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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第三章

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その後のアルカディア

 ショウが姿を消してから一ヶ月が経過した。ショウのおかげで、あの内乱の犠牲者は一人もいない。



 何故、無関係であるショウがあそこまで頑張った理由はソニアとの約束があったから。実に単純な男である。



 ララは黒のローブの男に連れて行かれそうになった所をソニアが守った。しかし、そのせいでソニアはその男に殺されてしまう。



 今回の事件で唯一の犠牲者となってしまった。



 その事を、ゼオンに話したら追悼式が行われる事になったがララが止めた。何故ならソニアはそう言うのを嫌っていたからだ。



 今ララはある場所へと向かっている。その場所とは、ソニアの住んでいた屋敷の裏にある湖だ。そこは、ソニアのお気に入りの場所だったらしい。



 湖に辿り着くと無造作に石が置かれている。その石の近くには花が添えてあった。ララとチルはそれがソニアの墓だとわかった。



「ララ様、これは……」


「うん、多分ショウだと思う」


「やはり、そうですか……」



 ちなみに、チルはあの仮面の男がショウだと聞いて驚いたらしいのだが、それ以上に尊敬しているらしい。チルが持っている武器はショウが創った物で最高の剣だと言う。ショウの剣を斬ることは出来たが結局敗北してしまった。



「ねえ、チル。誰一人殺さず三万の軍勢を相手に出来る?」


「無理ですね。多分、ガストン様もゼオン様も無理だと思いますよ」


「そっか……」


「そうですよ」


「……ソニアは元気にしてるかな?」


「ええ。きっと……」



 ララは静かに涙を流す。もっといろんなことを話したいが今はまだ、気持ちが整理されてない。



 空を見上げて、亡きソニアに自分達は大丈夫だと心の中で述べる。



 一方でショウはアルカディア国境付近で苦戦していた。



 伝説の魔獣を倒し、三万の軍勢に打ち勝ったはずのショウは目の前に現れた巨大なムカデに大苦戦している



「ギギ……!」



 見た目がキモイのもあるがショウは過去にムカデに噛まれた事がある。それ以降、軽くトラウマになっているのでムカデは苦手なのだ。ただし、苦手とは言っても戦えない訳ではない。



 憎悪で思考が埋め尽くされるだけ。



「ギュギギギ!!」


「ギイイイ!!」


「失せろおおおお!!!」



 ショウは構えたカラドボルグでムカデ達を薙ぎ払う。だが、ムカデ達は身体が半分になろうとも襲いかかって来るので意味がない。軽くホラーである。



 ムカデは基本的に一匹見たら二匹いる。雌雄で行動するらしい。あとは潰したら体液が飛び散り仲間を呼ぶと言う話はあるが、科学的な根拠はないらしい。



「俺のトラウマよ、燃え尽きろおおおおおお!!! 獄炎弾!!!」



 ショウが火属性の最上級魔法をムカデ達に放つ。ムカデ達は勢いよく燃え上がり断末魔を上げる。



「ギュギギギイイイイイイ」



 ムカデには発声器官が存在しないのだが、鳴き声を上げているのは不思議に思う。だが、異世界なのでムカデも鳴いたりするのだろうとショウは勝手に納得する。



 いつの間にかムカデ達は灰となり燃え尽きていた。その、灰も強風が吹くと何処かへと消えていく。



「……キモかったな」



 ショウはバイクを取り出し、当ても無く何処へと走り出す。荒野を走り続けること三時間程して森に入る。



 よく見たら道らしきものがあったので、ショウはバイクを降りて歩くことにした。しばらく歩いているとショウは首筋に妙な痛みを感じる。



 それから数分歩いていると、だんだんと視界がぼやけて来る。急に睡魔が襲って来たのだ。だが、おかしい。ちゃんと睡眠はとったはず。なのに、どうしてと疑問に感じた時ショウは倒れる。



 すると、森の中から複数の男が現れた。何か喋っているようだが意識が保てず、そこでショウの意識はなくなった。



 地面が揺れている。その揺れで目が覚めると、ショウの周りには薄着一枚の男性や女性、子供までいた。



 嫌な予感がしたショウは自身の手足を確認する。手首には手錠が嵌められており、足には鉄枷が嵌められている。信じたくないショウは一旦鉄枷の事を意識から外す。



 とりあえずショウは近くの人に聞いてみることにした。



「あの、ここは?」


「ここは奴隷商人の馬車の中だ」



 どうやらショウは奴隷商人に捕まったらしい。チェリーの前に後ろのヴァージンを失う事になろうとは誰が予想出来たことだろう。悲しい事にこれが現実なのだとショウは揺られる馬車の中で絶望した。

改訂済み

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