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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第四章

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俺どうなる?

 ガタンゴトンと舗装もされてない道を走っているので馬車が揺れる。その度に衝撃が伝わってくるので普通に座っていると尻が痛い。



 おおう……



 俺の視界に映るお姉様のお胸様も揺れております。眼福です。ありがとうございますと心の中でお礼をする。周りをよく見るとみんな目が死んでる。陸に上がった魚のようだ。



 そういや、奴隷だっけか?


 男色家に買われれば俺は……


 嫌だ!!!!


 そんなのは嫌だ!!



 前のチェリーが散る前に後ろのヴァージンが散ることになろうとは思いもしなかった。まだ、決まったわけではないが。



 でも、なんとかして逃げたいけども魔力が使えない。やはり、手枷は魔力を遮断しているのだろう。



 なんと言うことでしょう!!


 マジやべえぞ!!


 人生最大のピンチじゃないの?


 なんとしてでも逃げてやる!!



 でも、スキルは使えない。魔法も使う事が出来ない。まさに八方塞がりである。今回ばかりは打つ手無しの状況に俺は俯いてしまう。



 ああ……神様、仏様……


 どうか、どうかこの私をお救い下さい……



「あんた、さっきから随分と余裕じゃな」



 俺が天に祈りを捧げていると横のお爺さんが話しかけて来た。



「いや、天に祈ってます」


「神なんてものはいねえよ……いるのは悪魔くらいじゃ……」


「悪魔ですか?」


「そうじゃよ。人の皮さ被った悪魔じゃよ……」


「まあ、死ぬわけでは無いんすから」


「お前みたいな若い奴はな……ワシみたいな老人は奴隷としても役に立たないから魔物の餌にでもなっちまうかもしれねえよ……」



 魔物の餌って……


 流石にそれはないだろう。



「いや、そんなことは」


「貴族の中には魔物を飼ってる者もおるんじゃ。そういう奴らに買われた後は魔物の餌じゃよ……」



 どうしようも出来んな……


 俺も運次第か……



 俺の運は確か250はあったはず。これって高い方なのだろうかと考える。しかし、他に参考に出来そうな数値がないので分からない。



 うーむ……



 それにしてもケツが痛い。さっきから揺れすぎである。どんな道通ってるのかと問い詰めたいくらいだ。



 深く考えないでおこう……


 もう起きとくのも怠いから寝よ。


 おやすみー。



 目が覚めたら馬車が止まっていた。どうやら目的地に着いたみたいだ。馬車の扉が開かれるとそこには男がいた。



「オラ! お前ら降りろ!」



 男は怒鳴りながら近くにいた少年を扉の外へと無理矢理落とした。



 ちょっひでぇ。



 よく見たら全員の足枷は繋がっており、一人が動くと全員も動くようになっていた。だから、少年が落とされたことによって無理矢理動くことになる。



 馬車から降りるとそこは魔法陣の上だった。



 なんで魔法陣?



 魔法陣が光り始めると、俺の視界は暗転していた。目を開けると、そこは牢屋のような場所だ。牢屋のようというよりは、想像した通りの牢屋だった。



 鉄格子とかどうしろと?


 もういいよ……


 流れに任せるよ……



 俺はその場に座る。他の人も諦めたのか座ることにしたらしい。ざっと見て約五十人くらいはいる。老若男女問わず沢山いた。



 どちらかと言うと女性七割男性三割と言ったところだ。他にも人間だけでなく、獣人やエルフなどもいる。



 いや、小説には良くあるじゃん?



 奴隷市場に潜入して救う話って。でも、今の俺はチートは封じられております。どうやら、手枷にスキルや魔力を封じられているようで全く力が出ません。



 むしろ、昔の非力な少年に戻りました。何故、自分でもこんなに冷静なのかはわかりませんが一つだけ言わせてください。



 誰か助けてと……


 うわああああああああああ!!!


 嫌だ嫌だ嫌だああああああ!!!


 誰か助けてくれよおおおおおお!!!


 主人公はいないの!?


 転生者君は?


 チート持って助けに来てよ!!


 くそぅ!!



「あの……?」



 誰だ!!



 人がこんなに困ってる時に話しかけてるバカは誰かと思い、振り返ってみると女性が話しかけて来ていた。



「はい、なんでしょう?」



 紳士な対応をする俺!!


 惚れても良いんだぜ!



「とても、冷静な方ですね」



 冷静ではありません。内心焦りまくりです。



「あの、どうかしましたか?」


「いえ、メチャクチャ焦ってます」


「えっ……?」


「えっ?」


「貴方はどうして奴隷に?」


「森を歩いてたら、なんか首筋がチクッとしたら眠たくなって寝たら捕まってた」


「そうだったんですか。何か事情があったのでは無いんですね」


「はい」



 あれ?


 じゃあこの人は何か事情ありなの?



「じゃあ、貴方は事情があるんですか?」


「……私は借金の肩代わりに売られたんです」



 おおう……


 ヘビーな話ですね。



「……」



 なにも答えれません……



 俺と女性に沈黙が訪れる。すると、鉄格子が開かられる音がする。そこには如何にも乱暴そうな風貌の男が立っていた。



「おい、そこの黒髪出てこい」



 えっ?


 俺ですか?



「早くしろ!」


「あっはい」



 俺は立ち上がり男の方へと向かう。俺が歩こうとしたら女性が話しかけて来る。



「怖く無いんですか?」



 ふむ、どう答えるか……



「さあ? 運に任せます」



 俺はそう言うと男に連れて行かれる。

改訂済み

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