43、やばい。結婚の申し出来たんだが
「どうしたのお姉様」
久々に難しい顔をしている姉をみた。 手紙を読んでいる姉の顔にはそれはそれは、は?なんなのよこれ?と書いてあるようにみえた
「メイリーン…貴女に結婚の申し出が来たわ…」
「え!?」
結婚!?結婚てシエル様と!?ひぇぇぇぇぇそれはびっくりだよ!確かに婚約者だけど、日取りも決まってなかったし、、というか、え!?ほんとに?英雄王ってばれないかな。やばばば。
青くなったり赤くなったりしながらメイリーンは姉の言葉の続きをまつ。
「相手の名は、マリアネット・ラグナル」
「え……!?ん???」
それって女の子では???
「えぇ。だから、我が国の英雄王に来たのよ」
「なんでくるの!?」
「知らないわよ!こちらの台詞よ!あんた戦時中に女の子たぶらかしたわけ!?何不謹慎なことしてるのよ!勝利だけ得てすぐ帰ってきなさいよ。ばかなの?愚図なの?胸がなくて、女子力がないからって、男にでもなってんの?」
「相変わらずヒドイ言われよう!勝利だけ得てるよ!でもたまに、救った町でごはん作ってもらったりしてるよ!!」
飯は死活問題!腹が減っては戦はできぬ!
「だからおにぎり持ってけって言ってるじゃないの!!というか、なんで縁談なんかくるのかしら!40のおっさんだって言っているのに!」
「っていうかそれってどこの人?」
「こないだ、連続火災地域を捜索しに行ったでしょ?そこの領主の娘よ」
「あ、あぁ~」
そういえば、連続放火の可能性があるかないか調べてこい!って言われて行ったなぁ。無事に犯人掴まえたっけ…。で、そのあと屋敷に招待されて、家族にあったなぁ……。確かにかわいい女の子紹介されたわ~。
「あれ?ん?娘って確か10才だよ?」
「そうよ!40のおっさんと婚約する意味あるのかしら」
「だったら、断ったらよくない?今までもゼロじゃなかったでしょう?」
世の中おじさん好きは稀だけどちゃんといるんだよなぁ。そのこもそうなのか?いやいや流石にそんなわけ……?
「どうせなら妻子もちって設定にしておけばよかったかなぁ?」
「あんた子供の話とか質問されたらどうする気でいたのよ。嘘つけないじゃない」
確かに、そう言われたらそうか
「問題は、あんたがさらわれた日に既に会場にいなかった貴族ってことなのよ」
「あぁそれは調べた方がいいね。」
姉と私がオレンジジュースの入れ替わりを見てない貴族が怪しいというのが、私たちの中で調べる相手なのだから。
「ラナックに行かせる?」
「ラナックにはちょっとねぇ~こういうのには向いてないのよねぇ」
「確かになぁ~」
ラナックはごついマッチョくんだが、ああ見えてもすごく優しい青年で、どんな人間でも情をわかせてしまうのだ。犯人がラグナル家ってなったときに情がうつりすぎてて戦えないのは困る。
「エルウェンは忙しいしねぇ。最近はデスクワークばっかで足腰弱ってるもんなぁ。おじちゃんと言えばおじちゃんだけども。」
「そうねぇ……」
「聞こえているのだが……?」
眉間に皺をよせひきつった顔で、そこにはエルウェンが立っていた。お姉様に書類を持ってきたのだろう。
「あ!エルウェン。また眉間に皺が……マッチ棒ないかな。マッチ棒……」
「まぁ。エルウェン。あら、眉間に皺がよってるわ。どこかに定規はないかしら……?」
「探してくるな!持ってこようとするな!」
「宰相殿はこんなことで怒らないよ」
「宰相殿はもっとお優しいのに」
「えぇい!いちいち叔父と比較しないでいただきたい!!!」
ケラケラといつものようにエルウェンをからかった後についでとばかりに、この問題も相談してみた。
「ほぉ成る程……。それはある程度相手から情報を引き出す能力がいるのですなぁ。メイリーン殿下が言ってきたらいいのでは?
ほら、いつの年だか、ハロウィーンだと、男装をしたことがあったじゃないですか」
「あー…あったかも……?」
誰にも正体ばれなくて、悲しくて泣きながら男装といた覚えあるなぁ……
「あー。私がメイリーンを化かしたやつね。5年も前よ。流石にばれるんじゃないかしら。ほら、愚図で、ばかで、胸と女子力がないのは変わらないけど……
・・・
変わらないわね……意外と行けるんじゃないかしら!」
「あれ!フォローは!?途中でとまったんだけど!!」
「するところがなかったわ!」
「あってよ!見つけてよ!」
「早速やってみるわよ!」
「年齢はどうするの!40のおっさん言われたら傷つくんだけど!」
「そんなの部下の士気のために偽ってました!ほんとは二十歳です!でいいのよ!」
「二十歳でもないんだが!」
あーだこーだいいながら反対してみたが、反論は何一つ通らなかった。あっという間に男装させられた。
「悪くないわねぇ。」
鏡の後ろから不敵に笑う姉の声が響く。
ほんとこの姉。姉様々すぎて驚くくらい。
「お嬢様りりしいですわ。あのときの麗人はお嬢様だったのですねぇ…」
あーあの悲しいハロウィーンね。もぅ忘れてよ…。
「このメイクと体型セットってユスタにもできるかしら?」
「えぇお任せ下さい」
「だから、なんでユスタは私の侍女なのに、お姉様の言うことばっか聞くのよ!」
こんな苦い思い出背負いながら、仕事なんてしたくないんだが!
「お嬢様の活躍をみたいからですわ!」
「誉め上手!!」
くぅ~ユスタめぇ~!私をやる気にさせるのが上手だなぁ!
「じゃあ決まりね。言ってらっしゃい」
人生2度目の男装は、それはそれは長い1日となった。




