っていたが、身を乗り出して手を握って懇願してくる。初めて、女性にこんな風に手を握られたのがこんな頼みなんて予想もつかなかった。
君が欲しいんだって勘違いしちゃうよ!
ちくせう!!!
「いやぁ~でも……やっぱり俺は」
「なら、君に直接依頼を出す!」
拒否している俺を見て、ソニアさんはアプローチを変えてきた。
「無期限の依頼だ! 報酬も君の望む限りの額を払う!」
「何故、俺なんすか?」
「ふむ……君は特殊なスキルの持ち主だろう? それに神級を撃っても平気でいた。それに君が使っていた武器も見て見たいんだ!」
だからゴーレムと戦ってた時、あんなにも熱心に俺を見てたのか。しかし、だからと言って実験体と言うのが嫌だ。
「やはりダメか?」
懇願するように俺の目を覗き込んでくるソニアさん。美人にそのような事をされたら、俺の意志が揺らいでしまう。
「ショウ、別にやっても良いんじゃないかな?」
まさか、ララちゃんまで乗り気になるとは思わなかった。
「ショウ!!」
「ショウ」
二人に迫られた俺は、苦渋の決断をする。
「わかりました。引き受けます」
「本当か!?」
「はいっす」
「そうか!! よし、そうと決まればゴーレムの討伐の報告が済んだら、荷物を持ってこの屋敷に来てくれ! これからは一緒に住むのだからな!」
「どういうことっすか?」
「君は宿に泊まっているのだろう? いちいち私の屋敷と宿を往復するのは大変じゃないか。だから、いっその事私の屋敷に住んだらいいと思ってな」
「わかりました。あのララちゃんも一緒でいいっすか?」
「もちろん、構わんよ」
よかった。これで断られらたら依頼も断ろうした所だ。今はララちゃんの護衛を兼ねているからね。
「じゃあ、一旦俺とララちゃんはギルドに報告に行って来ますね」
「いや、私も着いて行こう。君に依頼を出さないといけないからな」
「わかったっす。それじゃ行きましょうか」
こうして俺とララちゃんはソニアさんの屋敷に住む事が決まった。ソニアさんの依頼は毎月決まった給金で家賃もタダ。だが、研究対象となることと魔法の実験体になること。
だけど、俺はまだ知らなかった……
この依頼が俺にとって、とてもかけがえのないものになることを――
俺達がソニアさんの屋敷に来て三日が経った。まだ実験は何もしていなかった。それとチルさんもこの屋敷に住む事になった。ララちゃんの護衛の為に。
それと料理担当は俺です。残念なことにチルさんは料理が苦手らしく、いつも外食ばかりだったと言う。
ソニアさんは作れるのか聞いたら一応作れるが味の保証はしないと言われたので俺になった。
それよりやばかったのがソニアさんの普段着だった。
いや、何がやばかったってのは朝下着一枚で起きてくるんだよ。いや、本当にスタイル最高でした。ご褒美ありがとうごさいます、と心で敬礼してしまうほどに。
チルさんとララちゃんがそれを辞めるように説得していたが効果はなかった。
「何を言う。前は下着をするのが手間だから裸で寝てたんだ。それを使用人が下着だけでも着ていろと言うから下着だけは着るようにしたんだ」
流石、奇人と呼ばれてるだけあります。
最初は俺もガン見していました。もちろん、ララちゃんに蹴られてチルさんには冷たい目で見られました。
だって男だもの!!!
そりゃあんな性格だけど、めっちゃ美人が下着一枚なら誰だって興奮しちゃうよ??
まあ、童貞には刺激が強過ぎるけど……
一度やばかったのが黒の透けた下着を着てた時だ。それがティーバックでもあったから余計に興奮してしまった。思わず二度見した後に凝視してしまった。
しかも、ソニアさんその視線に気付いてワザと見せつけてきた。思わぬ褒美に土下座しようかと思いましたわ。
その時はソニアさん俺に――
「ふむ、やはり君も男だな」
って笑ってくるんだぜ?
卒倒するかと思ったよ。
いろいろあって、今日ようやく魔法の実験が始まる。意外とワクワクしてる。どんな事をするのかと思うと期待が止まらない。
「実験を始める前に、君のスキルを知っておきたい。教えてくれるか?」
「誰にも言いません?」
「言う相手がおらんだろう」
それもそうかと頷きステータスをソニアさんに開示した。
「………」
「あの、なんかおかしかったんすか?」
「あー、いや、すまん。驚いて声も出せなかっただけだ。それより強いとわかっていたがまさかレベル300とはな。ステータス値も高いしスキルも希少なものばかりだ。本当に君には驚かされる」
あっ!
異世界人ってのばれたかな??
どうしよ!!!
「ん? どうした? 冷や汗なんかかいて?」
「いや、あの! その……称号もみました?」
「ああ、異世界人と言う所か。それがどうした?」
「驚かないんすか?」
「なんだそのことか。異世界人であろうと君はそこいらにいる人となんら変わりはない。ただ少し強いだけさ」
もっと食い付いてくるかと思ったが拍子抜けである。でも、あれこれ詮索されるよりはマシなのでソニアさんの反応は有り難かった。
「なんだバラしても良かったのか?」
「いや、出来れば秘密で!」
「君がそう望むならそうしよう。だが異世界人か……ますます研究のしがいがあるな!」
どうやらソニアさんの研究者としての本能を呼び起こしてしまったようだ。どうか、穏便に済ませて欲しい。
どうして俺が、巡り合う女性は頭のネジがおかしいのでしょう……
今まで仲良くなった女性は皆美人でしたよ?
でもちょっとどこか頭のネジがおかしいんだよな。
いつ彼女が出来るのでしょうか……
改訂済み




